Teen's Snapshots

「できるようになりたい」が道を拓く。海外で物理を学びながら、かつての自分と同じ”留学生”と伴走する大学生【近藤典雅・19歳】

「できるようになりたい」が道を拓く。海外で物理を学びながら、かつての自分と同じ”留学生”と伴走する大学生【近藤典雅・19歳】

「気になる10代名鑑」の1029人目は、近藤典雅みちまささん(19)。オーストラリアの大学で物理学の基礎を学びながら、中高生の進路サポート活動にも力を入れています。中学2年生で経験したスピーチコンテストをきっかけに英語学習にのめりこんだという近藤さんに、大変だったことや、今後の展望について詳しく聞いてみました。

近藤典雅を知る5つの質問

Q1. プロフィールを教えてください。

オーストラリアの大学に海外受験して、昔から好きだった物理の勉強をしています。いまは、研究に入る前の基礎を勉強中です。

最近『52Hz』っていう団体の一員として中高生の進路をサポートする活動をはじめました。“メイト”っていう立場で海外の大学への進学を考えている子たちに、自分の経験を話したり、いっしょにディスカッションをしたりと、探求活動のお手伝いをしています。

僕自身海外大学を受験したときに、周りには同じような同級生がいなくて。情報を集めたり、モチベーションを保ったりするのにすごく苦労しました。だからこそ、コミュニティの存在を知ってから、『いつかここで活動したいな』ってずっと思っていたんです。

ただ、先輩として手取り足取り教えるのではなく、伴走して自分も新しい発見をするというコンセプトなので、生徒との距離感はなかなか難しくて。日々コミュニケーションを取りながらつかもうと頑張っています。」

Q2. 活動を始めたきっかけはなんですか?

中学2年生のころ、学校の語学研修でカナダにホームステイをしました。英語は全然話せないながらも、自力でなんとかすることに、旅行とは全然違った楽しさがあって。海外で学ぶってアリかもな、と思うきっかけになりました。

それから、英語のスピーチコンテストにも出場したことも大きなきっかけになって。もともと引っ込み思案だったんですが、英語の先生が背中を押してくれて、出場することになりました。

最初は優勝できなかったんですが、高校2年生のとき猛特訓をして再チャレンジをしたところ、なんと優勝できたんです。能動的になって努力した結果、それが実った。この経験があって、人前に出ることも怖くなくなったんです」

Q3. 活動の中で、悩みがあれば教えてください。

言語の壁には苦労しましたし、専門の勉強が始まる前にもっと勉強しなきゃなと思っています。

ぼくはもともと海外にルーツがあるわけではないので、大学生活の始めたての頃が一番きつかったです。

英語の試験で点数が高くても、実際に英語をマスターしたわけじゃないんだなって痛感しました。例えば、世界中のいろいろな国から来た留学生がたくさんいるので、みんなそれぞれアクセントが全然違くて。『もう一回言ってくれる?』って、3回も4回も聞き返すこともざらで、ストレスに感じることもありました。

でも、ありがたいことに同じ留学生の仲間たちで怒ったりするひとはいなくて、みんな『大丈夫だよ』って優しくもう一度言ってくれました。

大変だったけど、そうやって乗り越えてきたことで、少しずつですが英語も生活も慣れてきました」

Q4. 活動するうえで、大切にしていることは?

できないことがあればとことん分析して次に活かす、という負けず嫌いな性格は、いつでもどこでも活きていると思います。

はじめてのスピーチコンテストでは優勝できず、『なんでこんなに勇気を出して頑張ったのに負けたんだろう……』と強い悔しさが残って。でもその悔しさから『次こそは絶対にリベンジしてやる!』と心に決めて、英語の勉強にいっそう熱が入るようになったんです

高校では物理部にも入っていたのですが、隣の生物部が珍しい生物を連れてくるといつも盛り上がっていて(笑)。僕はそれがすごく悔しかったので、僕が副部長になった文化祭では、『物理も楽しいんだよ!』と伝えたくて、イベントを考えたのも思い出です。

『もっと知りたい』『もっとできるようになりたい』っていう気持ちは、ぼくの原動力になっていると思います」

Q5. 今後の展望は?

いまの10代が、心から興味を持って、ワクワクすることをとことん追求できる社会になってほしい。

ひとつの体験をとっても、楽しかっただけで終わらないで、『これってどういう仕組みなんだろう?』『なんで自分はこれを楽しいって思うんだろう?』と問いを立てて、その答えがないものを自分なりに探求していく。そんなきっかけを、52Hzの一員として、届けたいです。

自分のテーマとしては、リニアモーターカーにも使われている、電気抵抗がゼロになる現象の『超伝導』に興味があり、研究を深めていきたいと思っています。社会でどう活用していくかも含めて、ワクワクを大事にこれからも学び続けたいです!」

近藤典雅のプロフィール

年齢:19歳
出身:東京都大田区
所属:Monash University,52Hz, ADvance Lab
趣味:夜の散歩
特技:とにかく挑戦しようと思う気持ちを持っていること
大切にしている言葉:「現状に満足しない」

近藤典雅のSNS

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Photo:Nanako Araie
Text:Chihiro Bandome

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Chihiro Bandome

ライター

2003年生まれ、埼玉県出身。上智大学文学部新聞学科在学。自分の目で現場を見て、自分の言葉で人と話して、世界を知っていきたい。大学では、主にニュース記事の執筆を学んでいる。2023年より、ライターとして「気になる10代名鑑」のコンテンツ制作を担当。

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