
「気になる10代名鑑」の1027人目は、荒井あずささん(17)。体のパーツを誇張したビビットなデザイン画を描いています。3月に開催予定の個展に向けて準備を進めるあずささんに、実現したいビジョンや将来の展望を聞いてみました。
荒井あずさを知る5つの質問
Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?
「デザイン画の作成に力を入れています。
こだわりは、筆と絵具を使って大きなキャンバスに描くこと。そうすることで、筆のリアルな走り、絵の具の自然な動きを残すことができるんです。わたし自身、絵具の凹凸を横から眺めたり筆の動きを感じたりすることで、アナログな絵から作者の気持ちや意図が伝わってくるところに魅力を感じています。
最近は、ひとをモチーフに体のパーツを誇張させて、ビビットな色で描くことにハマっています。
『足がここまで長かったら面白いかな』と考えたり、肌の色を紫や緑を使って描いたりするんですが、意外と人間だって分かってもらえるし、本物と絵の差異が面白いなと思っています。『リアルにこんな色のひとはいないよ』とか言われることもありますが、白とか黒とか肌の違いの概念は一旦置いておいて、純粋に違和感から生まれる面白さを表現したいなと思っています」
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Q2. どんなことをテーマに活動をおこなっていますか?
「実は、あえてテーマを作らないようにしていて。『作品に意味を持たせない』『描いているうちにああしたい、こうしたいと感じたものをそのまま形に残す』ことを意識しています。
以前はテーマを設定して描いていた時期もありましたが、テーマを設けるとそれが見るひとに伝わった途端、作品をそれ以上見てもらえなくなってしまうんです。
意味が限定的な文字と違って、時代によって絵の捉え方が変わったりひとそれぞれ受け取る意味の幅が広がったりすることが絵の本質なんじゃないかなと思っています」
Q3. 活動を始めたきっかけは?
「きっかけは、父の存在です。父も自分で絵を描いたりデザイン系の仕事をしていたりしていたので、デザイン画は昔から身近にありましたね。
幼い頃から絵を描くことが好きだったわたしに絵を描く環境を与えてくれたり、いまでもアドバイスや評価をしてくれたり…。インスタグラムで作品を発信しているのも父のアイデアなんです。
挑戦の後押しをしてくれている父は、絵を描くうえでの支えでもあり、よきライバルでもあります。」
Q4. 活動を通して、実現したいビジョンは?
「『絵を描くこと』は『上手い絵を描く』『何か意味を持たせなければいけない』って考えるひとがたくさんいるかもしれないけれど、自分らしい絵を描くことを大事にする社会になってほしいです。
わたし自身、写実的な絵やイラスト風の描き方などをいくつか経験していまのスタイルに辿りつきました。上手なデッサンや模写って頑張れば誰でも描けてしまうかもしれないけれど、自分らしい絵は自分にしか描けないと思うんです。
だから、上手くなくても諦める必要はないんだよって、伝えたいですね」
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Q5. 将来の展望は?
「いつか自分の会社を立ち上げて、デザイナーになりたいと思っています。
絵というものの原点に戻りつつ、文字や直接的な情報に頼らず絵だけで表現することを目指して、作品づくりを続けていきたいですね。
2026年3月上旬に鎌倉で個展を開催することが決定していて、いまはそれに向けて普段の学校生活の合間を見つけながら準備を進めています。個展や今後の活動を通して、より多くのひとに絵のよさを伝えていきたいです」
荒井あずさのプロフィール
年齢:17歳
出身地:東京都
趣味:デザイン、ピアノ
特技:デザイン
大切にしている言葉:「失ったものを数えるな、残されたものを最大限にいかせ」(中村 裕)
荒井あずさのSNS
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Photo:Nanako Araie
Text:Haru Ninagawa