世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日はフランス政府が考案した、サステナブルな宝くじについてご紹介します。
宝くじって買ったことある?
「7億円の宝くじが当たったらどうする?」なんて、多くの人が一度は考えたことがあるのではないでしょうか。「年末ジャンボ宝くじ」を毎年購入しているという人もいるかもしれません。
そんな宝くじは、日本だけのカルチャーでなく、海外でも人気です。アメリカの宝くじ「パワーボール」は2022年、世界最高額の20億4千万ドル(約2904億5000万円)の、驚異的な大当たりが出たというニュースもありました。当たった人は「人生変わる」くらいじゃ済まなさそう……すごいですよね。
そんなふうに、ついつい高額当選にばかり目を奪われがちな宝くじですが、2023年10月にフランスで発売された宝くじは、その目的がサステナブルだということで、話題になっています。
フランス発!生物多様性が保護できる宝くじ「ミッション・ネイチャー」
フランスで発売された「Mission nature(ミッション・ネイチャー)」は、生物多様性の保護を目的としたサステナブルな宝くじです。
1枚3ユーロ(約465円)から購入でき、くじ1枚につき0.43ユーロ(約67円)が、フランス政府生物多様性事務局(OFB)によって選ばれた20個の生物多様性保護プロジェクトに寄付されます。寄付先のプロジェクトには、モンサンミッシェルの湿地帯の保護や、ヴェルダンの森の芝生の復元、ウミガメの保護などがあります。宝くじに印刷されているQRコードから、場所や目的、現状の問題点などプロジェクトの詳細を知ることができるのだそう。
宝くじなので、もちろん当選金もあります。ミッション・ネイチャーの当選金は、最高3万ユーロ(約465万円)です。生物多様性の保護に貢献できるということで、宝くじを普段買わない人でも楽しめそう。また、宝くじを購入したのをきっかけに、環境や生物多様性に興味を持つ人が増えるかもしれません。
日本の宝くじもサステナブル?
日本の宝くじも、その収益の約40%が、社会貢献に使われています。公共施設などで「この施設は宝くじの収益金で運営されています」という表示を見たことがある人も多いのではないでしょうか。2022年度の販売実績額は8,324億円でしたが、そのうち36.7%(3,052億円)は、全国の都道府県や20指定都市に納められ、防災対策や公園整備などの公共事業に使用されています。
また、東日本大震災の発生時には「東日本大震災復興くじ」や「東日本大震災復興支援グリーンジャンボ宝くじ」などが発売されました。これらの収益金は被災団体に送られ、学校の再建や被災者の住宅再建などに使用されています。
社会貢献にもつながっている日本の宝くじ
フランスの「ミッション・ネイチャー」のように、目的自体が生物多様性保護にあるわけではありませんが、使い道を見てみると、日本の宝くじもサステナブルといえるのではないでしょうか。宝くじを買うときに、その収益がどんな社会貢献活動に使われているかに目を向けてみるのもいいかもしれませんね。
Reference:
GOUVERNEMENT「Mission nature : un jeu de grattage consacré à la biodiversité」
Text:Tommy