世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、世界中で行われている「ローカル単位でおこなわれるシェアリングサービス」についてご紹介します。
市場規模が日本でも過去最高を記録
シェアリングエコノミーを支える業界団体、一般社団法人シェアリングエコノミー協会は、2022年1月に、2021年の日本のシェアリングエコノミー市場規模が2兆4,198億円となり、過去最高を記録したと発表しました。
「シェアリングエコノミー」とは、モノや場所、スキル、お金などを、必要としているひとに提供または共有すること。利用したい人は、必要なモノやサービスを、安いコストで使うことができ、提供者はサービスを始める際の初期費用があまりかからない、双方にとってメリットがあります。
この動きは世界的に注目されており、ここ日本でも、2030年には市場規模が14兆2,799円になると予想されています。そのため、シェアリングエコノミーを活用したユニークなサービスも続々と登場してます。
日本初!地域密着型のシェアリングエコノミー
2022年11月には、日本では初となる、ご近所とのつながりを大切にしつつ、循環型社会の実現を目指せるアプリ「LocaPi」のサービスが開始されました。
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「LocaPi」は、登録しているご近所さんと、手渡しで私物の貸し借りを行うアプリです。シェアリングエコノミーの特徴である、必要としているひとに必要なモノを提供・共有できるうえに、ご近所さんとコミュニケーションをとる機会づくりにもなります。
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確かに、不要になったものを、必要としている誰かに使ってもらう手段としては、「フリマアプリ」などもありますが、この「LocaPi」のミソは、”手渡し”が可能だということ。
面倒な梱包も配送の手配もいらないですし、持ち主に直接使い方を教えてもらう、なんていうことも。リアルなコミュニケーションならではの楽しみかたですよね。
世界のシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーは、サステイナブル先進国で名高いヨーロッパの国々でも、さまざまなかたちで行われています。
スイスではポストのシールがシェアの目印に
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スイスには、「Pumpipumpe」というサービスがあります。何かをシェアできるひとは、貸し出せるモノの絵が描かれたPumpipumpeのステッカーを、自宅のポストに貼っておきます。借りたいひとは、ポストに貼ってあるステッカーを見て借りに行きます。
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ステッカーは全部で50種類。双眼鏡やギター、バーベキューセットなど、小さなモノから大きなモノまで、さまざまなアイテムのステッカーが用意されています。
オランダでは「専用袋」に入れて置いておくシステムも
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そして、ユニークなシェアリングエコノミーは、オランダでも。
アイントホーフェン市やアムステルダム市などでは、「Goedzakken」という専用の袋に、いらなくなったモノを入れ指定の場所に置くと、「欲しい」と思ったひとがその袋を持ち帰ります。
袋を制作したデザインスタジオと市が協力して行っており、もし拾うひとが現れなかった場合は、付近のリサイクルショップが回収して販売したり、街のごみ収集車が処分したりするそうです。
これからもシェアリングエコノミーを加速させるサービスが続々生まれそう
シェアリングエコノミーは、Airbnbやメルカリなど、手軽にオンラインで完結するものばかりではなく、今回紹介した3つのような、地域単位で育まれるサービスも登場してきています。
かつては、地域のコミュニティがひとびとの暮らしを支えていました。オンラインでのつながりが当たり前となった現代だからこそ、「ご近所さん」とのシェアリングサービスの需要はこれからも増え続けていくのではないでしょうか。
Reference:
【Press release】2021年、日本のシェアリングエコノミー市場規模が、過去最高の2兆4,198億円を記録。|シェアリングエコノミー協会
Text:Yuki Tsuruta