世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、無印良品がおこなっている空き家を活用した取り組み「MUJI BASE」についてご紹介します。
深刻化する空き家問題
空き家は少子高齢化や人口減少によって増加傾向にあり、社会問題として、たびたびニュースなどでも聞くようになりました。野村総合研究所の調査によれば、2018年時点では約1080万戸の空き家があり、2033年には2倍以上の約2170万戸まで増えると予測されています。これは、日本全国の住宅の約30%にあたる数。賃貸や中古物件として利活用される場合もありますが、そのまま放置されるケースも多いのが現状なのです。
放置された空き家は、老朽化による外壁や屋根材の落下、家屋の倒壊につながる恐れがあります。また、害獣が住み着くことによる繁殖やゴミの不法投棄、放火の原因となる場合も……。年々、深刻化している空き家問題ですが、この解決策のひとつになるかもしれないサービスが、無印良品で始まりました。
「MUJI BASE KAMOGAWA」が2023年8月1日にオープン
そのサービスとは、空き家等の遊休資産の活用や地域に根ざした暮らしができる「MUJI BASE」。その第一弾として、千葉県鴨川市にある「MUJI BASE KAMOGAWA」がオープンしました。築100年の古民家を、無印良品がリノベーションした、中長期の滞在型施設です。
鴨川市は、東京から最も近い棚田があり、植物や生物たちと共存する里山の暮らしが残っている場所。自然に囲まれて、暮らすように滞在期間を過ごすだけでなく、千葉の魅力がわかる体験プランに参加することも可能です。
鴨川の暮らしを感じる仕組みがたくさん
「MUJI BASE KAMOGAWA」は、鴨川での生活を体験してもらうことを目的とした施設ということで、2泊以上で宿泊が可能。定員は最大5名で、2泊3日で55,000円〜/棟です。近くには「里のMUJI みんなみの里」という施設があり、ウェルカムドリンクの提供や、コーヒー・黒豆茶がおかわり自由になるサービスもあります。また、お部屋には無印良品のカレーや季節商品が置かれており、自由に試すこともできるのだそう。
またオプションにはなりますが、地域の旬の食材セットを用意してもらえるプランもあります。その地域で採れた旬の食材を堪能することで、さらに鴨川の生活文化に溶け込めそうですよね。これらのプランには、「いつも過ごす家とは異なる、もうひとつの暮らしの拠点をつくりたい」という「MUJI BASE」のこだわりが込められています。
お試し移住や田舎暮らし体験にぴったり
増加する空き家も問題になっていますが、一方で、地方移住に興味を持つ人が増えているのも事実です。コロナの影響で、リモートワークの範囲が広がり、自分らしい生き方をしたいと考える人が増えているのも、その背景にあるそう。
この「MUJI BASE」、現在は鴨川のみですが、今後全国へと拡大される予定とのこと。お試し移住や田舎暮らし体験をしてみたい人にぴったりのサービスといえます。将来的に地方移住を検討している方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
Reference:野村総合研究所「総務省「平成25年住宅・土地統計調査」」
Text:Tommy