Teenage Realities

ティーン流「友だち付き合い」を調査。ちょうどいい距離感を保つためにしていることは?【10代リアルVOICE】

ティーン流「友だち付き合い」を調査。ちょうどいい距離感を保つためにしていることは?【10代リアルVOICE】

タイムリーな話題から、カルチャー、さらには社会問題まで、さまざまなテーマについて、リアルな10代の声を聞くシリーズ10代リアルVOICE

今回のテーマは、「友だちとのちょうどいい距離感」について。親友とは仲がいいけど、気を遣うときもある。グループにいるけど一人でいたいときもある。令和を生きる10代にとって、学校だけでなくやバイト先やSNSなど、さまざまな場で関わる友だちとの“距離感”はとても繊細です。今回は、そんなティーンが人間関係で気をつけていることやその工夫を聞いてみました。

1. 手島遊さん「気持ちを話すことが、距離を縮める第一歩」

舞台美術家になるべく、大学での勉強や実際の舞台づくりに奮闘中の19歳。

「自分の気持ちを誰かに話すことを大切にしています。

人間関係の悩みって、心の中でモヤモヤしていても解決しないことが多いと思うんです。だからこそ、ひとに話すことで、自分と相手の距離感を自然に縮められるきっかけになる気がしています」

名前に負けない「遊び心ある舞台」を作りたい。舞台美術家を目指して奮闘中の美大生【手島遊・19歳】
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https://steenz.jp/42402/

2. 田嶋優太さん「“広く深く”が、僕の人間関係のスタイル」

外国人観光客向けの案内板をよりよいものにしていくための探求をしている17歳。

正直、“距離感”という言葉をあまり意識したことはありませんが、相手が不快に感じないような関わり方は心がけています

実際に、ぼくが人間関係で意識しているのは、“広く深く”。これは誰とでも親友になるということではなく、いろいろなコミュニティに参加しつつ、それぞれで何でも話せる親友をひとりかふたり持つ、という考え方です。

そうすることで、ある場所で起きた出来事や悩みを、まったく別の場所の親友に安心して相談できるんです。抱えている不満がその場に広がるリスクを減らせますし、専門的な話はその場のひとに聞けるので、とてもバランスが取りやすいんです」

外国人には難しすぎる日本の鉄道…街中の英語表記のあり方を模索する高校生【優太・17歳】
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3. 篠原一騎さん「分散して頼ることで、心の安定を保つ」

声にならない声を拾い上げるため、政党へのロビー活動や街頭演説など、幅広く発信活動を続けている17歳。

「悩みや大事なことを相談する相手は、ひとりに絞らずに分散するようにしています。

ぼくは、人と話すことが大好きで、ひとりで何かを抱えるのがとても苦手です。だからこそ、3〜4人くらいのひとと深く関係を持っていようと思っています。

万が一、その中の誰かと関係が途切れてしまっても、他に話せるひとがいれば大丈夫。そんなメンタルのバランスが取れると思っています。ただ、政治のように自分の未来に関わる話題になると、話せる相手は限られてしまいます。だからこそ、もっと多くのひとが政治に関心を持ってくれたら嬉しいなって思っています」

「自己責任」では片付けられないことが誰にでも起こりうる。議会や政党に飛び込んで政策提言する高校生【篠原一騎・17歳】
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4. リニカさん「好きな人には全力で!それ以外は無理しない」

ひとの心を動かすエンターテイナーになりたいと、謎解きの企画や運営に携わっている18歳。

「わたしは、複雑な人間関係がとても苦手で……、なので、なるべく正直に気持ちを伝えるようにしています。

たとえば『大好き!遊びたい!』と思った友だちには、迷わずLINEして誘いますし、『大好きだよ』って素直に伝えます。一方で、あまり関心がないひとに対しては無理に関わろうとせず、自分から話しかけることもありません。苦手だなと感じる相手には、必要な連絡だけして、あとはできるだけ関わらないようにしています。

『ひとにあまり興味がない』を自分のデフォルトにして、好きな人にはちゃんと好きと伝える。そのうえで、苦手なひとに対して悪口を言ったり、無理に関係を続けたりするのではなく、『距離をとる』という選択をしています。

もちろん、正面からぶつかって分かり合えることもあるかもしれないけれど、わたしは、自分を大切にしてくれるひとを、自分も大切にしたいと思っています」

謎解きで「第3の居場所」を提供したい。嫌なことを忘れられる非日常な体験に魅せられて【リニカ・18歳】
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5. 中西眞緒さん「期待しすぎず、違いを受け入れるのがちょうどいい関係」

シンガーソングライターとして、曲づくりやライブ活動を積極的におこなっている19歳。

「まだ20年しか生きていない中で、自分とすべてがぴったり合う“ソウルメイト”に出会える確率は、正直そんなに高くないと思っています。だからこそ、友人関係では、相手に過度な期待をしすぎないことが大切だと感じています。

友だちとは似ている部分もあるけれど、育ってきた環境が違えば、考え方や価値観が異なるのは当然。それを前提に付き合っていれば、もしズレが生じても、冷静に受け止めることができると思うんです。

大学生になると、いつも誰かと一緒にいる必要もなくなるので、ひとりの時間も大切にしながら、それぞれの友だちと“ちょうどいい距離感”で楽しい時間を過ごすようにしています」

「もう少し頑張ってみよう」。背中をそっと押してくれる歌を届ける大学生シンガーソングライター【中西眞緒・19歳】
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6. 相笠美優さん「心に正直でいることが、人間関係でいちばん大切」

子どもたちが生きやすい社会を実現するべく、中高生のための居場所づくりをおこなう団体を設立した19歳。

私はいつも、『自分がどうしたいか』『その友達とどう在りたいか』を大切にしています。たとえ少し気を遣う相手でも、『この子といっしょにいたい』と思えるなら、自然と合わせたくなるし、それが苦になることはありません。

でも、無理をしてまでいっしょにいる必要はないとも思っています。距離感はひとによって違っていていいし、自分の気持ちやそのときの状況によって、変わっていくものだと思うからです。

人間関係でいちばん大事なのは、自分の心に正直でいること。もしその結果、離れていくひとがいたとしても、それはその程度の関係だったと割り切っています。本当に大切にしたいと思えるひとを、自分のペースで大切にしていけたら、それだけで十分だと感じています」

学校も家庭がしんどい子はどうしたらいいの?子どもたちの第三の居場所づくりに奮闘する大学生【相笠美優・19歳】
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7. 東坂明憲さん「“変なひと”って、あえて先に伝えるのが僕のスタイル」

地元である東京都豊島区に魅了されてから、豊島区の魅力発信や調査を行い地域の政治について研究している17歳。

初対面のとき、ぼくは必ず『僕、めっちゃ変なひとだから変だなって思ってみて』『僕、基本怒らないから好き勝手に接してみて。僕を怒らせるのは相当難しいと思うよ』って、ふたつのフレーズを伝えるようにしています。

そうすると相手も『とりあえず変なひとだな』『自分のペースで話してもよさそう』と、自然と肩の力を抜いてくれるんです。

ぼくが大事にしていることは、親友になれるかもしれないという余白を残しておくこと。そうすることで、相手が深く関わるか、ちょうどいい距離でいるかを自分で選べるようになり、不思議と距離が開くこともなくなる気がしています」

温故知新かつ最先端な豊島区にしたい。街を練り歩き、区政研究に取り組む高校生【東坂明憲・17歳】
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「気になる10代名鑑」の1009人目は、東坂明憲とうざかあきのりさん(17)。地元である東京都豊島区に魅了されてから、豊島区の魅力発信や調査を行い地域の政治について研究しています。将来の夢はノーベル賞と国連総事務長だと語 […]
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8.よりさん「無理に関わらず、“いまの自分”を素直に伝える」

大学に通いながら、コワーキングスペース「ThinkCamp」でのインターンや、学生と企業をつなぐ団体「TeenWorker」の運営に携わってる19歳。

自分の調子が悪いときや、機嫌がよくないと感じるときは、あらかじめ友だちに『今日はちょっとしんどいかも』と伝えて、そっとしておいてもらうようにしています。無理に関わってしまって、相手を傷つけてしまうのが一番よくないと思うからです。

逆に、気分がいいときに『楽しいね!』って言い合える関係があれば、それだけで十分。お互い無理せず、自然体でいられる距離感がいちばん心地いいと思っています」

過去を糧に、誰かの支えになれる大人を目指して。教員になる夢を抱き、活動する大学生【より・19歳】
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「気になる10代名鑑」の1016人目は、よりさん(19)。大学に通いながら、コワーキングスペース「ThinkCamp」でのインターンや、学生と企業をつなぐ団体「TeenWorker」の運営に携わっています。将来は悩める生 […]
https://steenz.jp/43813/

それぞれ違った距離感の取り方がありましたね。相手との関係を大切にしながら、自分の心にも正直でいる。その両方のちょうどいいバランスを上手に模索している最中なのでしょう。これからも「10代リアルVOICE」では、リアルな視点と本音を届けていきます!

Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano

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Serina Hirano

ライター/ディレクター

ライター兼ディレクターとして、東京と静岡県・東伊豆町の二拠点で活動中。インタビュー記事を中心に、学生、スタートアップ、まちづくりの現場まで、取材・執筆・編集・企画運営まで一気通貫で手がけています。“今”を懸命に生きる若者を応援したいという想いから、2024年より10代のリアルな声を伝えるメディア「Steenz」に参画。

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