
今回の”Hao in UGANDA”は、普段アフリカでどう移動しているのか紹介します。
アフリカの交通手段と聞いて何を思い浮かべますか?実際にアフリカ11カ国を旅したわたしでもひとつに絞れないくらい交通手段は本当に多様!
都市部では、バス(マタトゥと呼ばれるミニバンが多い)やバイクタクシー、あるいは、お金持ち向けにはタクシーがある国が多いのですが、都市部でなければ、動物が交通手段になっている地域もあります。
たとえば天空の王国と呼ばれる山に囲まれたレソト王国では馬が日常的に交通手段として利用されていて、道路が舗装されていないこともあって、馬で移動する方が便利なようです。
ガンビアではドンキーが交通手段、もしくは荷物を運ぶ手段として利用されていました。ガンビアは人口約270万人の小国で、インフラが整っていない村がたくさんあります。家が密集しておらず村から村への移動は人間の足では遠いにも関わらず、村ではバスなどもほとんど開通していないのでドンキーが利用されていました。
アフリカの交通手段で、最も普及していて庶民向けとも言えるのはマタトゥと呼ばれる乗り合いのミニバンです。わたしが住むウガンダではダウンタウンに巨大なバスターミナルがあり、そこからカンパラ市内や4時間以内で着く距離の街まで行くマタトゥを見つけることができます。カンパラ市内は30円〜100円で移動でき、別の街に行くにも400円ほどです。いわゆる「バス降り場」はないため、降りたいときはドアを叩くなどして降りたい意志を示す必要があります。
しかし、アフリカの国々の都市部に見られる深刻な問題が渋滞です。道路が舗装されていなかったり、信号がなかったり、交通ルールを守るドライバーがほとんどいなかったりすることから毎日酷い渋滞が起きています。
そこで、リスクが伴いますが、最も速く、便利な交通手段がバイクタクシーです。わたしも毎日バイクタクシーを利用しますが、マタトゥやタクシーの1/5ほどの時間で移動することができます。
そこでわたしが気をつけているのが、「Door to door」です。これはアフリカの安全ではない地域でよく耳にするのですが、徒歩は危険だから、出発地点のドアから目的地のドアまで途中で歩くなどせずに移動しなさいという意味合いで使われています。
ウガンダでは「SafeBoda」というバイクタクシーとタクシーの配車サービスのアプリがあり、ドライバーが出発地点まで迎えにきてくれるため、いつも出発地点まで確実に来てもらうようにしています。ただ、このアプリも首都のカンパラを出ると使えなくなってしまうため、他の地域では路上でバイクをつかまえる必要があります。
ちなみに、アフリカではバイクは日本のイメージよりもよりメジャーな交通手段です。そのためか、信じられないほど多くの荷物が積まれているバイクをよく目にします。わたしは、こういった「積まれすぎなバイク」の写真のコレクションを集めていますが、どれだけ積めるかはやる気次第なんです。
しかし、さらに村の方に行くとバイクやタクシーさえも存在しないこともあります。そんなときは、ひたすら歩くしかありません。アフリカの人の言う「徒歩10分で着くよ」はたまに3時間であることもしょっちゅうなので注意です……。
雨の日や仕事のときはバンを利用しています。ウガンダの道路は排水溝がなく、雨の日には皮肉を込めて「プール」と言われているほど、雨水が溜まってしまいます。さらに、道路に大きな穴があったり、雨で泥だらけになっていたり、バイクでは通れない道もあるのです。
バンが泥道にはまってしまうこともよくあるのですが、そんなときには「現地の人の一致団結」を目にすることができます。どんなに田舎であっても、バンやトラックが泥道にはまってしまうとすぐ乗客が降りたり、近くの人が集まったりして泥だらけになりながらもタイヤの下に木を入れるなど、「困ったときはお互い様の精神」が存在することを実感します。
過去には、わたしも泥にバンがはまってから抜け出すまで4時間かかった経験もあります。人が集まって試行錯誤してくれていました。
日本のバスや電車の中は静かにすることがマナーですが、アフリカの交通手段というと本当に賑やかです。ヤギを連れてマタトゥに乗り込む乗客がいたり、母乳をあげているお母さんがいたり、ドライバーの趣味の音楽が大音量で流れていたりと自由そのものです。アフリカの交通手段は現地の人の日常を垣間見える場所であり、訪れた際は試してみてはいかがでしょうか。