「気になる10代名鑑」の370人目は、関真翔さん(18)。長野県の上田市在住で、カメラマンとして、独自の視点から風景を切り取った写真を、Instagramに投稿しています。そのときの温度感や空気感が伝わる写真を撮ることがこだわりと語る真翔さんに、転機となった作品や将来の展望をいろいろ聞いてみました。
関真翔を知る5つの質問
Q1. 活動について教えてください
「とにかくシャッターを切っています。普段は、地元である長野の風景を撮ることが多いです。僕の地元は長野の上田市というところなのですが、文化財や観光地、温泉地が多くて、四季折々のさまざまな表情があって、写真を撮るのが楽しいんです。
撮った写真はInstagramに投稿しています。最初は、自分だけの記録のためにアップしていたんですけど、写真を載せ始めてから同級生に作品を褒めてもらえたり、イベントで撮影を頼まれたりと反響があって、いまも続けることができています」
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Q2. 創作へのこだわりは?
「風景写真だからこそできる、写真を撮ったときの温度だったり、空気感だったりが伝わる撮り方にこだわっています。季節の花や雪、田んぼの水の入り具合などを入れるようにしたり、空気感が伝わるように、彩度を細かく調節しながら撮ったりしているんです。
レタッチにもこだわっていて、作業するその瞬間に、写真に感じたイメージを反映するようにしています。面白いことに、同じ写真でも、日を変えてレタッチすると色味も明るさも変わるんです。その瞬間の感覚を大切にする、柔軟な作品づくりが僕のスタイルなんです」
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Q3. 写真を始めたきっかけは?
「本格的に写真を撮り始めたのは、コロナ禍で高校が休校になって、暇な時間ができたのがきっかけ。元々、カメラは好きだったのですが、このときから一眼レフで、本格的に写真を撮りに出かけるようになりました。軽い気持で始めたのですが、いまはカメラの沼にしっかりのめり込んでいます(笑)。
写真については、完全に独学なんです。最初は手当たり次第にいろいろな撮り方を試してみて、感覚をつかんでいきました。あと、滝や花火といった長時間露光を使った撮り方などは、サイトで調べて習得しました」
Q4. ご自身のクリエイティブに影響を与えた作品を教えてください
「写真家のイナガキヤストさんが撮影された、白馬村の三段紅葉の写真です。Instagramで偶然見つけた作品なのですが、僕の中の写真への固定観念を変えた作品なんです。
紅葉の写真って、全体に占めるオレンジ色の割合が大きいのがスタンダードだと思っていたんです。でもイナガキさんの写真は、緑と紅葉と真っ白の3段階に色が別れていて、まるで3つの季節を1枚に収めたみたいなんです。この表現の仕方に、とても感動しました。
この写真と出会ってから、もっと自由な写真表現をしたいと思うようになったんです」
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Q5.今後の展望を教えてください。
「カメラマンとしては、これまで撮ってなかった分野に挑戦していきたいです。いままでやっていなかった写真の撮り方もやってみたいし、それに合わせたレタッチの仕方を見つけていきたいと思っています。
将来は、正直なところ、まだ決めてなくて。もちろん写真家になりたいという気持ちもあるのですが、写真家として食べていくのは大変なことなので……。現時点でのいちばんの夢は、カメラ製造の技術職に就き、自分が製造に携わったカメラで写真を撮ること。大学で工学を学ぶ予定なので、それを活かして、将来やりたいことができたら、嬉しいです」
関真翔のプロフィール
年齢:18歳
出身地:長野県上田市
所属:上田高校
趣味:写真、サイクリング、弓道
大切にしている言葉:「背伸びして視野をひろげているうち、背が伸びてしまうこともあり得る。それが人生の面白さである」(城山三郎の言葉)
関真翔のSNS
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Photo:Eri Miura
Text:Mai Sugawara