世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、環境に優しいヘアサロンについてご紹介します。
環境負荷軽減のために取り組む海外の美容業界
「環境負荷が大きい」といわれているヘアサロン業界。全国に約25万店ある美容室で、あわせて825万トン(※美容室の水道代の平均とされる8000円から、1リットルあたりの水道代を0.24円として算出)ほどの水が使われており、その水にはカラー剤やシャンプーなど、大量の化学物質が含まれています。
化学薬品がたっぷりと溶け込んだ水が、川や海に流れ込むと、水質汚染だけではなく、生態系にも影響が及ぼされる可能性もあります。そして、その環境で育った魚を、私たちが食べる可能性もあり、わたしたちの健康にも、無関係ではありません。
そういった背景もあり、海外の美容業界では、さまざまなサステナブルな取り組みが行われています。例えばオーストラリアでは、金属やプラスチック、薬剤など、登録している美容室から出る廃棄物の95%を回収し、アップサイクルしています。
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またイギリスでは、美容サロンのオーナーや美容学生を対象にした、サステナブルなサロンの運営方法を教えるプログラムがあり、実際に活用されているそう。お店側にも、環境にやさしいサービスを届けたいという意識が広まっています。
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日本の美容業界はどうなの?
もちろん、そうしたサステナブルな流れは、ここ日本でも見られます。例えば、化学物質による水質汚染が問題視されていたカラー剤は、川に流しても自然分解されるオーガニックなものへシフトしつつあります。また、プラスチックボトルの廃棄を減らすために、販売しているシャンプーを、量り売りに切り替えるヘアサロンも登場しています。
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その他にも、シャンプーやコンディショナーなど、自社製品のパッケージを再生素材にしたり、お客さま用の飲み物に無農薬のものを採用したりと、独自の方法で環境負荷の軽減に取り組んでいるサロンが増えているのです。
こうしたサロンの動きを可視化しやすくするために、一般社団法人日本サステナブルサロン協会では、サステナブルを意識したサロン運営の基準となる、「サステナブルサロン認証®」を設けており、その認証店も増加傾向にあります。
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茨城県水戸市に県内初となるサステナブルサロン認証®︎のサロンがオープン
そんなサステナブルサロン認証を受けた美容室は、具体的にどんな取り組みをしているんでしょうか? 昨年12月に茨城県にオープンしたヘアサロン「Yohaku.」を例に見ていきましょう。
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一席のみの小さなサロンは、国産杉や檜(ひのき)の間伐材でできており、お店の電力も、できる限り自然エネルギーを使用しています。
また薬剤は、日本サステナブル協会の基準をクリアしたものを選択。プラスチック製品の使用も最小限に抑え、もしプラスチックごみが出た場合は、アップサイクルや信頼できるリサイクル業者に委託しているそうです。
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その他にも、古新聞でできたエコバックを採用したり、リサイクルポリエステルと廃棄ゴムでつくられたマットを置いていたりと、至る所にサステナブルな要素がちりばめられています。
美容室は、自分自身を美しくしたり、癒したりするための場所。しかし、そんな美しさや癒しを得ている裏で、地球に対しては負荷をかけてしまっているということも事実です。ヘアサロンを選ぶときには、技術や雰囲気以外にも、環境負荷の面も考えて選択してみるものいいかもしれませんね。
Reference:PRTIMES
Text:Yuki Tsuruta