「気になる10代名鑑」177人目は、けんたさん(19) 。3月に地元・愛媛県を離れて横浜国立大学に進学。現在は大学に通いながら、報道番組の制作現場に携わっています。地元を離れたことで、改めて都会と田舎の違いを実感し、同世代の活躍に尊敬と焦りを覚えた、と話すけんたさんに、これからの目標について語ってもらいました。
けんたを知るための5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは何ですか?
「大学に通いながら、報道番組のアシスタントディレクターとして働いています。番組をつくるのに必要な裏方作業が仕事です。生放送の現場なので、けっこう大変なんですよ。
きっかけは高校の同窓会。縦の繋がりが強い学校で、たまたま参加していた先輩から紹介してもらいました。後日、『社会について学びたいので、職場見学させてください』と連絡したんです。
実際に見学させてもらって、ここで経験を積めば、社会のことをいろいろと学べるんじゃないかと思って、『ここで働かせてください』とお願いしました」
Q2. 行動力の源は?
「自分が行動力があるかと言われたら、決してそうではないと思っています。まわりには起業したり、自分で発信活動をしたり、行動力がある人たちがたくさんいますから。強いて言うなら、僕は飽き性なので、自分の興味がわいたものに手を出していくことには、抵抗ないかも。そのぶん、何かと中途半端になりがちなんですけど(笑)。
アシスタントディレクターとして働いている中で、もちろん怒られることもあります。まだ始めて数か月だけど、社会を舐めていたなぁと実感しました。それに、この前『仕事することを目的化していないか?』と問われたときに、ハッとさせられた部分があって……。
いまは、自分のやりたいことをあらためて模索している段階です」
Q3. これまで印象的だった出会いはありましたか?
「地元を出てから、いろんな出会いに恵まれている気がします。中でも、大学に進学して出会った友達の存在は大きくて。同い年でこんなにすげー奴がいるんだ、と刺激を受けたと同時に、自分も何かしなきゃ、と焦りも感じました。
僕はこっちに来るまで、愛媛県の進学校で、東大進学を目指していたんです。前期で落ちちゃったんですけど、行かなくて正解だったかもしれません。たぶん東大に入ったら、入れたことに満足してしまったと思うから。
それぐらい、今の大学で出会えた友人の存在は大きいです。一緒にいて、すごくエネルギーを感じます」
Q4. 社会に対して感じていることは?
「いまの社会は自分がこうしたい、っていうわがままを貫きづらいなって思います。みんな発散できていないというか……。
特に地方は、その傾向が強いと感じています。田舎を否定したいわけじゃないんですけど、やっぱり変化とか多様性に対して、厳しい目があると思う。
何かアクションを始めたいと思っても、環境が理由で諦めてしまったり、そもそも始める一歩を踏み出すことに躊躇してしまったりする人が多い気がします」
Q5. 将来の夢や今後の展望を教えてください。
「これになりたいっていう明確なものは、まだわかりません。働けば働くほど、自分は社会人に向いていないんじゃないかと不安になってばかりで……。
でも、いまは誰かの『始めたい!』という想いや挑戦心をサポートできるようなサービスやプラットフォームをつくってみたいと考えています。それは自分が地元を出て、いろんな先輩や同世代の存在に助けてもらったから。自分がしてもらったことのありがたみをかみしめて、次は僕が誰かのためになにかできたらいいなと思っています」
けんたのプロフィール
年齢:19歳
出身地:愛媛県松山市
所属:横浜国立大学 都市科学部
趣味・特技:カラオケ、地理の雑学、コサックダンス
大切にしている言葉:人の夢は終わらねぇ!!!
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Photo:Eri Miura
Text:Ayuka Moriya
Edit:Takeshi Koh