
「気になる10代名鑑」の1073人目は、中田裕己さん(17)。日本国内で財政教育を広めることを目的に、学生団体の共同代表として活動しています。活動のきっかけは1本の動画だったと話す中田さんに、当時のエピソードや影響を受けた人物について詳しく伺いました。
中田裕己を知る5つの質問
Q1.プロフィールを教えてください。
「N高等学校政治部に所属しながら、学生団体『財政教育フロンティア』の共同代表として、財政社会保障についての政策提言やイベント運営を行っています。
ぼくたちの団体の理念は、財政や社会保障について将来的な責任を持てる人を増やしていくことです。7月には高校生を対象に、模擬選挙とワークショップを掛け合わせたイベントを企画しました。
イベントでは2040年の日本国民になりきって、現代の日本の財政に対して議論してもらいました。若い世代が将来を見据えた視点を持つきっかけになれたのではないかと思います」
Q2.活動をはじめたきっかけは?
「政治、特に財政に興味を持ったのは、中学3年生の秋です。もともと国際関係や日本社会のような、インパクトの大きい分野に興味があって。そんな中、日本経済の停滞について取り上げられたYouTube動画にすごく惹かれたんです。
動画では、経済を成長させていくために、政治的にどういったアプローチが取れるのかという点も述べられていて。政治は、日本の経済の舵をきる役割を持っていると気づいたんです。そこから、財政の役割やそれが与える影響に関心を持つようになりました」
Q3.活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「いちばん喜びを感じることができたのは、イベント運営ですね。
この前開催したワークショップでは、長期的かつ将来的な視点で日本について考えてもらうことが目的だったので、参加者のひとから、そういった視点を得ることができたとか、楽しかったっていう声を聞くことができたり、財政についてよくわかるイベントだったと言ってもらえて、純粋に嬉しかったです。
決して大規模なイベントではなかったですが、こんなにも労力がかかることなのか……と強く実感しただけに、手ごたえを感じられてよかったです」
Q4.影響を受けた人物は?
「経済学者であり起業家の、成田悠輔さんです。『ReHacQ』というYoutubeチャンネルをきっかけにファンになりました。
その聡明さや人生観に魅力を感じて、著書である『22世紀の民主主義』、『22世紀の資本主義』という本を読んだりもしました。その視点の広さと深さに毎度驚かされるし、彼を通じて新たな分野への興味が湧いたりもするので、影響を受けていると思います」
Q5.将来の展望は?
「活動のビジョンとしては、もっと財政教育の実施件数を増やしていきたいです。いまは、年間に200件ほどしかおこなわれていないのが現状で。いっぽうで、金融教育は10万件以上実施されているんです。なので、双方がコラボするかたちにすれば、さらに教育の機会が広がると考えています。
将来は、大学で財政社会学を研究したいです。活動を通じて、自分の興味関心と得意分野にいちばん沿っている分野だと確信するようになって。大学院進学も視野に入れながら、活動と研究を両立していきたいです」
中田裕己のプロフィール
年齢:17歳
出身地:神奈川県横浜市
所属:N高等学校
趣味:読書、温泉巡り
特技:指パッチン
大切にしている言葉:士は以て弘毅ならざる可からず。任重くして道遠し。仁以て己が任と為す(論語)
中田裕己のSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa