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高校生のときにフェイクニュースについての論文を執筆。ファクトチェックを推進する大学生【MIZUKI・18歳】

高校生のときにフェイクニュースについての論文を執筆。ファクトチェックを推進する大学生【MIZUKI・18歳】

「気になる10代名鑑」の451人目は、MIZUKIさん(18)。中学生のときに、誤った情報を拡散してしまった友人の存在から、フェイクニュース(偽情報、誤情報)というテーマに関心を持ち、ファクトチェックの団体の所属するなど、活動を続けてきました。あふれる情報に常に目を凝らしながら生活するMIZUKIさんの活動や、今後の展望について詳しく話を聞いてみました。

MIZUKIの活動を知る5つの質問

Q1. いま、どんな活動に力を入れていますか?

中学生のときにフェイクニュースに興味を持ったのがきっかけで、NPO法人が運営するFIJ(ファクトチェック・イニシアティブ)というファクトチェックの普及・推進活動を行っている団体に所属しながら、モデレーターとして活動を行っています。SNSやメディア世界に広がるいろいろな情報に目を向けて、それが正しいのか、適切に伝わっているのかなどを、日々監視しています!

以前から研究活動や論文を書くことが好きで、中高生時代はインタビューやアンケートといった社会調査をして、『日本のフェイクニュースの特徴』というテーマで、約6万字の論文執筆を行いました。

いまは、『ネット社会における日本人の思考と行動』という研究テーマを掲げて、大学の授業を通して人間の理性や感情、文化といった観点から、さらに理解を深めています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

中学生のときに仲の良かった友達が、フェイクニュースをネット上に拡散したことで、退学することになってしまったんです。情報ひとつで、誰かの人生がこんなにも左右されてしまう恐ろしさを、そのときに初めて体感して……。それで、自分でも何かできることはあったのではないかと思い、ファクトチェックについて調べ始めました。

始めたきっかけもポジティブな動機じゃなかったので、『こんなことして意味はあるかな』と自問自答して、落ち込むことも多かったんです。でも高校の担任の先生から、『そんなにネガティブじゃ、うまくいくものもいかなくなるよ』と言われて、ハッとさせられて……。それ以降、自分の活動に少しでも自信を持つようになって、研究活動のことも積極的に発信するようになりました」

Q3. 社会について「こうあってほしい」と思うビジョンがあれば、教えてください。

ネット上に流される情報に対して、誰か特定の個人ではなく、社会全体が情報精査能力を身につけて、拡散を防止する社会をつくりたいです。偽の情報、誤った情報を完全になくすことは不可能だけど、だからこそ、そういった情報に対して、ひとりひとりがどう向き合うかが、大切になってくるのではないかと考えています」

Q4. 最近、新しく始めた挑戦はありますか?

「最近、慶應大学主催の『塾生会議』に参加しました。そこでは、SDGsについて専門家の話を聞いて、他のメンバーとディスカッションをしながら、ひとつの問いについて解決策を考えていく、という活動をしているんです。いままでは、フェイクニュースについてしか深く考えたことがなかったので、環境のことなど、マクロな視点で考えることで、視野を広げていけたらなと思っています。

あとは、慶應のメディアコミュニケーション研究所に入りたいと思っているので、その入所試験のための勉強も始めました」

Q5. 将来の展望/夢は何ですか?

いまの活動を始めたときからの夢でもある、SNS企業やテレビなどのメディア企業などに就職して、報道のあり方を見直していきたいです。

情報発信ってとても難しくて、行き過ぎた規制は言論の自由を侵害することになるし、だからといって個人が自由になりすぎるとフェイクニュースであふれてしまう。Twitterのコミュニティノートのような、誰かひとりの判断で真偽を決めるのではなく、社会全体で真偽について議論しあえるような場所がある。そんな世の中をつくるため、これからも学びを深めていきたいです」

MIZUKIのプロフィール

年齢:18歳
出身地:千葉県
所属:慶應義塾大学文学部人文社会学科、FIJモデレーター
趣味:JPOPを聴くこと、キャンプ
大切にしている言葉:「子どもは大人になれるけど、大人は決して子どもに戻れない」「なんでも楽しんだもん勝ち」「やらずに後悔よりやって後悔」

MIZUKIのSNS

★Twitter

Photo:Eri Miura
Text:Sayuri Otobe

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Sayuri Otobe

ライター

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