Teen's Snapshots

すべての子どもの権利が守られる参加型社会を。福祉施設の運営に挑戦する活動家【藤田星流・19歳】

すべての子どもの権利が守られる参加型社会を。福祉施設の運営に挑戦する活動家【藤田星流・19歳】

「気になる10代名鑑」の494人目は、藤田星流さん(19)。中学生の校則を変えることができたという経験から、子どもの権利を守るために活動を始めました。いまは障がい者支援施設の運営にもチャレンジし、社会にインクルーシブな変革を起こし続ける藤田さんに、活動におけるモットーや新たなチャレンジについて聞いてみました。

藤田星流の活動を知る5つの質問

Q1. いま、取り組んでいる活動について教えてください。

さまざまな子どもが、自身の権利を守りながら、社会に参加できるようにする活動を行っています。

具体的には、家庭環境や学校内での問題によって、学校に通えない子どもたちの勉強する権利を守るためのフリースクールを運営しています。高校を卒業してからは、障がい者支援の福祉施設を運営したり、障がいを持っている子どもたちに勉強を教えたりしています。中高は管弦楽部に入っていたのですが、その経験をもとに、音楽を通じた福祉にも取り組んでいて、障害児や未就学児向けの本格的なオーケストラコンサートの企画も構想しているんです」

 

Q2. 活動を始めたきっかけは?

大きなきっかけとなったのは、中高での保護者、生徒、教員が集まっておこなわれた、三者協議会です。

中3の公民の授業で、表現の自由について勉強しているときに、クラスメイトが言った『決められた制服を着なくちゃいけないのは、表現の自由の侵害なんじゃないか』という何気ない発言が引っかかって。そのとき、僕は三者協議会運営に関わっていて、制服の快適さや性的マイノリティへの配慮などのさまざまな観点から、「制服のあり方について」を議題として議論したところ、対話の末に服装の自由化につながったんです。

この経験から『子どもの権利を保障し、子どもの意見を聞き実現することは、難しいことじゃない』という気づきを得ることができ、校外にも活動の場を広げて活動するようになりました

Q3. これまでの活動の中で、印象的な出会いはありますか?

「高校卒業したばかりの18歳で事業を起こすというチャレンジをしたのですが、なかなか協力を得られず、大変で……。

そんな中、高校生の時に知り合った愛知選出の国会議員の方が、僕の話に真剣に耳を傾けてくださったんです。他にも、政治の勉強をさせてもらったり、自分の事業が安定するまでは事務所でアルバイトさせてもらったりしていました。

はじめからまわりが敵だらけだと思いこまず、自分をさらけ出して対話を重ねることが、困難を一緒に突破してくれる協力者を集めることにつながるんだと実感しました

Q4. 活動の中で、常に意識していることはありますか?

想像力です。それぞれが立たされている立場や過ごしてきたバックボーンは異なるものだということを忘れないようにしています。

僕自身、家庭の都合で、高校生の頃に一時保護施設に入っていた時期があります。この経験があったことによって、今までにはなかった問題意識も芽生えました。また、私が経営している施設でボランティアとして活動している福祉を学ぶ地元の学生からも、今までにはなかった価値観を共有してもらうことがよくあります。

子どものステークホルダーがそれぞれの経験を持ち寄って活動していくことを通じて、共感力を超えた想像力を養っていきたいです

 

Q5. 今後、挑戦したいことを教えてください。

いま取り組んでいる自分の事業もがんばりつつ、法律についてしっかり勉強して、法律の専門家の立場から子どもの権利の保障に携わっていきたいと考えています。法の視点を子どもの生きる現場に届け、子どもの可能性を広げるとともに、行政などの制度設計にも現場の視点から積極的に関わっていきたいと考えています」

 

藤田星流のプロフィール

年齢:19歳
出身地:東京都港区
所属:中央大学法学部1年、合同会社ばとん代表、株式会社ウェルネストコミュニケーションズ契約社員、一般社団法人日本若者協議会事務局員、文京区男女平等参画推進会議委員、文京区BBS会役員、北海道立高校ルールメイキングサポーター(試験導入)、NPO法人全国子どもアドボカシー協議会会員、子どもアドボカシー学会会員、日本シティズンシップ教育学会会員・設立賛同人、日本部活動学会会員、市民アドボカシー連盟賛助会員、日本シティズンシップ教育フォーラム会員、株式会社POTETO media政治部ZEXTメンバー、Vote at Chuo!!メンバー、学校内民主主義を考える検討会議座長、学校内民主主義の制度化を考える検討会議委員
趣味:旅行、音楽鑑賞、ドラマを見ること、映画鑑賞
大切にしている言葉:犀の角のようにただ独り歩め

藤田星流のSNS

★Twitter

Photo:Eri Miura
Text:Chihiro Bandome

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Chihiro Bandome

ライター

2003年生まれ、埼玉県出身。上智大学文学部新聞学科在学。自分の目で現場を見て、自分の言葉で人と話して、世界を知っていきたい。大学では、主にニュース記事の執筆を学んでいる。2023年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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