「気になる10代名鑑」191人目は、じんじんさん(18)。かわいくて、ちょっぴりダークな世界観のアート制作や、DJとしての活動をしている青山学院大学の1年生です。スーパーポジティブな性格だからこそ、ネガティブな感情を創作のベースとしているというじんじんさんに、その理由を聞いてみました。
じんじんを知る5つの質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「青山学院大学国際コミュニケーション学科の1年生です。学業のかたわら、イラストやアクセサリーの製作などの創作活動をしています。
最近では、大学のDJサークルに入って、DJもはじめました。ジャンルは特に絞ってないけど、選曲するのはフューチャーベースのような、ポップな電子音楽が多め。『どこでプレイしても会場が原宿になる』ってよく言われます(笑)」
Q2. どんな創作活動をしてをいますか?
「いろいろやっているのですが、ひとつは、くちびるや目玉のモチーフにした粘土のアクセサリー。これは、以前Steenzに出演した〇〇や〇〇も参加していた、同世代のグループ展で販売したもの。もともと好きなモチーフだったので、ただ自分が身に着けたいものをつくったことから、作り始めました。
そのグループ展で、同じく好評だったのが、取扱注意のシールをつけた『森田不安定くん』という作品。夜中に衝動的につくりあげた作品なのですが、私が大学に上がる直前だったので、そのときの焦りや不安といったネガティブな感情を詰め込みました。
思った以上に、そのネガティブな部分にみんなが共感してくれて、森田不安定くんのことをかわいがってくれて……。いまでも、DJイベントをするときには連れて行っているんですが、この前、頭部の一部が欠けてしまって、すごくショックでした(笑)」
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Q3. 創作するうえでこだわっていることを教えてください。
「ネガティブな気持ちを大切にすることです。というのも、わたしはスーパーポジティブで、ネガティブな感情もすぐにポジティブに変換しちゃうんです。でも、ことアートに関しては、きれいごとがあんまり好きじゃなくて。青春映画も苦手だし。
アートって、少し毒が入ってるほうが共感できるし、リアルで味わい深いものになると思います。逆に、ほんわかした世界では、いいものは生まれにくいんじゃないかなって。だからこそ、つらいときや不安なとき、ネガティブに振れちゃうことを美しくて、欠けがえのないものと捉えています」
Q4. 創作をするなかでの、苦悩や困難を教えてください。
「わたしは普段から創作活動をしているのではなく、やる気になったときだけしています。だから、美術を学んでるひとと比べたら、クオリティや知識量が劣るのではないか、と不安になることも。でも、わたしにとって、アートというのは、インスタでストーリーをあげるのといっしょで、自分の感情を伝えるツールなんです。
つくっている側がアートの価値をいちいち気にすることはないと思うし、むしろ気にすること自体、アートの価値を下げるような気もします。純粋なその人自身を注いだら、その人にしかつくれないアートができる。あとは、見てくれるひとの判断に任せるだけじゃないかなって思うんです」
Q5.将来の展望を聞かせてください。
「自分の頭の中にある世界をみんなにも経験してもらいたくて、映像にもっと挑戦していきたいと考えています。
さっそく、今年の秋に、『カエルの王さま』の童話をベースにした、メルヘンなホラー映画の撮影を計画中なんです。童話とは違ったダークな部分を演出したくて、カエルと女王のゆがんだ愛を描ければいいなって思います。
あとは政治へのアプローチにも関心があって。この前の選挙で、心理テストみたいに政党を選べるコンテンツをたくさん見て、確かに選挙に行く流れはできるけど、一方でSNSの表面的な情報だけで判断する人が増えるかもし……という不安を感じました。
本当に自分が望む社会を実現するために、もっと普段から政治のことについて周りのひとと話す機会が必要だと思っていて。具体的な案はまだないけれど、どうにかしていけたらいいなって思います」
じんじんのプロフィール
年齢:18歳
所属:青山学院大学国際コミュニケーション学科、音楽芸術研究部、早稲田大学映画研究会
趣味:散歩
特技:人の誕生日をあてること
大切にしている言葉:むかしのひかりいまいずこ
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Photo:Eri Miura
Text:Atsuko Arahata
Edit:Takeshi Koh