「気になる10代名鑑」の379人目は、北村悠吾さん(18)。4月から文化学園大学に入学し、現在はファッションデザイナーになることを目指して、勉強に励んでいます。和装に魅せられ、自らが纏うことでその魅力を国内外に発信していきたいと意気込む北村さんに、その情熱について深掘りしてみました。
北村悠吾を知る5つの質問
Q1. いま、どんなことに力を入れていますか?
「日本の装束を現代的にアレンジして広め、着物における男女の壁をなくすことをテーマに、着物の魅力をSNSで発信したり、ファッションについて学んだりしています。
具体的には、まずは自分がいろんな着方で着物を着て、街を歩くようにしています。高校生のときから、休みの日はだいたい着物で出かけていて、大学に入学してからも、できる限り着物を着て通うつもりです。
4月から文化学園大学のファッションクリエイション学科に入って、洋服のつくり方の基礎を学んだり、服飾の歴史についても学んだりしています」
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Q2. 活動を始めたきっかけは?
「ファッションに興味を持ったのは、小学生のときに観たアニメ『アイカツ!』がきっかけ。アニメの中に出ていたファッションデザイナーという職業に興味を持ち、憧れました。そこからいまでも、夢はずっとファッションデザイナーになることです。
着物のかっこよさに気づいたきっかけは、NHK紅白歌合戦に出演した椎名林檎さん。すごくかっこよく着物を着ていた姿に魅了されたんです。でも、もともと着物は、4歳から日本舞踊を習い、5歳から歌舞伎子役としてお仕事をしていた自分にとっては身近な存在で。当時から見ていた美しい和装の衣装に魅了されて、自分もこういう美しいものをつくりたい!と思っていたのも、いまの活動につながっていると思います」
Q3. 活動をするうえで、どんなことを大切にしていますか?
「和装のかっこよさを、現代的にアレンジして着ることを大切にしています。ルールに縛られたくない気持ちもあるけど、とはいえ、着物には着付けのルールがあるので、最低限それは守りつつ、令和の時代にあった着方を模索しています。
洋服はそれぞれのアイテムだけでもスタイルのテーマが成立しますが、着物は全体で一枚の絵としてスタイルが完成するようにできているんです。だから、根本的にコーディネートの仕方が違うんですよ。でも、そこで定められている着付けのルールがちゃんと決まったのは戦後数十年間のことで、歴史が長いわけではなくて。浮世絵に描かれている江戸時代の着方だと、かなり自由に着ていたりもするんです。
その時代にあった和装の着こなしがあると思うし、アップデートできる部分も多いと思う。だから、過去の着こなしを否定するのではなく、どうやったら現代で和装のかっこよさが際立つのかをいつも考えています」
Q4. 活動を続けている中で、印象的だった出会いは?
「自分が着て歩いていることで、通りすがりの人から『素敵ですね』と声をかけてもらったり、着物が好きな人とSNSを通じて知り合えりしたことは印象的ですね。やっぱり、いまの日本で着物を着ているのってマイノリティなので。だから、褒められたり仲間がいることはすごく心強いですし、嬉しいです。
また、最近は海外から日本に来る観光客も増えてきて、海外の方から話しかけられる機会も多いです。先日、着物を着て友人と皇居のあたりを歩いていたら、『一緒に写真を撮ってほしい』と声をかけてもらって。着物のかっこよさが海外の方にも伝わることを、リアルに感じました」
Q5. 今後の展望や将来の夢を教えてください。
「直近の目標は大学生活に慣れること。文化学園といえばファッションショーが注目されると思うので、そういったイベントもすごく楽しみです。大学生活に慣れてきたら、発信活動を強化していきたいと思っていて、まずはYouTubeを始めようと計画しています。着物を着ているときに気をつけている所作や帯の位置、バランスなど、細かいことだけど、着物を着るうえで大切なことを発信していく予定です。
将来的には、ファッションデザイナーとして、日本の文化を拡めていくのが目標です。憧れているのは、ココ・シャネルさんや高田賢三さん。日本の着物などを西洋の衣服にアレンジした高田賢三さんの発想力、自分のファッションの軸をしっかりと持って、まわりに流されないココ・シャネルさんの強さ。そういったものを身に付けて、自分の将来に活かしていきたいと思っています」
北村悠吾のプロフィール
年齢:18歳
出身地:東京都江東区
所属:文化学園大学
趣味:着物を着ること、音楽を聞くこと、絵を描くこと
北村悠吾のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya