
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする、「Steenz Breaking News」。今日は、佐賀県に建設予定の施設「世界海洋プラスチックプランニングセンター」についてご紹介します。
世界初「海洋プラスチック問題」専門施設が佐賀県に開業予定
世界的に注目されている「海洋プラスチック問題」。この問題を多くの人に広め解決するために、佐賀県は2026年に専門の施設を開業すると発表しました。「世界海洋プラスチックプランニングセンター(以下愛称、PLA PLA)」と名付けられ、海洋プラスチックごみに対する学びを深め、一人ひとりの行動変容を促す施設です。海洋プラスチックごみの回収や再生だけに留まらず、それらに関する展示や研究、体験なども用意されます。
佐賀県は、同施設を「発信」「教育」「観光」「交流」の拠点とし、建設予定地である唐津玄海地域の地域振興も図るとのこと。同時に、脱炭素社会の実現を目指したいとも考えているそうです。
PLA PLAってどんな施設なの?
ここからは、PLA PLAがどのような施設になる予定なのかを見ていきましょう。
まず施設内にある「体験LAB」では、海洋プラスチックが資源化される過程を見学できます。また同施設では、企業やボランティア、漁業関係者などと連携して海洋プラスチックを回収。それを、民間企業の再生技術によって、それぞれの資源にあった方法でアップサイクルします。その他にも、ビーチクリーンや藻場再生の現場見学、原料化した海洋プラスチックを活用したものづくりワークショップなど、多様なアクティビティを計画しているそうです。
カフェスペースもつくられる予定で、海洋プラスチックをアップサイクルしたインテリアが設置され、地元の素材を用いた飲み物やデザートが提供されるとのこと。環境問題だけでなく、地産地消を意識している点も素敵ですね。同時に地元産品やアップサイクル製品の販売もおこなうので、行かれた際は覗いてみてください。
10月には国際シンポジウム開催も
注目が高まるPLA PLAですが、今年の10月21日には「海洋環境国際シンポジウム みんなの海 国際会議 vol.2」が開催されます。研究者や政府関係者、地元関係者など国内外から200名ほどが集まり、唐津玄海エリアの海洋プラスチック問題の現状や佐賀県の取組を世界に発信。海洋プラスチックのない豊かで美しい海を取り戻すために、PLA PLAの可能性や多様な分野の方々との連携方策を話し合う予定だそうです。ちなみに、前回のシンポジウムには環境省や九州大学、フィリピン大学などが参加しました。
海洋プラスチックごみ問題を自分ゴトとして考えるきっかけに
海洋プラスチックごみ問題に限らず、問題や困りごとが起きている場合、まず大切なのは“詳細を知る”こと。そういった面でも、さまざまな展示や体験を通して学べるPLA PLAは、理想的な場所になるのではないでしょうか。訪れたことをきっかけに、多くの人が問題と向き合い、自分ゴトとして考えるようになることを願いたいですね。
Reference:
世界海洋プラスチックプランニングセンター【愛称:PLA PLA(プラプラ)】|佐賀県
世界海洋プラスチックセンター(仮称)構想|佐賀県
Text:Yuki Tsuruda