「気になる10代名鑑」の266人目は、鵜飼ひなたさん(19)。武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科に通いながら、絵画やグラフィックなど、さまざまな作品をInstagramに投稿をしています。心の向くまま、自由な作品づくりに励んでいる鵜飼さんに、アーティストとしてのルーツから将来の展望まで、じっくり聞いてみました。
鵜飼ひなたを知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「武蔵野美術大学の空間演出デザイン学科に所属して、作品づくりに励んでいます。1年生のいまは、授業で出されるお題に沿って作品をつくることが多いです。作品の幅はかなり広くて、絵も描くし、ディスプレイデザイン寄りの立体作品もつくるし、服飾の要素が入ることもあります。私自身、『絵画』とか『立体』みたいなひとつの枠に縛られたくなくて。
何を創るにしても、『自分の中で展開した空想の世界』をベースに作ることが多いです。強いて言うなら『鵜飼ひなた』という自由なコンテンツの中で、枠にハマらないものをつくっているような。とにかく、見た瞬間『ひなたの作品だ!』とわかってもらえるような、自分にしか生み出せない作品をつくることにこだわっています」
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Q2. 作品づくりを始めたきっかけは?
「確実に家族の影響です。父と祖母がアート、母と祖父が建築の人なので、物心ついたときから、立体物をつくったり、デザインやデッサンを描いたり、お裁縫をしたりといった毎日で。
でも、高校生になってから創作活動を一時期やめていたんです。中学生まではひたすらに自分の世界観全開で、服装もいまの感じそのままでしたが、高校に上がるとき、『幼稚なのは卒業して、普通の人にならなきゃ!』とふと思って、この世界観も絵もファッションも、何もかも封印して。まわりと一緒ということに憧れがあったんだと思います。流行りの服を着たり、無難に黒い服を着たりしていたんですけど、それも新鮮だったし、楽しくて、苦痛ではなかったんです。
でも高校2年生の終わりごろから、絵を頼まれる機会が増えて、やっぱり私にはアートしかないと気づいたんです。そこから憧れの教授がいる武蔵美を目指すようになって、また創作活動を再開して、大学入学と同時に、個性の封印を解きました」
Q3. 個性的であるがゆえの苦労はありますか?
「もちろんあります。電車に乗っていたり道を歩いていたりすると、本当に変な目で見られることが多くて、ちょっとだけ世間との壁を感じます。大学は個性的な人が多いので、この格好も馴染んでいるんですけどね。
でも通りすがりの人たちに、ファッションを通して『こんなに自由でカラフルな格好をしてもいいんだ!』みたいな、ちっちゃい希望や勇気を与えられたらいいなと思っているので、視線を理由に悩んだりすることはないです」
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Q4. 影響を受けた作品などがあれば、教えてください。
「たくさんあります! 作品だと、中島哲也監督の『下妻物語』と『パコと魔法の絵本』、ティム・バートン監督の『アリス・イン・ワンダーランド』『チャーリーとチョコレート工場』。人物だと、きゃりーぱみゅぱみゅさん、増田セバスチャンさんです。
私の感性や人格は、すべてこういった作品で構成されていると思います。いまでも見返すとアイデアが浮かんでくる、大切なインスピレーション源です」
Q5. 今後の展望・将来の夢は?
「ずっと作品や個性を褒めて育ててくれた地元の友達や、武蔵美に合格したときに一緒に喜んで、たくさん応援してくれた高校の友達が自慢できるような存在になりたいと思っています。
作品づくりでは、高校でチアリーディングをしていたので、機会があったら作品にチアリーディングの要素を取り入れたいなと思っています。いくつになっても、自分自身の心が向く方向にただひたすら作品を進めていって、1億%満足する宝物を生み出し続けていきたいです。
大学を卒業してから、フリーで活動するのか、どこかに所属して活動するのかはまだわかりませんが、『鵜飼ひなた』として大好きな人たちに恩返しできるように、頑張っていきたいです」
鵜飼ひなたのプロフィール
年齢:19歳出身地:11年愛知県、7年福岡県福岡市所属:武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科趣味:髪色や髪型をコロコロ変えること特技:縦開脚 、 I字バランス大切にしている言葉:But this is my dream! I’ll decide how it goes from here. I make the path!(映画『アリス・イン・ワンダーランド』の中のセリフ)
鵜飼ひなたのSNS
Photo:Eri MiuraText:Mai Sugawara