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リアルビリギャルから一転。生徒会経験をきっかけに政治を楽しく伝えるために活動中【かわかつ・19歳】

リアルビリギャルから一転。生徒会経験をきっかけに政治を楽しく伝えるために活動中【かわかつ・19歳】

「気になる10代名鑑」の1068人目は、かわかつさん(19)。慶應義塾大学SFCに通いながら、主権者教育やメディアリテラシー教育に取り組んでいます。勉強が大の苦手だった高校時代、生徒会活動をきっかけに政治への価値観を大きく変えた川勝さんに、活動のきっかけや、「面白く伝える」ことへのこだわりなど、根ほり葉ほり聞いてみました。

かわかつを知る5つの質問

 

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

「『主権者教育』と『メディアリテラシー教育』の2つに力を入れています。

主権者教育とは、国や社会の問題を自分ごととして考え、行動する力を育てていくための教育のことです。現在は、若者と政治を繋ぐ学生団体『ミラコエ』にも所属し、実践的な政治教育の場を提供しながら活動を行っています。

たとえば、小学生向けのイベントを開いて、『政策トランプカード』という手作りのカードゲームで遊んだり、縁日やビンゴを組み合わせたりして、楽しみながら政治に触れてもらうための企画を考えました。政治は、お堅くとらえられがちですが、実はもっと面白く知ってもらえると思っています。わたし自身、そういう仕掛けを考えるのが得意で、自分の強みだと思っています。

ほかにも、主権者教育に関わっていく中で、SNSに流れる情報がすごく偏っていると感じるようになりました。だからこそ、ちゃんと情報を見極める力を育てたいと思い、『メディアリテラシー教育』にも取り組むようになっていきました。所属している、学生メディアの一員として、アナウンサーや番組の企画にも挑戦しています」

Q2. 活動を始めるようになったきっかけは?

きっかけは、高校1年生のときに始めた生徒会活動です。高校に入学したころ、勉強がすごく苦手で、バカと言われるのが悔しかったんです。でも、生徒会に飛び込んだことで、自分の中で何かが少しずつ変わっていきました。

活動を続けるなかで、全国の生徒会メンバーが集まる団体『日本中高生協議会』へ参加。はじめて学校以外の世界に触れ、自分が感じている以上にもっと広い世界があって、いろんな考え方があるのかもしれないと思うようになりました。

その中で、ある先輩から『生徒会って何のためにあると思う?』と聞かれたことがあったんです。うまく答えられなかったわたしに、その先輩は『生徒会は、民主主義の縮図なんだよ』と教えてくれました。その出会いがきっかけで、理系の道を歩んでいましたが文転を決意したんです。

そこから、偏差値30台から猛勉強をして、慶應SFCに合格しました。アナウンサーという夢を叶える幅を広げるためにも『どうしても慶應に行きたい』と、1日15時間は勉強していましたね。自分で言うのもなんですけど、リアルビリギャルだと思ってます」

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Q3. 活動の中で悩んだことは?

いちばん悩んだのは、仲間との距離感です。

高校時代に参加していた『日本中高生協議会』では、無償で集まった学生同士だからこそ、意見がぶつかって空気が重くなることもありました。もし、普通に友だちとして出会っていたら、もっと仲良くなれたのかな、と思ったことも。友だちだった関係が、活動の仲間になったとたん、うまくいかなくなってしまうこともあって……。

ほかにも、自分がやりたいことと、団体の方向性にズレを感じると、どうしても気持ちがついていかないときもありました。モヤモヤしながら、『わたしの軸って何だろう』と何度も立ち止まりながら、活動を続けています」

Q4. 印象に残っている出来事は?

「高校生のとき、『日本中高生協議会』で代表を務めていたんですが、卒業のタイミングで運営メンバーの子が泣きながら話してくれたことです。『学校ではずっといじめられていたけど、ここに入って初めて先輩に褒められて、自分が必要とされていると思えた。この団体に入って、人生が変わりました』と。

その言葉に、なんだか胸がいっぱいになり『わたしの運営は、間違ってなかったかもしれない』と、救われた瞬間がありました。

それとは別に、生徒会をやっていたときに、ディベート大会を『きのこたけのこ戦争』って名前で企画して、堅くなりがちなテーマでも、身近に感じてもらうことができたんです。楽しそうに参加してくれる姿を見て、『やっぱりエンタメの力ってすごいな』って思いましたね」

 

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Q5. 将来の展望は?

目指しているのは、面白くて信頼できるニュースを届けられるひとになること。具体的には、アナウンサーや塾講師など、人前に立って物事を伝えていける仕事がしたいです。

SNSやネットには、自分と似た考えの情報ばかりが流れてくる時代で、それがエコーチェンバーにつながって、考え方がどんどん偏っていってしまうことに違和感があります。だからこそ、面白くニュースを届けられる媒体を作りたいと思っています。

若いひとがテレビを見ないのは、単純に面白くないからだと思うんです。だったら、わたしがニュースをもっと面白くして、ちゃんと届く形にしていきたい。『面白い!』って言ってもらえる情報を武器に、政治やメディアの世界で、誰かの笑顔のきっかけを届けられる存在になりたいです」

かわかつのプロフィール

年齢:19歳
出身地:神奈川県横浜市
所属:慶應義塾大学環境情報学部、学生団体ミラコエ
趣味:知恵袋の恋愛・受験相談、消しカスを集めること
特技:プレゼンテーション
大切にしている言葉:信念を持って挑め

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Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano

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Serina Hirano

ライター/ディレクター

ライター兼ディレクターとして、東京と静岡県・東伊豆町の二拠点で活動中。インタビュー記事を中心に、学生、スタートアップ、まちづくりの現場まで、取材・執筆・編集・企画運営まで一気通貫で手がけています。“今”を懸命に生きる若者を応援したいという想いから、2024年より10代のリアルな声を伝えるメディア「Steenz」に参画。

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