「気になる10代名鑑」の463人目は、みすずさん(19)。住み慣れた地元・神奈川県を離れて福島県南相馬市に移住し、学生と会社員の二足の草鞋で活動しています。地域に興味をもって地域に入り込んで活動する同世代が増えてほしいと話すみすずさんに、活動を始めたきっかけやファーストアクションについて、聞いてみました。
みすずを知る5つの質問
Q1. いま、どんなことに力を入れていますか?
「ひとりでも多くの同世代に、地方で暮らすことや働くことの魅力を感じてもらうために、地方での暮らしの様子をSNSで発信しています。
わたしはいま、通信制の大学に通いながら、福島県の南相馬市で暮らしていて、普段はコワーキングスペースを運営する会社のメンバーとして働いています。わたしが拠点としている南相馬市は、福島県内の中でも移住者が特に多い地域で、移住者によるイベントもたくさん開催されているんです。
そこで、SNSを通して、いち移住者として福島で生活する中で感じたことや、地域のお祭り、イベントの様子などを発信しています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「中学1年生の春に、学校の先生の紹介で、東北の復興ツアープログラムに参加したのがきっかけです。東日本大震災のときは小学1年生だったので、泣きじゃくっていた記憶しかないのですが、実際に被災地に行って、復興がまだまだ進んでいない実態に、衝撃を受けたんです。
自分にできることがあったわけじゃないけど、『なんとかできないかな』という気持ちが芽生えて、そこから福島のことがずっと心の中にあって。その後、福島に関わりたい若者が集まるコミュニティに参加していく中で、縁あって福島県内でコミュニティを運営している会社と出会いました。
神奈川と福島を行き来する時期もあったのですが、学生でいる間は、もっと福島でできることに打ち込みたいと心を決め、今年の初めに両親を説得して、福島県南相馬市に移住したんです」
Q3. 活動を始めるときに、いちばん最初におこなったファーストアクションは?
「同じ志を持って活動している同世代との人脈を増やしていくことと、いろんな人の話を聞いてみることです。わたしが福島と深く関わるきっかけになったプロジェクトでは、福島をはじめ、地方に興味を持つ同世代がたくさん集まっていて。地元の学校では出会えないような仲間は、とても貴重な存在だったので、リアルでもオンラインでも、コミュニケーションをたくさんとることを大切にしていました。
また、とあるイベントで、起業家や南相馬市内の地元の方がお話しされているイベントがあって。ちょっとでも面白そうと思ったものには、積極的に参加して、知識を広げるようにしていました」
Q4. 活動をする中で印象的だったことを教えてください。
「SNSなどで近況を発信していたら、その投稿を見た同級生や友人が、『地域で頑張っているのを見て、すごいと思っているよ』とか『みすずを見て地域に興味を持って、団体に入ったよ』というメッセージをもらうことがありました。
そのとき、こんなわたしでも、誰かに影響を与えられるようなことができているんだと感じて、胸が熱くなりました。それに、届いている人には届けられているんだなという自信もつきました」
Q5. 今後の展望や将来の夢を教えてください。
「やりたいことはたくさんありますが、まずは、福島にいる間に起業したいという大きな目標があります。もし起業まではできなかったとしても、これまでの仕事で得た学びやネットワークを糧に、何かしらのプロジェクトを起こしたいです。
わたしにとって福島はずっと大好きな場所ですが、ずっと居続けるとは考えていなくて。20代になったら、福島以外の場所に行って、もっといろんな経験を積んでみたいと思っています。でもいずれまた、福島にはなんらかの形で戻れたらとも思っていて……。
きっとそのときの福島は、どうやって街を盛り上げていくかを考えていくフェーズだと思うので、それまでにわたしができることを増やしておきたいと考えています」
みすずのプロフィール
年齢:19歳
出身地:神奈川県三浦郡葉山町
所属:慶應義塾大学法学部政治学科、株式会社小高ワーカーズベース、おだかる地元企画部、京都若者議会運営委員会、Next Action→Social Academia Project、CoIU運営本部、旅色LIKES
趣味:文房具やちいかわのものを集めること、道の駅めぐり、SAめぐり、直線道路を眺めること
大切にしている言葉:「予測不能な未来を楽しもう」
みすずのSNS
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福島の議員さんと出会い、マチとヒトが繋がる。
利用者同士が出会い、ヒトとヒト・ヒトとシゴトが繋がる。
南相馬市内、NARUで出会い、マチとシゴトが繋がる。
すべてを掛け算して、「マチ・ヒト・シゴトの”結び場”NARU」である。— ∫みすず🎐ふくしまおだか (@misuzuno_hara) July 8, 2023
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya