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カルチャーショックも楽しみのうち!ボストン体験記。Mao in Boston #04【Steenz Abroad】

カルチャーショックも楽しみのうち!ボストン体験記。Mao in Boston #04【Steenz Abroad】

こんにちは。夏にバークリー音楽大学の短期プログラムに参加していた中西眞緒です。今回は「Mao in Boston」第4回として、ボストンで過ごした中で感じた“日米の文化の違い”についてお話しします。

私はアメリカ生まれ・日本育ちの20歳。幼い頃から、「いろんな人と関わって、広い世界を見たい」と思ってきました。でも、実際にアメリカで生活してみると、想像以上に世界は広くて、これまで自分の見てきた世界がいかに狭いものだったかを実感しました。そんなボストンでのカルチャーショックの中から、印象に残ったエピソードをいくつか紹介します。

褒め言葉は日常に!

アメリカの人たちは、とにかくポジティブな言葉を惜しまない。「そのスカートかわいいね!」「メイクすごく素敵!」などと、ちょっとしたことでも自然に褒め合うんです。

中でも印象的だったのが、友達と街を歩いていた時のこと。突然、全く知らない女性に「You!」と呼び止められてびっくりしたら、「You are gorgeous!」って言われたんです。思わず笑顔になってしまいました。

見知らぬ人同士でも、気づいた良さをその場で伝える文化。そんな小さな言葉が、日常を温かくしているんだなと思いました。日本にもおしゃれな人はたくさんいるけれど、「その服素敵!」って気軽に声をかけることって、なかなかないですよね。こういう文化を、少しずつでも日本に広げていけたらいいな……なんて思ったりもしました。

それぞれの“心地よさ”のかたち

時間の流れ方や、音の感じ方、服装の選び方……。どれも“心地よさ”の基準は国や人によって違うもの。そんな気づきが、わたし自身のものの見方を自由にしてくれました。

まず、時間の感覚。わたしは日本ではあまり時間に厳しいタイプではないけれど(笑)、アメリカののんびりさは一段上。「夜8時にドラマを見よう!」と約束しても、始まるのは9時半、なんてこともよくありました。最初はちょっと戸惑いましたが、予定を立てすぎず、その場の流れや気分でリラックスして楽しむ雰囲気があって、意外と心地良い部分もありました。

ほかにも、電車の中で大きな声で話す学生や、柱をスティックで叩いてドラムのようにリズムを刻む人、にぎやかな図書館。日本の静かな公共空間に慣れていたわたしは、最初はびっくりしました。

でも考えてみると、音の心地よさの感覚って人それぞれ。よく考えてみたら、友達や家族と聞こえやすいようにできるだけクリアに話すようにしているつもりが、「まお、声大きいよ!」って言われることも(笑)。

そして、特に素敵だなと思ったのは、ファッションの自由さ。ノースリーブやショートパンツなど、体型に関係なく”自分が好きで心地よい服”を着ている人が多くて、“ありのまま”でいる姿が印象的でした。

みんな自分らしくいきいきしていて、自然体の美しさがある。日本では「目立ちすぎると浮く」「露出はちょっと……」という空気を感じることもありますが、アメリカでは互いの違いをジャッジせず、受け入れる雰囲気が根付いているように感じました。

“違い”があるから面白い

ボストンで過ごした5週間は、まさに“価値観が広がる旅”でした。異なる文化に触れるたびに、自分の中の当たり前が少しずつ書き換えられていく感覚。時間の感覚、公共の場の音、ファッション……。どれも、どちらが正しいというより、国や人によって“心地よさ”の基準が違うだけ。大事なのは、その違いを柔らかく受け止めて、楽しむことだと感じました。

もちろん、アメリカも日本も一枚岩ではないし、人それぞれの文化があるけれど、今回の経験を通して、「違いを知ることの面白さ」を心から感じました。また、SNSで世界中の情報にアクセスできる今だからこそ、「実際にその空気を肌で感じる」ことの大切さを再認識した留学でした。

これからもこうした経験を重ねて、音楽家として、そしてひとりの人間として、この学びを活かして、より深みのある豊かな自分へ成長できたらと思います。次回もお楽しみに!

中西眞緒のプロフィール

アメリカ生まれ静岡育ちの大学2年生。現在はバークリー音楽大学に留学中で、シンガーソングライターとしても活動している。

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Mao Nakanishi

ライター

2005年生まれ。アメリカ・カリフォルニア州で生まれ、静岡県で育つ。国際基督教大学にてメディア・コミュニケーション・文化(MCC)と音楽を専攻予定。現在は、シンガーソングライターとして音楽活動に取り組みながら、ボストンのバークリー音楽大学に短期留学中。オリジナル曲の制作・発信を軸に、自己表現の可能性を広げるべく模索している。

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