世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、「もったいない」精神から生まれた、資源の再活用してつくられたビューティーアイテムをご紹介します。
酒粕、くだものの皮…廃棄になる原料が肌にいい?
美容アイテムにはさまざまな原料が使われています。例えばスキンケアに用いられる精油は植物から抽出されますが、そのためには膨大な量の植物が必要になる場合も……。例えば、香りのよさから香水などにも使われるローズオイルの場合、1キロ抽出するために、4トン近くものダマスクローズが必要とされています。
こんなにも多くの原料を生産し、消費しなくても、他にも使えるものがまだまだあるはず。特に何かの生産過程で発生する副産物………例えば酒粕やくだものの皮といった本来捨てられるもののなかには、スキンケアにぴったりな原料がたくさんあるのです。そこで今回は、そんな副産物を利用することで、資源の再活用を行っている美容ブランドを紹介します。
「もったいない」精神で作られた日本コスメ
SHIRO
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洗練されたイメージと、香りのいいアイテムで人気の高い「SHIRO」も、サステナブルな取り組みを行っています。特に素材選びでは、本来捨てられてしまうはずだった枝葉や製造工程で生まれた副産物、見た目のせいで規格外になるものを優先して使用するそう。
例えば、「ゆずフェイスミスト」などに使用されているゆずは、ジュース工場で捨てられてしまうゆずの皮を活用。ゆずの皮を蒸留して作った果皮水と精油で商品をつくっています。
INAHO SakeLees
「INAHO SakeLees」は、美容成分豊富な酒粕を活用したスキンケアブランド。酒粕は日本酒を作る過程で生まれ、以前は食べたり、保存食に使用したりして使われていましたが、現在は多くが廃棄されてしまっているそう。この点に着目し、自然に寄り添った酒づくりを行う、石川県の銘酒「手取川」の製造工程から生まれた酒粕を再活用。肌の潤いを守る化粧水と美容液は、防腐剤や香料、アルコールを使用せず、肌にもやさしいアイテムです。
ファーメンステーション
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ファーメンステーションは、ムダのない「循環型」の商品づくりを掲げるブランド。岩手県の使われていない田んぼを活用して栽培されたお米を発酵・蒸留。そこから生まれたエタノールは、ハンドスプレーやアロマなどに使い、残った発酵粕(米もろみ粕)を化粧品の原料に使っています。またこうした発酵粕はニワトリや牛の餌にも活用され、その鶏糞や牛糞は畑や田んぼの肥料にするなど、循環サイクルを形成しています。
米もろみ粕には、ヒアルロン酸保持効果や抗酸化作用、抗老化作用が認められており、肌の必須成分セラミドも豊富。「<とてもしっとりタイプ>奥州サボン プレミアム」は米もろみ粕に加え、米ぬかやホホバ、椿などの植物オイルが配合されており、洗い上がりもつっぱらないしっとり肌に。
その土地ならではの再活用を行う海外ブランド
Circumfarence
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アメリカ発のブランド「Circumfarence」は、「円周」「外周」という言葉の「周」という意味をもつブランド名のとおり、「循環」をテーマにしたスキンケアブランドです。
できる限り廃棄や過剰収穫を行わないよう、サステナブルな原料選択を行っています。例えばオリーブ葉エキスは、カリフォルニアでオリーブオイルを生産する「BRIGHTLAND」と協力し、廃棄されるはずのオリーブ葉を活用。人気商品のジェルクレンザーの主成分となっています。さらに、抽出後のオリーブ葉は再び農場に戻り、堆肥として活用されているそう。
Lano
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オーストラリア発の「Lano」は、世界最大の生産量を誇る羊毛を活用しています。羊毛に含まれる保湿効果の高いオイル「ラノリン」は古くから用いられてきた保湿剤で、人の肌の脂質に最も近いのだとか。そのため密閉しきることなく、ちょうどいい通気性で肌をバリアします。
さらに、羊毛というのは、毎年刈らねばならず、サステナブルな原料。ブランドは動物実験や動物を虐待することのないクルエルティフリーを表明しています。ラノリンを使用した「101 Ointment(軟膏)」は、くちびるやひじ、肌など、乾燥したところにマルチに使える人気アイテム。
コスメ選びの参考にしてみて
このように、本来廃棄されるはずのものも、アイディア次第で優秀なスキンケアアイテムに生まれ変わっています。成分選びには、自然由来のものだけでなく、副産物を再利用しているかどうかという視点も取り入れてみてはいかがでしょうか。
Image:PR TIMES
Text:Anna Usui