「気になる10代名鑑」183人目は、向井涼一さん(18) 。インターン入社からわずか4か月で、会社のNo.2にあたるCOOに就任し、高校生とは思えない働きぶりで会社を支えています。しかし、そこに至るまでには、さまざまな挫折があったと語ります。そんな向井さんの活動への思いや、過去の失敗談などを赤裸々に話してもらいました。
向井涼一を知るための5つの質問
Q1. どんな活動をしていますか?
「エンジニア向けの事業を展開している株式会社AilaBで、最高執行責任者(COO)を務めています。
もともとは高校生インターンとして入社したのですが、代表からの声掛けがあり、今年の4月からCOOに就任しました。
エンジニア同士のマッチングプラットフォームサービスを開発していて、ITエンジニアが正しく適正な評価を受けられるような世界をつくるのが、会社として目指しているビジョン。僕の主な業務内容としては、経営戦略の考案、採用、資金調達などです」
リンク切れていたので再掲です。
皆様いつもサポートしていただきありがとうございます。17歳現役高校生がCOOに就任 AilaBの最高執行責任者へ|株式会社AilaB #note https://t.co/m3TIUL6WkZ
— 向井涼一 @7/23〜8/1東京 (@suzuhito_mukai) May 5, 2022
Q2. インターンとして参加した理由は?
「高校1年生のとき、自分で立ち上げた事業が失敗したからです。
『社会に何か貢献したい』という思いから、同世代の仲間たちと一緒に、食品ロス削減に繋がる事業を立ち上げたのですが、半年間しか持ちませんでした。いま思えば、いろいろ詰めが甘かったなという反省もあります。
自分の力不足と責任を痛感し、かなり落ち込みましたね。一時は本当に、何も手につかなくなるほどでした。それでもやっぱり、社会貢献への思いや起業への興味は消えなくて……。ビジネス本を読んだり、スタートアップ経営者が集うイベントに参加したりしていました。高校生で参加していたのはおそらく自分だけだったかも。
そんなとき、株式会社AilaBを見つけ、ここなら自分の経験やスキルを高めることができるのではないかと思い、ジョインしました」
Q3. 活動を始めるとき、いちばん最初にとったアクションは?
「すべての始まりは、中学のときにやっていたYouTubeでの活動です。
同じ部活だった友達がたまたまYouTubeに動画をアップしていて、チャンネル登録者が500人くらいいたんです。それを見て『自分でもできるんじゃないか』と思い、チャンネルを開設しました。
いまはもう更新していませんが、動画のコンセプトは、中学生が政治を語るというもの。ちょうど当時、N国党が誕生したころで、YouTube界隈でも政治への関心が高まっていたからか、最終的にチャンネル登録者は2500人くらいになりました」
Q4. 活動を通じて、社会に届けたいものや想いがあれば、教えてください。
「日本をブチ上げたい! 日本を変えることができるのは、政治かスタートアップだと思っているんです。
今後、自分が起業するのか、それとも直接的なルールメイカーになるのかはまったくわからないけど、手段は何であれ、社会のために何かを成し遂げたいという想いがあります。
憧れは孫正義さん。孫さんは高校時代にアメリカに留学されているのですが、そのことについて語っている講演動画を見ていた自分が、たまたま孫さんが渡米した年齢と同じだったんです。きっといまよりも、海外へ行くハードルは高かったはず。
自分と同じくらいの年齢のときから挑戦をしていて、今もそれを続けている……そんな姿に感銘を受けました」
Q5. 最近新しく始めた挑戦は?
「高校生や起業家のキャリアやメンタルのサポートを、ボランティアでやっています。
具体的には半年ぐらい前から、DMで相談に乗ったり、おすすめの本や記事をシェアしたりしています。業界でダントツに活躍されている人の意見よりも、少し前を走っているくらいの人からのアドバイスが、いちばん参考になると思うんです。
起業家のメンタルヘルスはけっこう深刻な問題だと思っていて。自分が組織のトップにいるからこそ、弱音を吐けずに苦しんでいる起業家は少なくない。海外では最近、この分野の研究が盛んになっています。
僕はいま受験生で、大学進学を考えているところなのですが、大学に入ったら、起業家のメンタルヘルスについて、自分の経験も活かしながら研究したいと思っています」
向井涼一のプロフィール
年齢:18歳
出身地:京都府
所属:株式会社Ailab
趣味・特技:ドッジボール
影響を受けた人物:孫正義
向井涼一のSNS
★note
Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh