「気になる10代名鑑」の671人目は、いのあⒸさん(19)。ラッパーとしてライブやラップバトルに出場する傍ら、楽曲制作にも情熱を注いでいます。「心から楽しんで、日常の中から生まれてきたことをリリックにしている」と語るいのあⒸさんに、活動を始めたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。
いのあⒸを知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を注いでいる活動は?
「ラッパーとして、ライブやラップバトルに出場したり、楽曲制作をしたりしています。活動の拠点は、福岡市の天神3丁目と舞鶴1丁目の間に伸びる、親不孝通りというところ。
『曲で自分の思いを伝えたい』という思いからラップを始めたので、楽曲制作には力を入れていて。自分の書いたリリックをもとに、トラックメーカーの方にオリジナルで創ってもらったり、YouTubeのフリービートを使用したりしています。今年の4月には、『進路はびっち』という曲をリリースしました。
普段から、何か感情が動いたときには、言葉として落とし込めないか、面白い言い回しはないかなどを考えています。そのためには、外からの刺激も重要だと思っていて。常に新しいものに触れたり、いろいろなコミュニティに飛び込むことも意識しています」
この投稿をInstagramで見る
Q2. 活動をするときのテーマは?
「自分が心から楽しんで、日常の中から出てくることをリリックにすること。自分には嘘をつかず、弱い自分もさらけ出して、本当に伝えたいと思うことを書きたい。そうすることで、聴いてくれる人にエネルギーを伝えられるし、ライブで一緒に盛り上がれるような曲がつくれると思うんです。
わたしは音楽がないと生きていけないと思うくらい、音楽に支えられて生きてきたと思っていて。わたしの音楽も、誰かの日常を彩ることができるような存在になったらいいな、と思います。
アーティストとして売れて音楽で生計をたてることがゴールじゃないけど、少しでも多くの人に届けるために、知名度や実績も培っていきたいです」
Q3. 活動を始めたきっかけは?
「中学生のとき、ちゃんみなの『never grow up』のMVを観たことがきっかけです。綺麗事だけじゃなくて、直接伝わってくる感じを、いまでも覚えています。
本格的にラッパーをめざし始めたのは、高校3年生のとき。部活を引退して、進路について考えていて。自分について振り返る中で、ダンスや音楽が好きだと、改めて気づいたんです。それに、勉強したり熟考してから行動するよりも、経験を積んでいくことがいまは大切だと思ったので、大学進学はしないことに決めました。
でも、進学校に通っていたこともあり、大学にいかないという選択肢はあまり受け入れてもらえなくて……。精神的に不安定になってしまったこともありました。そんなときに救ってくれたのがラップでした。自分が思っていることをありのまま表現したいと思ってリリックを書き始め、ラッパーになることを決心しました」
この投稿をInstagramで見る
Q4. 活動を通してつらかったことは?
「楽曲制作するとき、リリック以外は、人に依頼をすることが多いんです。そのやりとりは、直接会うこともありますが、メッセージだけのことも多くて。距離感がつかめなかったり、自分がイメージしている音の雰囲気を伝えることができなかったり。苦戦することもあります。
わたしはこだわりも強いほうなので、頭の中にちゃんとイメージはあるのに正確に伝えられなかったときは、もどかしさを感じてしまいます。でも、人と音楽をつくるのは好きだから諦めたくないし。もっと知識や経験を蓄えることで、解決していくのかなと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「わたしと同じようにモヤモヤしてたり、その根本に気づけないような子たちの背中を押せるような曲をつくりたいです。わたしの曲で、人生や考え方がちょっと変わったりしてくれたらいいなって。
他にも、大きなフェスに出演したり、尊敬するアーティストと創作したり……目標はたくさんありますが、それを全部叶えることで、自分の理想に近づけると思っているんです。
将来は、音楽以外の何か別のものにハマってるかもしれないですね。自分の心の変化を大切にして、素直に生きている状態であり続けたい。人生を笑って、楽しんで過ごせたらいいなと思っています」
いのあⒸのプロフィール
年齢:19歳
出身地:福岡市南区
趣味:踊ること
特技:笑顔(*´﹀`*)
大切にしている言葉:選ばれるより選ぶ人生
いのあⒸのSNS
魅せればいってもんじゃない。
魅せられないのなら磨くしかない。
今はそこまでってこと」」
こうすりゃこれはできる、こうするからこうなってる、全部妄想の話。
現実はもっと現実。
体感してる世界はもっとリアル。— いのあ© (@inoa_fuk04) March 14, 2024
この投稿をInstagramで見る
Photo:Eri Miura
Text:Chikiri Kudo