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ブラックサンダーが児童労働なしのカカオに切り替え。値段は変わるの?【Steenz Breaking News】

ブラックサンダーが児童労働なしのカカオに切り替え。値段は変わるの?【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、ザクザクした食感と30円というお手ごろプライスで有名なチョコレート菓子「ブラックサンダー」の挑戦についてご紹介します。

ブラックサンダーが「児童労働」なしのカカオに切り替え

エシカルやサステナブルという言葉には、いいものだと理解はしていても、「値段が高い」というイメージや、「手が伸ばしづらい」といったイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。

そんな中、10代にも人気の30円チョコ菓子「ブラックサンダー」からニュースが届きました。原材料として使用するカカオが、児童労働に頼らずに収穫されたものに切り替わったのです。さらに、ブラックサンダーを販売する有楽製菓によると、現時点で値段の変更は予定されていません。

有楽製菓では、2025年までに自社製品で使用するカカオすべてを、児童労働に頼らないものに切り替えることを目標に掲げています。

「人や社会、地域、環境などに優しいモノ」という意味で使われることが増えてきた「エシカル」という言葉。児童労働に「待った」をかけたこの取り組みは、まさに生活者と「エシカル消費」の距離をグッと縮めるのではないでしょうか。

安くておいしいチョコレートの背景では、子どもたちが犠牲に

チョコレートの原料となるカカオの原産国は、コートジボワールやガーナ、エクアドルといった発展途上国が主です。カカオ栽培では、生産過程で使用する農薬が及ぼす健康被害や環境破壊、そして児童労働などが問題となっています。

コートジボワールとガーナだけで、世界中で食べられているカカオの約75%が生産されていますが、コートジボワールでは79万人が、そしてガーナでは77万人が児童労働しているそうです。全世界で見ると約1億5,200万人(10人にひとり)にものぼります。

日本でも手ごろな価格で販売されているチョコレート。しかし価格競争などによって、こうした発展途上国でつくられたカカオが、労働に見合う適正な価格で流通しないと、さらに多くのカカオを栽培する必要が生じ、労働力不足から児童労働が生まれ、子どもたちが教育を受ける機会や健康を犠牲にして働かなくてはいけなくなる、という悪循環が生まれてしまうのです。

ブラックサンダーだけじゃない!身近なサステナブルチョコ

とはいえ、チョコレートのない暮らしは想像できません。ご紹介したブラックサンダー以外にも、コンビニやスーパーでも販売している定番チョコの中に、エシカルなカカオ原料を使用している商品はあります。

例えば、定番中の定番チョコのひとつ、森永製菓の「小枝」は、カカオ農家の支援や児童労働の撲滅、森林保護に取り組むカカオ原料を使用しています。

 

ほかにも、「フェアトレード(適正価格での貿易)認証マーク」が付いたカルディのチョコレートや、洋服や雑貨をはじめとしたエシカル商品を幅広く展開している「ピープルツリー」のチョコレートも有名です。

 

「買い物は投票」と言われるように、生活者である私たちひとりひとりが「何を買って、何を買わないか」は、「いまの社会に対して、どのようなスタンスを取るか」と同義です。「これを買えば正解」と言い切れない難しさはありますが、チョコを買うときには、使用されているカカオについても思いをめぐらせてみてくださいね。

Reference:
有楽製菓 公式ホームページ
MORINAGA 公式ホームページ
世界の子どもを児童労働から守るNGO ACE(エース)
フェアトレードジャパン

Text:Kei Hayashi

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Kei Hayashi

ライター

1997年まれ。2020年〜新卒でフリーライターに。興味関心:Z世代・メンタルヘルス・ジェンダー・消費社会 など。獨協大学外国語学部英語学科卒業。he/they。

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