「気になる10代名鑑」の641人目は、三崎百音さん(19)。演奏家だった祖父の影響でクラシックギターに触れてから15年間ギターを弾き続け、大会やコンサートに出場してテクニックを磨く一方で、大学で学んでいる音響心理学の勉強にも力を入れています。「クラシックギターの魅力をもっと知ってほしい」と話す三崎さんに、印象的だった出来事や今後の展望を聞きました。
三崎百音の活動を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れている活動は何ですか?
「4歳のときにクラシックギターに初めて触れて、それ以来ずっと弾き続けています。
簡単な童謡から弾き語りを始めて、小学校1年生からギター教室に通いました。自分の技術を磨いていくために、クラシックギターの大会に出場して、日々、練習に励んでいます。去年は『GLC学生ギターコンクール』に出場して、大学生の部で第1位を受賞しました。
大学に入ってからは、定期演奏会やコンサートで演奏の機会をいただくことも増えてきて、最近はお客さんを楽しませる演奏にも挑戦しています。いまは京都の音楽大学で、音響心理学について勉強中です」
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Q2. 活動の中で意識していることは?
「クラシックギターの素晴らしさが、もっとみんなに広がってほしいという思いを込めて演奏しています。クラシックギターは音がそんなに大きくないからこそ、聴いてくれる人の距離感も近くて、アットホームなんです。温かみのあるギター特有な音が『伝わっている!』と感じる瞬間と、演奏後に『良かったよ』と声をかけていただくことが、とっても嬉しいですね。
あと、コミュニケーションも含めた『掛け合い』も意識しています。中学や高校のころは、ひとりで完結するギター以外の演奏も経験したくて、吹奏楽部や軽音部でも活動していました。そこで身につけた、他の人の音を聞いて歩み寄るアンサンブル力や、反応を見て柔軟に演奏するアレンジ力は、今後も伸ばしていきたいです」
Q3. 活動を始めたきっかけはなんですか?
「音楽がとても身近な家庭だったので、クラシックギターを演奏するようになったのも、自然なことだったなと思います。父方の祖父が、アマチュアのアコースティックギターの演奏家で、家にも祖父のCD やDVDがたくさんあって。
わたしが3歳のときに亡くなってしまったので、祖父との記憶はおぼろげですが、祖父が残してくれた音楽を聴いたり、家族からの話を聞いて、音楽への熱意や好きという気持ちが、世代を超えて受け継がれているなと感じます。
祖父の影響で、父もギターを弾いていて。小さいころから父の演奏に合わせて歌ったり、小さなギターを買ってもらってからは、自分で弾き語りをしてみたりするようになっていったんです」
Q4. これまでの活動の中で印象的だった出来事は?
「クラシックギター教室に入ってギターを弾くことは楽しかったけど、課題曲が自分の好みじゃなかったり、上達が実感できなかったりして、モチベーションが保てなくて……。難しくてなかなか上達もせず、このあたりでもうやめようかなと思ってしまったときがあったんです。
『やめます』と言おうと決めていた日に、たまたま乗り換えの渋谷駅で、尊敬するギタリストの松田弦さんと偶然お会いできて。勇気を出して声をかけて、『先生のレッスンを受けたいです』と打診したところ、快諾していただいて。いまでもレッスンしていただくご縁が続いています」
Q5. 今後の展望は?
「今年の3月に、お寺で開くコンサートに誘っていただいているので、しっかり楽しみながら、いい演奏をお届けしたいです。
それから、これまでどおりクラシックギターの演奏を続けつつ、大学で学んでいる『音響心理学 』という勉強を究めていきたくて。人がどんなふうに音を認識しているか、どのような音を心地よく感じるのかということに、いますごく興味があるんです。楽器を演奏しているときの、いわゆる『良い音』が科学的にわかれば、作曲や指導にも活かせるんじゃないかと思っていて。
クラシックギターを活用して、自分だけのアプローチで本質的な『音』の世界に迫り、プレイヤーとしてでなくても、一生音楽に携わって生きていきたいです」
三崎百音のプロフィール
年齢:19歳
出身:神奈川県川崎市
所属:京都市立芸術大学
趣味:さんぽ、映画を観ること
特技:クラシックギター、料理
大切にしている言葉:Laughter is the best medicine
三崎百音のSNS
📢コンサートのお知らせ📢
3/24(日)に亀岡市の真福寺にて椿コンサートに出演させていただきます!真福寺椿コンサート2024
14時開演(13:30開場)
【曲目】
椿姫の主題による幻想曲/F.タレガ
さくらの主題による変奏曲/横尾幸弘
アルハンブラの想い出/F.タレガ
セヴィリアーナ/J.トゥリーナ ほか pic.twitter.com/9GpQAIGaDO— Mone Misaki (@M0NEkichi) February 9, 2024
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Photo:Eri Miura
Text:Chihiro Bandome