「気になる10代名鑑」の616人目は、中山智寛さん(15)。中学生のときから現在まで生徒会での活動を続け、身近な課題解決に取り組んでいます。令和6年1月1日に発生した能登半島地震の支援を中高生が行う『学生支援募金プロジェクト』を立ち上げた中山さんに、活動を始めたきっかけや今後の社会への展望などについて詳しく聞いてみました。
中山智寛を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れて取り組んでいることを教えてください。
「『学生支援募金プロジェクト』という団体の代表をしています。この団体は、今年の1月1日に発生した能登半島地震を受けて、被災地のために何かできることがないかなと思って、友人たちと立ち上げましたものです。
まだ動き始めたばかりですが、具体的には募金活動を通して、被災地への支援をしていきます。学生から被災地へ思いを届けるのはもちろんのこと、僕ら中高生が募金活動に関わることで防災意識を高めたり、将来の防災教育につなげたりすることも目的として活動しています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「もともと高校では、生徒会副会長として生徒会活動をしていて、誰かの役に立ちたいという気持ちはずっとありました。今回のプロジェクトを立ち上げた背景も、いちばんにはその思いがあります。
正直、東日本大震災のときのことは記憶にあまりないのですが、今回の地震の報道を見ていて、自分にも何かできることはないのかと、いても立ってもいられなくなって……。そんなことを友人たちと話していて、1月1日の夜、このプロジェクトを立ち上げることになりました」
Q3. 活動を始めるときのファーストアクションは?
「仲間集めです。地震が発生したその日の夜にプロジェクトを立ち上げ、まずは身近な友だちに『協力してくれないか』と声をかけていきました。Instagramのストーリーで拡散してもらったのもあって、現在は本部として、この活動にコミットしてくれているメンバーが50人ほどいますし、また支部として、東北から九州まで、今後の活動に協力してくれるメンバーがおよそ200人ほど集まっています。
全員が中高生で、僕がこれまでやってきた生徒会活動や課外活動でつながってきた縁が広がって、結果的に短期間でたくさんのメンバーを集めることができました」
Q4. 活動を続けている中で、印象的だった体験を教えてください。
「生徒会活動に『外務』という役割を知ったのは、僕にとって大きな気づきでした。生徒会の活動が、それぞれの学校の中だけで完結してしまっていることに、なんか違和感や物足りなさを感じていたんです。同じような課題は、きっと他の学校も抱えているだろうし、解決のための努力もそれぞれしていて。もっとそういうのがシェアされたらいいのになって。
そんなとき、インターネットやInstagramで調べていたら、『外務』と呼ばれる、他校の生徒会役員との交流会や生徒会活動を全国的に活発的にしていくための団体があることを知りました。いままで自分に見えていなかった新しい世界に気づかされて、とても胸がワクワクしたし、そこからさらに生徒会活動に前のめりになって取り組むようになりました」
Q5. これから実現させたいビジョンがあれば、教えてください。
「すでに生徒会活動や課外活動をしている人のように、自分が置かれた環境をより良くしようとしアクションを起こしている人や目標に向かって全力で取り組んでいる人に対して、『かっこいい』と思い合える社会にしていきたいです。
僕が生徒会活動や課外活動を始めたとき、自分の好きなことに全力で取り組んでいる同年代がこんなにいたんだ!とびっくりしたし、かっこいいなと思いました。でも、僕が通っている学校では、あまりそうした活動に積極的な人は見かけないし、中には活動する人を否定する人もいて……。
みんなが前向きな気持ちでアクションを起こせるムードを世界中に広めていくためにも、まずは僕ができることから始めていきたいと思っています。全国に仲間がいる『学生支援募金プロジェクト』が、そのきっかけになったらいいなと思っています」
中山智寛のプロフィール
年齢:15歳
所属:埼玉県立浦和西高校、学生支援募金プロジェクト、生徒会活動振興会、埼玉県生徒会連盟、全国生徒会連合、TRANs-生徒会情報機構
出身地:埼玉県さいたま市
趣味:作曲、読書、調べること
大切にしている言葉:目をそらしてはいけない、足りないのはいつも勇気である(アルフレッド・アドラーの言葉)
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya