「気になる10代名鑑」の457人目は、ゆきさん(19)。3歳からクラシックバレエを始めて以来、13年もの間、バレエと向き合い続け、いまは幅広いジャンルのダンスに挑戦しています。大学に入ってから自分のために踊れるようになったと話すゆきさんに、自身のダンス人生について振り返ってもらいました。
ゆきの活動を知る5つの質問
Q1. いま力を入れている活動は?
「日本女子体育大学のダンス学科に通っています。3歳からずっと続けてきたバレエをベースにしながら、さまざまなジャンルのダンスにチャレンジしています。オールジャンルのダンスが学べるダンス学科がある大学は、全国でもめずらしくて、正直、『ダンス学科』という言葉だけに惹かれて進学を決めたんです。
だから入学してからわかって驚いたんですが、教育や芸術など座学の授業もあって、人体の構造を学んだり、舞台の鑑賞をしたりしています。
最近では創作ダンスに挑戦しています。自分の得意ジャンルであるバレエを取り入れた振り付けや、個性に合わせた音楽を選べるのが面白いんです」
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Q2. 活動の経歴を教えてください。
「3歳から16歳まで、クラシックバレエを習ってきました。始めたきっかけは、新聞広告に入っていたバレエ教室のチラシを見たこと。バレリーナに憧れ、親に頼み込んで通い始めました。
14歳のとき、スタジオを変えたことが、大きな転換期でした。それまでのスタジオは習いごとという雰囲気で、その中では、いちばん上手に踊れている自信があったんです。でも、新しく通い始めたのは、世界的なダンサーも輩出している、木ノ内真百美先生のスタジオ。自分よりも何歩も前にいる、上手な女の子がたくさんいて、それまでの自信が何だったのかと思うくらい挫折して……。基礎がまったくできてなかったんです。
木ノ内先生のスタジオで2年間、週6回のレッスンを受けながら、高校の勉強をして……。そうしているうちに、だんだんバレエに慣れてしまっていることに気付いてしまって。他のジャンルのダンスに挑戦しようと思い、バレエからは離れて、進路がふわふわしている時期にいまの大学のことを知って、進学することにしました」
Q3. 大切にしていることはありますか?
「自分のために踊ること、人のために踊ることの2軸を大切にしています。これは、バレエを習っていたときではなくて、大学に入学してから思うようになったことなんです。
バレエをスタジオで習っていたときは、コンクールでいい成績をとるとか、まわりと比べることばかりを考えていて、自分がどうしたいかなんて考える余裕もなくて……。でも大学に入って、いろんなジャンルのダンスを踊る子たちと価値観を共有していくうちに、踊る理由は“好きで楽しいから”で十分なんだと思うようになって。それから自分が踊りたいように、自分のために踊ろうと思うようになりました。
それと同時に、自分の成績のために一生懸命すぎると、見ている人に感動は与えられないと気付きました。人を感動させるには、楽しく表現する余裕が必要で、技術だけで頭が一杯になっているようではダメなんだと。だから大学に入ってからは、人に感動を与えるための練習に切り替えました」
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Q4. 影響を受けた作品はありますか?
「熊川哲也さんが監督を務めるKバレエカンパニーの『くるみ割り人形』に影響を受けました。小さいころから何度か観劇しているのですが、そのたびに違った感想を抱くんです。
大学に入ったばかりのころ、違うジャンルのダンスの表現がうまくできなくて、踊ることが嫌いになりかけていたときがあって。そのタイミングで観劇したんです。そのときは、改めてバレエの素晴らしさに心打たれて、劇場で泣いてしまって……。わたしはバレエが好きなんだ、また踊りたいっていう気持ちが自然とあふれました」
Q5. 将来の目標はありますか?
「まだ具体的な方法は模索中ですが、ダンスはずっと続けていたいです。特にバレエは、どの踊りの基礎にもなっている、伝統的な踊りだと思うので、その魅力を伝え続けたいです。
最近は、学校での舞台発表のときに体験した、照明や音響、舞台美術などの裏方として、ダンスを支えるのもいいかなと思っています。大学にいる間にいろんなことにチャレンジして、自分の道を見つけていきたいです」
ゆきのプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県
所属:日本女子体育大学ダンス学科
趣味:デッサン、ドライブ、旅行、バレエ鑑賞
特技:鼻が良い、写真をきれいに撮ること
大切にしている言葉:自分の生きる人生を愛せ。自分の愛する人生を生きろ。
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