「気になる10代名鑑」の323人目は、ハタノマリア(19)さん。多摩美術大学でプロダクトデザインを学びながら、学友の作品撮影を中心に「写す人」として活動しています。作品と作者との関係性を写真に落とし込むのが楽しいと語るハタノさんに、作品のことや将来の展望をうかがってみました。
ハタノマリアの活動を知る5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「多摩美術大学の生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻で勉強をしながら、作品をメインに撮影するカメラマンとして活動しています。
カメラは大学に入ってから本格的に始めました。大学内に個性的な人が多くて、撮りたいなと思ったことがきっかけ。毎日着物で登校したり、週に1回毎週のように髪色を変えたりと、みんな本当に面白くて。
最初は、そんな人たちのポートレート撮影をしたり、友だちがつくった作品の撮影をしていたのですが、最近は私のSNSを見て、他の学部の方から、「作品を撮影してほしい」と依頼を受けることも増えて。テキスタイルデザイン学科の講評の手伝いとして、作品発表のランウェイの撮影をしたりもしています。
入学当初はカメラを始めるなんて思ってもいなかったので、なんだか不思議ですし、私の写真を好きと言ってくれるまわりに感謝しています」
Q2. 活動する中でこだわっていることは何ですか?
「撮影するときに大事にしていることは、『作品を美しく写す』こと。例えば、作品である『服』を着たモデル撮影のときは、あくまで服がメインになって、モデルが作品の邪魔をしないように配慮したり。あとは、まだまだ練習中なのですが、作品と作者との関係性を写真に落とし込むことも意識しています。
人物を撮影するときは、『光と影』を大切に撮影しています。誰ががつくった作品にも、そして人間にも、キレイで魅力的な場所が必ずある。それを鮮明に写すには、光と影が重要だと思うんです。私の場合、特に影の落ち方を意識しています。例えば、木漏れ日がちょうどその人の目や黒子など、ポイントになるところに落ちるようにしたり、隙間から入る影が一本になるように調整したり。どんな影が落ちるかを計算しながら撮影しています」
Q3. 活動をする中で悩みはありますか?
「自分の考えをうまく言葉に出来ないのがつらいし、悔しいです。
大学の授業で、自分の作品を先生や友達に説明するときに、うまく言葉で説明することができず、『それってつまりどういうこと?』っていう空気になってしまうことが多くて。どれだけいい作品が出来たとしても、人にその作品の良さを伝えられないと、その作品自体の価値が失われてしまうのでは……と悩むことがあります。
言葉というツールで表現しなくても、その作品を見てその魅力に気づいてくれる……そんな人がひとりでもいれば嬉しいなと思います」
Q4. ご自身のクリエイティブに影響を与えた人について教えてください。
「大学の個性あふれる友人たちに、日々影響を受けています。もともと、自分の興味あるものしか見ないような性格だったのが、彼らのおかげで写真という新しい分野に飛び込んで、楽しく活動することができるし、ありのままの自分を出すことができています。
憧れの人という点では、映像作家・撮影監督・写真家の林響太郎さんに大きな影響を受けています。
手掛けられた星野源さんのMVがとても素敵で印象に残っていたのですが、ある日、自分の通う大学で非常勤講師をしていることを知って。そこから何度か林さんの映像制作の手伝いに参加させていただいたのですが、本当に学ぶことが多くて、いちばんの憧れです」
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Q5. 将来の展望は?
「まだちゃんと決めてはいないですが、生涯を通して、カメラでいろいろな作品や人を写したいなと思っています。生きている間に、自分がきれいだと思うものを、全部カメラにおさめたいです。
仕事としては、いま学んでいるプロダクトデザイン関係に、縁があれば進みたいなと思っています。デザイナーとして独立して仕事をしながら、カメラの仕事もするのが理想です」
ハタノマリアのプロフィール
年齢:19歳出身地:東京都大田区所属:多摩美術大学 生産デザイン学科 プロダクトデザイン専攻趣味:写真、釣り、音楽、映画鑑賞特技:どれだけ夜更かししても日中眠くならないこと大切にしている言葉:一喜一憂
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Photo:Eri MiuraText:Mai Sugawara