「気になる10代名鑑」の30人目は、学生団体『50cm』で4代目の代表を務める、内野そらさん(17)。教育格差や貧困問題を解決するための活動に加え、大好きな歌や演劇活動にもフルコミット。そんな内野さんに、根掘り葉掘り質問してみました。
■内野そらを知る10の質問
Q1. プロフィールを教えてください。
「東京生まれ。自分の半径50cmから革命を起こそうというコンセプトで活動する学生団体『50cm.』で、代表をしています。
『そら』という名前には、空のように寛大な心をもってほしいという意味が込められているそう。ひらがなの『そら』は意外と被らなくて、自分でもお気に入りの名前です」
Q2. 学生団体『50cm.』の活動について教えてください。
「50cm.は、『SDGs達成を目標に、身の回り半径50cmから行動を起こす』を活動理念に掲げて、2018年に結成された、高校生のみの学生団体です。私は現在、4代目の代表を務めています。創設者の入江遥斗さんが2018年に立ち上げて以来、大人を代表に立てていない団体という特色をもっています。
普段の活動は、私たちの考え、SDGsや社会問題に関する情報を、読みやすくてキャッチーな記事にまとめて、SNSで発信すること。週に3回、メンバーそれぞれが興味・関心のあるトピックの記事を投稿しています。
あとは、イベントを主催したり、プレゼンコンテストに登壇したりすることもあります。去年初めて開催された、全国の高校生団体の頂上を競う大会『高校生団体総選挙』では、100団体以上の中から準グランプリに選出されました」
Q3. どんなメンバーが集まって、日々活動しているんですか?
「関東を中心とした計18校から、高校1〜2年生が27人集まって活動しています。基本的に活動はオンラインで進めているので、中には関東圏以外のメンバーもいます」
Q4. 活動をはじめたきっかけは?
「塾に通い始めたとき、塾と学校のレベルの違いを感じたことがきっかけ。それまでは、学校がすべてだって思っていたけど、学校だけでは十分に自分の可能性を高めることができないんじゃないかと感じたんです。それに、将来どうなりたいかがまだわからないので、学生というモラトリアム期間のうちにいっぱい挑戦しようって思って。
特に、私が興味のある『教育』は、学生(主に中高生)に関わるものだからこそ、当事者である今のうちに、解決のための手段をじっくり考えたいんです。『Tokyo Startup Gateway』や『Makers University u18』など、さまざまなプログラムがあるのでいろいろ挑戦しているところです」
Q5. 社会がもっと「こう変わればいい」と思うことは?
「誰もが自分の可能性を最大限に解き放つことができる社会になってほしいです。学生のときに見た世界は、将来の生き方に大きく影響してくる気がしていて。何かに興味を持ったりするきっかけの数を、誰もが十分に持てるようになったらいいと思います」
Q6. 宝物はありますか?
「今まで書いてきた文章です。 小中学生のときに書いた作文も、全部とっておいてあるんですよ。定期的に見返して、『このときのワタシ、こんなことを考えていたんだ!』とか『意外と変わっていないなぁ』などなど、過去の自分と対話するのが楽しくて」
Q7. 趣味を教えてください。
「歌うことや演劇が好きです。小学生でやった『走れメロス』をきっかけに演劇にハマって、その影響で、中学校は、演劇に力を入れている学校に進学しました。
今は、軽音部と合唱部に入りながら、中学の卒業生で組んだ劇団にも入っています。毎日忙しいけど、趣味の時間は私にとって心が解き放たれる瞬間です」
Q8. お気に入りのアーティストはいますか?
「ももクロ、あいみょん、尾崎豊が好きです。メッセージ性のある詩に惹かれます。あいみょんなら『風のささやき』がお気に入りだし、ももクロはモザイクパーカーというファン必携のパーカーがあって、それを着て、ヲタ活するぐらい好きです!最近は忙しくてあまり追えていないのですが『行く春来る春』という最高な曲があって…話始めると止まらなくなっちゃいます(笑)。」
Q9. 今後の展望は?
「社会をよりよくできるアプローチを見つけて、ひとりでも多くの人が生きやすい世の中にしていきたいです。具体的な職業はまだわからないし、朝が苦手なので、自分が会社でバリバリ働いている未来を想像できないんですが、今のうちにたくさん挑戦して、失敗もして、自分なりのスタンスを見つけたいです」
Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。
「社会に違和感を覚えたり、『もっとこうなればいいのに』と思ったりしたら、その気持ちを大事にしてください。できれば、友だちや家族にその気持ちを伝えてみて。もしかしたら口に出せないだけで、他の人も同じことを思っているかも。小さな共感から社会は変わっていくと思います。
周りに伝えられる人がいなかったら、SNSで発信してみたり学校外で仲間を探すのも手。『50cm.』では、気軽に語り合えるコミュニティとして、誰でも入会可能な準メンバーという枠も設けているので、ぜひチェックしてみてください」
■内野そらの今日のファッション
「指定の制服はないのですが、高校にはなんちゃって制服で通っています。とにかく朝、服を選ぶのが面倒なので(笑)。服は年に2~3着、買うか買わないかくらい。基本的には着る服を決めて、ルーティン的な感じで着回すことが多いです」
■内野そらのSNS
Photo:Eri MiuraText:Ayuka MoriyaEdit:Takeshi Koh