Steenz Breaking News

誰もが快適に旅行を楽しめる時代に!日本でも広がるユニバーサルツーリズムに関する取り組み【Steenz Breaking News】

誰もが快適に旅行を楽しめる時代に!日本でも広がるユニバーサルツーリズムに関する取り組み【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ユニバーサルツーリズムと、それに関する取り組みについてご紹介します。

HISが車椅子を利用者向けの現地発着ツアーを開始

コロナ禍による規制緩和も解除され、国内外問わず、旅行を楽しめる日常が戻ってきた昨今。それに加えて近年は、すべての人が自由に、気軽に旅を楽しめるようにするをことをめざす「ユニバーサルツーリズム」が重要視されており、企業も対策を始めています。

旅行やホテル事業などを展開する、株式会社エイチ・アイ・エスも、そんな企業のひとつ。2024年の1月には、車椅子を利用している人を対象とした「現地発着ツアー」の提供を開始しました。このツアーでは、ガイドが現地の空港から帰国まで同行し、観光スポットも車椅子で回れる場所を選びます。

予約は、車椅子を利用する人と同行者の2名から受け付け。現時点で渡航先は、トルコのイスタンブールとエジプトのカイロの2か所となっていますが、今後増やしていくそうです。

ユニバーサルツーリズムに対する日本の取り組み

誰もが自由に旅行を楽しめる「ユニバーサルツーリズム」。高齢者や障がい者のことを考えて計画された「バリアフリーツーリズム」を進化させたものであり、年齢やハンディキャップの有無に関係なく、すべての人が気軽に参加できるように配慮されています。

旅行会社大手の株式会社JTBは、手話通訳に対応したリモート旅行相談と予約が無料で行える「JTBリモートコンシェルジュ 手話通訳付専門デスク」を開設しています。

旅行中、快適に過ごせるようにサポートすることも大事ですが、ハンディキャップがあることで、旅行についての検討や予約のハードルが高く、旅行するのを躊躇ってしまう人もいるでしょう。

手話を通してやりとりできれば、スムーズに相談できる人が増えますし、旅先での負担を軽減したり、不安を和らげたりすることにもつながります。加えて、リモートでの相談なので、近くに店舗がない場合も便利ですよね。

世界でも広がるユニバーサルツーリズム

ユニバーサルツーリズムに向けた取り組みは、世界各地で行われています。たとえば、観光大国であるスペイン。バルセロナやマドリードなどの大都市では、あらゆる観光情報を集めたオーディオガイドが用意され、宮殿や美術館などといった、有名観光スポットをめぐるバリアフリールートも確保されています。さらに劇場では、聴覚や視覚などに不安を抱える人を対象とした、専用のプログラムもあるそう。

また南米に位置するウルグアイは、2015年から障がい者向けのモデルツアーを行うなど、ユニバーサルツーリズムの強化に力を入れている国のひとつ。とはいえ、取り組み始めたばかりのため、観光施設や宿泊施設のバリアフリー化が不十分な面もありますが、手話によるガイドや視覚障がい者向けのコンテンツの充実、食事制限をふまえた特別食の提供など、人の手によるサポートも積極的に進められています。

最初から完璧をめざすのではなく、まずはビジョンを掲げ、できることから始めてみる姿勢は、日本でも見習いたいですね。

より多くの人に旅の楽しさを

このように、世界でもますます推進されるようになってきたユニバーサルツーリズム。日本でも注目されていますが、経済効率の観点から、まだまだ対応する企業は多いとは言えず、社会的に認知度が低いことも事実です。すでに先行している取り組みを参考に、これから広まっていくことに期待したいですね。

また、もし海外に行く機会があれば、ユニバーサルツーリズムのための取り組みがされているか、注目してみるのも面白いかもしれません。

Reference:
ユニバーサルツーリズムについて|観光庁
ユニバーサルツーリズム|JTB総合研究所
ユニバーサルツーリズムの普及・定着に向けて|日本総研

Text:Yuki Tsuruda

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Yuki Tsuruda

ライター

鹿児島県在住のフリーライター。販売職や事務職を経験後、2020年5月からフリーランスのライターへ。執筆ジャンルは、ものづくりやSDGsなど。

View More