タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ「10代リアルVOICE」。
今回のテーマは「2023年いちばん高かった買い物」。物価高騰の影響などで、節約志向が高まっているといわれていますが、10代のお買い物事情はぶっちゃけどうなのでしょうか。去年1年間を振り返って、いちばん高かった買い物について、5人のティーンに教えてもらいました。
1. わかやまちはなさん「高校1年生からずっと憧れていたブランドのワンピースを貯金して買いました」
「2023年買ったものでいちばん高かったのは、洋服です。11月ごろ、”心が壊れてしまいそうな時、強く可愛く、生き抜く魔法をかける服”をコンセプトにしたブランド『shabondama』の2024年春夏コレクションのワンピースを買いました。『グレーテルのワンピース』というもので、金額は49,500円でした。最初のコレクションが発表されたときから、いつかshabondamaのお洋服を買いたい!と思っていたので、やっと買えて本当に嬉しかったです。
shabondamaの最初のコレクションが発表されたとき、わたしは高校1年生で、当時はとても手が届かなくて。そこからコツコツ貯金をして、さらに昨年の11月、多摩美術大学芸術祭で販売したクロッシェハットの売上も合わせて、買うことができました」
2. 太田雅啓さん「普段から愛用しているブランドの万年筆。特別感が出て気に入っています」
「2023年で買ったものでいちばん高かったのは、イギリスの筆記具ブランド・Parker の『Sonnet』という万年筆です。価格は4万円でした。以前からParkerブランドは気に入っていて、ボールペンやシャープペンシルなどを愛用していたのですが、ついに万年筆に手を出そうと決心して買いました。矢羽を模したクリップ、書き心地、全体のオシャレさがとても好きです。普段から気軽に使えるタイプの万年筆ではないですが、使っているときは特別感が出て、とても気に入っています」
3. 鶴田一朗さん「友達の誕生日にノリでSwitchを購入!さっそく一緒にプレイしました」
「友達の誕生日に『Nintendo Switch』と『桃太郎電鉄 〜昭和 平成 令和も定番!〜』と『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』を合わせて、3〜4万円ぐらいで買いました。
その友達の家に僕がよく行くので、Switchがあれば一緒に遊べるかなと思ったから。あとはほぼノリみたいな感じで、なんとなく話している流れで『Switch買うの、アリじゃね?』となって、そのまま買いに行きました。徹夜で桃鉄をやったのは、良い思い出です。やっぱり友達とゲームをするのは楽しいなぁ……と、改めて思いました。けっこうダメージあったので、もう徹夜で桃鉄はしたくはありませんが……(笑)」
4. ゆう猫さん「コンピューターサイエンス専門なので、性能の高いラップトップを買いました」
「高かった買い物は、いま使っているラップトップパソコンです。大学に入学するタイミングで、持ち歩きに便利かつ優秀なラップトップが欲しい!と思って、購入しました。15万円ぐらいだったと思います。大学での専門がコンピュータサイエンスなので、きっとガシガシ使っていくことになるので、安い買い物だと思っています。
物理的な重さも動作の重さも、まったく気にならないくらい便利で、とても助かっています。これを持って大学に通っていますし、イギリスも行きました。今後もいろんなところに連れて行って、思い出をつくりたいと思います」
5. 山下彩夏さん「夏休みに行ったケニアへの航空券。貴重な時間を過ごせました」
「物理的なモノではないですが、高かった買い物は、ケニアへの航空券です。20万円ぐらいしました。ケニアに行ったのは、アフリカ系のサークルに所属している知り合いがいたのがきっかけ。その子がケニアで日本人向けのスタディツアーを企画することになって、友人と夏休みに参加することを決めました。
現地では、アンボセリ国立公園のサファリツアーやヴィクトリア湖のボート体験を堪能したり、現地のNPOのメンバーや小学校の生徒・教職員と交流できたり、とても学びが深まり、良い時間を過ごすことができました」
物価高の影響は受けつつも、やっぱり欲しいものは、ある程度お金をかけても手に入れたいと思っている姿勢が多くみられました。モノ消費、コト消費、トキ消費など、消費行動を表す言葉はさまざまありますが、ただ所有欲を満たすだけだったり、自分ひとりで楽しんだりするだけでなく、値段以上に実感できる価値を10代は求めているといえるのかもしれません。
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya