「気になる10代名鑑」の699人目は、SHIERIさん(18)。高校から本格的に服づくりを学び、『全国高等学校ファッションデザイン選手権大会(ファッション甲子園)』に出場した経験も。地元・青森県の『こぎん刺し』をはじめとした、伝統技法を活かした創作活動に挑んでいるというSHIERIさんに、活動を始めたきっかけや実現させたい未来について、聞いてみました。
SHIERIを知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることを教えてください。
「今年の4月に青森県から上京して、文化服装学院のファッション工科基礎科に入学しました。高校のときから、服飾コースのある学校に通っていたのすが、パターンについてもっと詳しく学びたいと思い、ファッションの名門である文化服装学院に進学することにしたんです。
これから、いろんな形の洋服づくりに携わっていきたいと思っています」
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Q2. どんなことをテーマにして、活動していますか?
「服をつくるときは、特に決まったテーマを掲げているわけではないのですが、“見ても、着ても楽しい服”をつくることが多いと思います。ちょっと驚く仕掛けや遊び心があるようなデザインが好きで。それはずっと昔から考えていることで、高校生のときに参加した『ファッション甲子園』でも、ランウェイの途中で服の中から服が出てくるような、仕掛けのあるドレスをつくりました。
見ている人たちが、『あの服、どうなっているんだろう?』と思わず考えてしまうような服を、これからもつくっていきたいと思っています。ちなみに、今日履いているスカートもリメイクしたものなんです」
Q3. 活動を始めたきっかけは?
「6歳ぐらいのころ、実家で紅白歌合戦を見ていたら、芦田愛菜さんがとってもかわいい、赤いドレスを着ていて。母に『わたしもあのドレスが欲しい! 買ってほしい!』とお願いしたんです。そうしたら、母がささっとドレスをつくってくれて。
そのときの母の姿がかっこよかったのを、いまでも鮮明に覚えています。人の心を動かせる服ってすごい存在だし、それが実際につくれるという事実に感動して……。そこから服づくりに興味が湧いたと思います」
Q4. これまでに印象的だった出来事を教えてください。
「高校3年生のときに出場した『ファッション甲子園』と、学校内で行われるファッションショーの制作期間が重なってしまったことがあって。特にファッションショーでは、クラスのみんなをまとめるようなポジションだったので、大変なことも多くて、当時はけっこうハードな日々を過ごしていました。でもこの期間があって、それを乗り越えられたからこそ、本気で服づくりに携わりたい!という思いが強くなったと思います。
高校生のときのわたしは、人に頼るよりもひとりでやったほうが早いし、なんでもひとりででやってしまおうと考えていたこともあって。でも、困っているときに話を聞いてくれたり、助けてくれたりした友達のおかげで、その大変だった時期を乗り越えられたし、人に頼る大切さを学ぶことができました。何より、みんなでショーや作品をつくりあげる喜びや達成感は最高なんです」
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Q5. 活動を通して実現させたいビジョンがあれば、教えてください。
「日本の土地柄や伝統を生かした服づくりをしていきたいと思っています。地元の青森県に『こぎん刺し』という技法があって。藍で染めた紺色の麻布に、真っ白な木綿の糸で、幾何学模様に刺繍するのですが、それがとてもキレイなんです。いまはその技法を使って、オリジナルのワンピースをつくっています。
でも、地元の人にさえ、あまりこの技法は知られていなくて。このままなくなっていうのは、すごくもったいないと思うんです。他にもきっと、日本にはまだまだ知られていない伝統や技法があると思うので、そういった古き良きモノづくりを、これからの服づくりに取り入れていきたいです。たくさんの人に、日本の文化を知ってもらうきっかけを届けられたらなと思います」
SHIERIのプロフィール
年齢:18歳
出身地:ハワイ生まれ、青森県育ち
所属:文化服装学院 ファッション工科基礎科
趣味:音楽を聴くこと
特技:工作
SHIERIのSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Ayuka Moriya