「気になる10代名鑑」の44人目は、松山里緒菜さん(18)。自らを「なんかいろいろしてますが、いたって普通の女子高生です」と語りながら、数々の社会課題に関するイベントやプロジェクトの運営に携わるなど、社会に対してアクションを起こしています。「自分の考えを人に伝えるのが苦手だった」という松山さんの変化や、内に秘めた熱い思いを話してくれました。
■松山里緒菜を知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「松山里緒菜、18歳です。JKしています! 課外活動として、世界環境学生サミットというSDGs大きなイベントに参加したり、『FlexibleAir』という学生団体の立ち上げを経験しましたが、今はまだ、これといって何かを成し遂げたとは思っていなくて……。関心があることに片っ端から手を付けていて、将来的には、私にしかできないことで社会にチャレンジしていきたいと思っています」
Q2. 課外活動に興味をもったきっかけは?
「仁禮彩香さんが主宰されている中高生向けのサタデースクール『Leaper School』に、ご縁があって参加したのがきっかけです。それまでの価値観をいい意味でブチ壊されて。世の中の当たり前や周りの意見に流されず、自分軸を持って生きることがカッコイイって思ったんです。
いろんな疑問を感じるうちに、他の人はどんなふうに考えるんだろう……って思ったので、Twitterのアカウントを開設して、そこで自分の意見を発信したり、他の誰かの意見を聞いたりして、自分の価値観のアップデートをするための行動をしています」
Q3. 今いちばん興味がある領域はなんですか?
「性教育についてです。性教育に興味を持ったのは、江連千佳さんの『低容量ピルを服用している』というツイートを目にしたことがきっかけになって。それから、自分でも気になって、情報をインプットするようにしました。性教育のイベントを主催して、そこに実際に江連さんにゲストで出ていただいたりもしたんです」
Q4. 活動をしていく中で、いちばん大切にしていることは?
「『肩書きじゃなくて”ワタシ”で語る』という言葉を、いつも念頭に置いて行動するようにしています。これまで、学生団体の共同代表とか、組織の副統括など、いろいろな役職につかせてもらってきましたが、それだからスゴイって思われたくなくて。松山里緒菜っていう人間が、物事をどのように捉えて、人生をどのように歩んでいるのか、そこを見て判断してもらいたい。
だから、肩書きや経歴にとらわれずに、ワタシという存在で、社会にインパクトを与えられたら、それがいちばんカッコイイんじゃないかなと思って。この言葉を思いついたのと同時に、行動指針として大切にしています」
Q5. 活動していて、大変だと思うことは?
「うーん、今のところはラッキーなことに、それほど大変なことはないかも……。というよりむしろ、苦労も楽しさに変えてます(笑)!
まあ、強いて言えば、通っている高校だと、こういう課外活動していることが広まると、煙たがれてしまうこともありますね。イベントをやることを茶化されたり……。でも、活動していく中で、だんだん味方を増やしていけばいいかなって」
Q6. 影響を受けた人は?
「Leaper Schoolでの経験は本当に貴重だったので、まずはそれを主宰されている仁禮彩香さん。それから、自分たちで実施した性教育のイベントに出演してくださった江連千佳さんにも憧れます。
あとは、私も運営メンバーとして参加している『世界環境学生サミット』の代表の秋山義紀さんからも、たくさんの刺激をいただいています。活動を通して、いろいろな考え方をもって、それを具体的なアクションにつなげている人とお話しする機会が得られるのは、すごく有意義ですね」
Q7. 普段はどんな友達と過ごすことが多いですか?
「クラスでは、基本はひとりでいることが多いかも……。良い距離感が保てる子たちと過ごしています。クラス外の、話が面白い子や、考えてることが読めないようなミステリアスな子と過ごすことが多いです。あとは、Twitterで出会った、何かの活動をしている友達とは、実際に会って遊んだりもします」
Q8. どんなときに幸せを感じますか?
「自分の考え方や価値観で、人の心を動かせたとき。以前、Twitterで自分の恋愛観についてつぶやいたとき、友達から『こんな考え方もあるんだね』というリアクションがきて、それがなんだか嬉しくて。
最近思うんだけど、自分の恋愛対象は男性でも『男だから』好きになるわけじゃ無いなって。優しいとか、話し合うなーとか、尊敬できるとか。そうゆうところに惹かれてるだけで、ほんとに性別って関係ないと思う。たまたま自分の対象が男性だっただけ。そう考えると同性愛もあってあたりまえだよね?
— Riona (@riona20030413) January 21, 2022
あと、主催した性教育のイベントに友達を呼んだときに、『日本の性教育がヤバイことがわかった』ってメッセージをもらえたんです。そういうことがあると、やってよかったなって感じます」
Q9. この先、やってみたいことは?
「とにかくいろんなことにチャレンジしたいです。今はまだ、これから何をして、どう生きたいか、決まっていないですし、まだ決めたくないなって思っています。でも、やりたいことはたくさんあって。
例えば、ファッションが好きなので、ジェンダーと掛け合わせた服をイチから作ってみるとか。デザインの勉強をして、社会に訴えかける広告を作ってみるとか。価値観はメディアなどの外的環境によって形成されると思うので、広告やメディアにアプローチして、いろいろな価値観があるんだよっていうのを伝えていきたいんです」
Q10. 社会が「こう変わればいい」と思うことは?
「“当たり前”に支配されない社会になってほしいです。当たり前って、当たり前すぎて誰も疑おうとしないのが厄介で。でも、この当たり前に苦しんでいる人がいるとき、それをどれだけ訴えても、マジョリティの側は、聴く耳を持たなくて、また社会の当たり前が続いていく。
確かに、当たり前をずっと引き継いでいくほうが、私たちにとっても生きやすい。でも、それによって生きづらさを抱えている人がひとりでもいるのならば、常に更新していく必要があるって思うんです。私自身、当たり前に縛られずに、もっと柔軟に生きたいし、みんなにもそうやって生きてほしいです」
■松山里緒菜の今日のファッション
「服を選ぶときは、自分の気分をいちばん大切にして、着たい服を着ています。今日のポイントは、GAPのパーカー。ボリュームがあるので、ボトムはフレアパンツにして、全体のバランスをとってみました」
■松山里緒菜のSNS
今日は、あるはじめての経験をさせていただきました!2月上旬くらいにまた発信するのでお楽しみに(?)してくれるひといるかわかんないけど、、、まあそんな感じです。笑
— Riona (@riona20030413) January 22, 2022
Photo:Kana Tarumi
Text:Yui Kato