Teen's Snapshots

脳内にあふれる言葉をインスタグラムにふわりと乗せて。【ひなた・19歳】

脳内にあふれる言葉をインスタグラムにふわりと乗せて。【ひなた・19歳】

気になる10代名鑑」の11人目は、叙情的な写真に乗せられた、心に染みる言葉が熱い支持を得るInstagramアカウントの運営者・ひなたさん(19)「昔から言葉があふれ出てくる」と語る彼女が、この手法に辿り着いた理由とは? 彼女の創作にかける想いをうかがいました。

■ひなたを知る10の質問

Q1. プロフィールを教えてください。

ひなたです。去年、専門学校をやめて新潟から上京し、写真家の友達と一緒にルームシェアをしながら、アパレルを軸とする『yutori』という会社でインターンとして働いています。そこでは、主にSNSの運用などを担当しています。

仕事とは別に、高校時代から自分のInstagramで、写真の上に言葉を載せて発信し続けています。これは私の想いを発散する場所という感覚ですが、たくさんの人にフォローしてもらって驚いています」

Q2. Instagramでの活動を始めたきっかけは?

「昔から、自分の感情や他人の行動などが言葉になって見える感覚があって。脳内で言葉があふれてくるので、アウトプットしないと、自分が溺れちゃうような気がして…。SNSがあるから誰かに届けているけれど、ネットがない時代だったとしても、メモ帳などに書いていると思います」

Q3. 写真の上に言葉を乗せているのはなぜですか?

「最初はTwitterで言葉だけを発信していたのですが、『サムい』『イタい』と思われているんだろうな、と気になってしまって…。

そこで、趣味で撮っていた写真に言葉を乗っけて、Instagramで投稿してみたら、多くの人に受け入れてもらえたという手応えがありました」

Q4. 洗練された言葉は、どのように完成させていますか?

「自分の中で言葉にしたい想いが無限にある一方で、それをどう編集して魅せるべきかを、常に意識しています。もともと歌詞や広告のコピーなど、短くてバシッと決まる言葉が好きで、常に追っているので、そういう引き出しは自分の中に多くあると思います。

小学生のときの読者感想文では、小説の内容でなく言葉の響きの気持ちよさの感想を書いて、先生から注意されたこともあります(笑)」

Q5. 手描き文字が多いですが、書体にもこだわりがありますか?

「手描きにこだわっているわけではなくて、歌詞やコピーっぽいものは手描きで、小説や物語っぽいものはフォントを使うなど、言葉にあわせて使い分けています」

Q6. 写真は独学ですか?

完全に独学です。アマチュアで、趣味の域を出ないなって思っています。写真家とルームシェアをしているので、レベル的にもマインド的にも、写真表現のプロではないと自覚して、そこは一線を引いています。

カメラは高1のとき、親に買ってもらいました。高価だったので『3年分のクリスマスプレゼントにして』と頼みこんで。もちろん、翌年と翌々年は、本当にクリスマスプレゼントをもらえませんでしたよ(笑)

Q7. 写真の他にも趣味はありますか?

「音楽、洋服、アイドル、野球…と、かなり多趣味です。すべての趣味に推しがいて、たとえば野球ならヤクルトスワローズの山田哲人選手。中学生のときは部屋の全面が山田哲人選手で埋まっていて、プロ野球チップスも全部買っていました。

熱い趣味がたくさんあるから、いろんな角度からインプットができているようにも感じます」

Q8. 宝物はありますか?

いま住んでいる東京の部屋ですね。私も同居人も、大切な友達をお互い連れてきて紹介するので、いろんな出会いがあって、とても大切な空間です。

地元だと、身近に表現をしている人があまりいなくて、高校時代から週1で夜行バスで東京に来ていました。その身からすると、東京に部屋があって、そこに表現への理解が深い同世代の人たちが集まってくるというのは、夢のようです

Q9. これから先、どんなことをやりたいですか?

早い段階で隠居…とまではいかなくても、二拠点生活とか、仕事のペースを落としたいとは思っています。私は人より感情の起伏が激しいタイプだから、ずっと走り続けたら心がポキっと折れてどん底にいきそうな気がしていて。

でも、20代前半は突っ走りたいです! 仕事をしていても『19歳なの?』って驚かれることが多くて。若さが実力+αの価値になることは分かっているので、いまはがんばりどき。『10代のうちにこんなことをしていました』と胸を張れる実績をつくって、一生強気に生きていきたいと思っています(笑)

Q10. 同じ時代を生きる10代にメッセージをお願いします。

「夢を追いかける中で、他人と比べて『自分には何ひとつ才能がない』と思ったりすること、ありますよね。でも、今日1日を自分らしく生きただけで、それはまぎれもない才能だと思っています。

私も弱虫で、何回も泣いて、自分を傷つけようとしたり、夜の海に裸足のまま飛び出したりしてしまったこともあるけど、いまは逆に『憧れのあの人も、私にはなれない』と前を向いています。何者にもなれない自分だけど、誰にもなれない自分を生きていきましょう。死ぬまで全ページ、自分が主役!

■ひなたの今日のファッション

シャツ/古着、パンツ/韓国通販、ブーツ/GU

「今日は仕事の打ち合わせがあって、スーツを着ている大人も多かったけど、私は10代だから、と気にせず、好きな格好をしています。人生で初めて買ったロングブーツを主役にしたくて、ショートパンツを合わせました。脚を出してようが金髪だろうが、中身を見てくれる環境で働いていきたいです」

■ひなたのSNS

★Instagram

★Twitter

 

 

Photo:Eri Miura
Text:Takeshi Koh

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Ayuka Moriya

エディター

1999年生まれ、秋田県出身。東京外国語大学 国際社会学部在学時よりライター・エディターとして主にインタビュー記事の執筆、ディレクションに携わる。Steenzでは、2021年ローンチ当初より「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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