Teen's Snapshots

ぬいぐるみを心の支えに。人とモノを“友達”と呼べる社会を目指す高校3年生【藤井麗乃・17歳】

ぬいぐるみを心の支えに。人とモノを“友達”と呼べる社会を目指す高校3年生【藤井麗乃・17歳】

「気になる10代名鑑」98人目は、藤井麗乃さん(17)。悩みを抱え込んでしまい、つらい思いをした時期に寄り添ってくれた「ぬいぐるみ」が、自分と同じような境遇の人たちの助けになるような活動しています。そんな藤井さんの想いに迫りました。

■藤井麗乃を知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

「兵庫県出身の高校3年生で、学生団体『ぬいらぶ』の代表をしています。人とモノを“友達”と言える社会をつくることを目標にしています。『モノ』と言っても範囲が広すぎるので、現在は私の大好きな『ぬいぐるみ』をテーマに活動しています」

Q2. 活動について詳しく教えてください。

“友達”としてのぬいぐるみを広めようとしています。人間関係に悩んで、傷ついてしまった人にとって、ぬいぐるみによって、変わらない安心感を与えてくれる存在になる。そんなふうに、“モノ”を心の支えにできるような社会の実現に向けて、ぬいぐるみの寄付やぬいぐるみの展覧会の企画を行っています。

誰にでも『なんだか捨てられないおもちゃ』とか、モノにモノ以上の価値を見出す経験をしたことがあると思うんですよね。そのモノとの信頼関係を構築することが、たくさんの人を助けることになると信じています」

Q3. 「ぬいぐるみ」を活動の軸にしようと思ったきっかけは?

「小学校6年生のときに、両親の離婚を経験し、精神状態が不安定になってしまったことがあったんです。学校でもいじめにあっていたので、誰にも悩みを話せず抱え込んでしまって。

そのとき、唯一悩みを話せたのがぬいぐるみでした。小さいころから、名前をつけて遊んだりするのが好きだったので、自分が将来何をやりたいか考えたとき、ぬいぐるみに行き着きました」

https://note.com/nuinui__0420/n/nd818f012543a

Q4. 活動をどんな人に届けたいですか?

「もちろんすべての人に向けた活動ではあるんですけど、特に、悩みを抱えこんでいて、つらいと感じている子どもたちを救いたい気持ちがあります。

極端な虐待を受けている場合などは、児童養護施設に取り合ってもらえることもあるのですが、私のように、そこまで酷くはないけど、家庭環境が良いとは言えない子どもたちは、直接アプローチしにくい存在だと思ってて。

学校の行き帰りなど、訪れやすい場所でぬいぐるみ展覧会で開催して、子たちにも立ち寄ってもらって、ぬいぐるみというモノが心の支えになり得ることを知ってもらえる。そんなふうになったらいいなと思っています」

Q5. 普段はどんな友達と過ごすことが多いですか?

高校の友達と、スタバやショッピングモールに行ったり、ユニバで遊んだりしてます。好きなものは違うけど、どうでもいいことで笑い合えたり、お互いのことを尊重し、大切にしあえる人たちです。私は悪口などネガティブな話題が苦手なんですけど、そういった話題がまったく出ないので、居心地がいいし、一緒にいてとても楽しいんです」

Q6. 趣味はありますか?

「ぬいぐるみを集めること以外には、漫画・アニメを見ることや、イラストレーターさんのイラストを見ることが好きです!

漫画やアニメを通して出会ったキャラクターたちにも、何度も人生を救われてるんです。特に『僕のヒーローアカデミア』に出てくる『プルスウルトラ』という言葉。作中では『もっと先へ』の意味なんですが、その言葉を自分に言い聞かせ、妥協せずにいまの自分を超えていけるようがんばってます

Q7. 宝物を教えてください。

「小さいころ親戚にもらった白いクマのぬいぐるみ、『くまたん』です。一緒にお風呂に入ったり、いろんな場所に連れて行ったりしました。見た目は少しボロボロになってしまっているんですが、変わらずずっと隣にいてくれた存在で、つらいことがあったときは、くまたんを抱きしめるだけで心が落ち着くんです。

他には、祖父と行った水族館で買ったゴマフアザラシの『ももりぶ』もかわいいんです。丸くてもふもふしていて、一緒によく寝ています」

Q8. 生きるうえでのポリシーがあれば教えてください。

自分の心を大切にすることです。この言葉は、参加した若手起業家組織・MAKERSのイベントで、佐俣アンリさんがおっしゃっていたものです。辛いことがあったら、逃げても、逆に立ち向かっても、どちらでもいいんです。結局のところ、自分が納得できる行動をして、後悔しないようにすることが大切だと思うようになりました」

Q9. 今後の展望は?

行き場がなくなったぬいぐるみたちの命を引き継ぎ、新しい日常品に変えて販売するブランドの立ち上げに向けて動いています。私のまわりにも、ぬいぐるみのを捨てるのは気が引けてしまうし、寄付は押し付けっぽく感じてしまうし、供養するほどでもない……そういう声をよく聞くので。

さらに、ぬいぐるみが好きな人たちが集まれるようなコミュニティをつくったり、ぬいぐるみに対するいろんな人の想いを集めた展覧会の開催をしたりしたいです」

 

Q10. 同じ時代を生きる10代に、メッセージをお願いします。

好きだと言い切れるものを、みんなに持ってほしいです。自分が満足できるぐらいまで『好き』を極めて、その熱中するパワーを余すことなく使えば、何でも成し遂げられると思います。

そして、ぬいぐるみが大好きな方は、ぜひお話ししましょう!」

■藤井麗乃の今日のファッション

ワンピース・カーディガン/FRAY I.D、バッグ・パンプス・ネックレス/ZARA、ソックス/17℃

「すっかり暖かくなってきたので、春っぽさを意識したコーデを組みました。今日はせっかく写真を撮っていただける日だということで、ヘアメイクもしてもらって、気合いを入れてきました!」

■藤井麗乃のSNS

Twitter

 

note

https://note.com/nuinui__0420

Photo:Eri Miura
Text:Ayaka Shinada
Edit:Takeshi Koh

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

View More