「気になる10代名鑑」の606人目は、西脇駆さん(19)。ミュージックビデオなどの映像制作に力を入れつつ、文化服装学院でファッションについても学んでいます。10代のうちに有名アーティストのMV制作に関わることを目標に掲げる西脇さんに、活動のきっかけや社会に対してのビジョンについてお聞きしました。
西脇駆を知る5つの質問
Q1. いまいちばん力を入れていることについて教えてください。
「MVを中心とした映像制作です。思っていることをストレートに表現しているアーティストに惹かれるので、そういう人たちにアプローチをして、MVの作成を担当させてもらったりしています。
MVをつくるときは、自分の世界観にアーティストを巻き込む感覚で取り組んでいます。“ミスマッチ”というニュアンスも大事にしていて。ロックバンドのMVをヒップホップっぽい演出でつくったり、ヒップホップのMVにホラー要素を取り入れてみたりと、ひとクセ加えた表現が得意で、褒めていただくことが多いです。
映像制作以外にも、文化服装学院でファッションの勉強をしています。韓国のBAJOWOOというデザイナーが手がけている『99%is』というブランドの服を目にしたときに、あまりのかっこよさに衝撃を受けて。パンクやヒップホップなど、いろいろなカルチャーをミックスしたり、友だちの顔をプリントした内輪ノリをアートに昇華しているデザインがすごく魅力的で、憧れています」
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Q2. 活動をはじめたきっかけは?
「高校3年生の夏に、音楽を作っている友だちから、MVをつくってほしいと依頼を受けたのがきっかけです。まったくの未経験だったので、半分ノリでやり始めたのですが、やってみると映像制作は技術がそれほどなくても、自分が考えていることを反映しやすくて、自分に向いているような気がしたんです。
いまは、自分だけの個性を見つけたくて、いろいろな表現方法を試しています。特に、インナージャーニーという4人組バンドの『PIP』という曲で使った、ドラマシーンの画面にメンバーを登場させる技法は、僕以外に使っている人はいないんじゃないかと思っています」
Q3. 創作をするなかで、つらいことがあればおしえてください
「本気でやっているからこそ、ミスをしたらどうしようとか、アーティストさんが満足する作品になっているのかなとか、不安になって一日中悩んでしまうときがあります。そういうふうに自分の気持ちが落ちてしまったときは、『好きなことについて真剣に悩んでるんだから、いいことだ』とか、『この悩みは、上に行くまでの過程なんだ』と考え方を変えることで、気持ちを切り替えています。
僕は映像制作に本気で取り組んで、結果を残したいと強く思っているけど、好きなことに真剣に打ち込んでいる人って、それほど多くはいないのかなと思っていて。そんなふうに自分のすべてを賭けて、やりたいことにチャレンジする人が増えたらいいなと思っているし、そんな人たちと一緒に作品をつくる機会を、どんどん増やしたいです」
Q4. 活動以外で、興味のあるものはありますか?
「アニメ鑑賞です。特に『ココロコネクト』というアニメは、週2回は知り合いにおすすめしているくらい好きですね。
この作品のすごいところは、建物の内側で営まれている登場人物ではない人たちの生活や、画面上では見切れている道路が続いている様子など、描かれていない部分を鑑賞する人に想像させる奥行きを持っていること。またどの回も、エンディングテーマに入るタイミングが完璧で、最後まで見入ってしまいます。自分の作品にも活かしたい部分がたくさんあるんです」
Q5. 将来の展望について教えてください
「自分にしかつくれない作品を生み出し続けて、いろいろな人に、いつも衝撃を与えられるような人になりたいです。10代のうちに、大きな作品を手掛けることも目標のひとつで、老若男女みんなが知っているバンドや歌手の映像づくりに取り組みたいと思っています。
また、いま学んでいる服飾の勉強を活かして、MVに出演する人たちの衣装までこだわるような、トータルプロデュースができるようになれたら最高ですね」
西脇駆のプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県横浜市
所属:Gui:Des(高校の友人たちと立ち上げたアートグループ)、文化服装学院 工科基礎科
趣味:アニメ鑑賞
特技:絵、映像制作、デザイン
大切にしている言葉:人間万事塞翁が馬
西脇駆のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Kanon Yoshizumi