「気になる10代名鑑」の485人目は、宮野なつさん(19)。ワクワクする場をつくるために起業をして、現在は地方創生に取り組んでいます。地元を離れて、岩手県で送った高校生活がきっかけになって選択肢が増えたと話す宮野さんに、活動の原動力や今後のビジョンについて語ってもらいました。
宮野なつの活動を知る5つの質問
Q1. いま力を入れている活動について教えてください。
「とにかく自分がワクワクするものに突き進んで、いろいろな活動に取り組んでいます。いまは主に地方創生をテーマに動いていて、より自由に活動できるように、今年の7月に、『memento205』という会社を立ち上げたところです。
過疎化などでいろいろな地域が元気がなくなってしまっているいま、その土地に住む人々が、誇りを持って住み続けるためには、どうすればよいかということを考えていて。その地域ならではの6次産業の提案や、子どもが視野を広げるための、海外や学校外でのつながりを生むコミュニティづくりに取り組みたいと考えています」
Q2. 活動を始めるきっかけは?
「『地域みらい留学』の制度を使って、高校3年間を岩手県で過ごしました。そのときに参加した『iib lab』という学生起業コミュニティでの出会いが、起業へ関心を持つ大きなきっかけになったんです。
実は、中学のときから、勉強が嫌で嫌でしょうがなくて……(笑)。親から『このレベル以上の高校に入れないなら岩手に行きなさい』って言われて、留学することになったんです。だから最初は、岩手に行くのが本当につらくて、入学当初はどうやって転校するかばかり考えていました。
でも高校1年生の終わりに、担任の先生に勧められた盛岡の演劇を観に行って、価値観が変わりました。舞台を見終えて、すぐに主催の方に声を掛けたところ、舞台に立つ機会をいただいたんです。それがきっかけで、地方でもやりたいことができるんだと気付いて、岩手でいろいろやってみようという気持ちになって。それから、学校外での活動やコミュニティも積極的に参加するようになったんです」
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Q3. 活動を始めるときのファーストアクションは?
「高2の終わりごろ、まわりが少しずつ進路について考えるなか、舞台も終わってしまって、ぼんやりしていたんです。何か夢中になれるものはないかなと思って、岩手県の葛巻町という地域を撮った写真展を行いました。葛巻の空が好きだということ、写真展なら簡単にできるだろうという理由で、勢いで始めてしまって。いま思えば、かなり無謀だったんですけど(笑)。
そのときは、メールの書き方も展示のやり方も、本当に何もわからなくて……。だけど、自分主体で動くことの楽しさを知ることができました。
写真展のあと、ビジコンにもチャレンジして、そこで優勝することができたんです。自分自身が『地域みらい留学』で感じた課題を解決するような内容で。それがきっかけになって、大学進学はせずに、自分のワクワクをとりあえず追いかけてみるという道を選びました、ワクワクするものはたくさんあって、なんとなく大学に行くよりも、自分らしく生きられると感じたんです」
Q4. 悩みはありますか?
「19歳という歳に、自分自身が甘えてしまっているなと感じることです。起業してみて、いままで19歳という年齢にいかに甘えていたのか実感しています。
これまでは、起業家として立ち続けるために何かスキルを得なきゃと思いつつ、年齢的にみて、まだスキルがなくても仕方ないと思う自分もいて。正直、本気でスキルを得ようとしていなくて……。でも、起業をしたことで、スキルを得なければいけない状況に自分を置くことができたので、これからたくさんインプットしようと計画しています。インプットをたくさんできる環境に本当に感謝です」
Q5. 活動を通して実現したいビジョンはありますか?
「やってみたいことにチャレンジして『こういう生き方もある』ということを、わたし自身で体現したいです。『iib lab』のコミュニティに参加するまでは、大学に進学して、できるだけいい企業に就職して……という進路しか知りませんでした。たまたまいろんな出会いがあって、高卒で起業してもいいじゃん、と胸を張れるいまのわたしがいます。
与えられた場所で咲くのではなく、自ら選択した場所で咲ける社会をめざして、若い人の選択肢を増やすための貢献をしたいです」
宮野なつのプロフィール
年齢:19歳
出身地:千葉県船橋市
所属:memento205、岩手学生コミュニティ、iib lab
趣味:散歩
特技:なんとなくで目的地にたどりつけること
大切にしている言葉:getting out of your comfort zone
宮野なつのSNS
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与えられた場所で咲くのではなく、自らで選んだ場所で咲けるような社会をつくりたい
— 宮野なつ/ Natsu Miyano (@na_tsu_myn) June 23, 2023
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