Steenz Breaking News

開幕から1カ月!大阪・関西万博で必見のサステナブルな展示をご紹介【Steenz Breaking News】

開幕から1カ月!大阪・関西万博で必見のサステナブルな展示をご紹介【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、現在開催中の『EXPO2025 大阪・関西万博』でおこなわれているサステナブルな展示についてご紹介します。

開幕から1か月。大阪・関西万博にはもう行った?

2025年4月13日(日)から始まった『EXPO2025 大阪・関西万博』。関連ニュースが毎日のように報じられ、公式キャラクター「ミャクミャク」もすっかりお馴染みのものになりました。

なかなか出かけられない国のパビリオンに訪れ、食事を含めた現地の様子を垣間見られるのが万博の魅力のひとつ。ですが、実は今回、「いのち輝く未来社会のデザイン」が開催テーマに掲げられているのをご存知でしょうか。ひとりひとりの人が自らの望む生き方を考え、その可能性を最大限に発揮できるようにしながらも、持続可能な社会を国際社会とともにつくっていく。そんな決意が込められたテーマです。

そのため、今回の万博では、「サステナブル」に関連した展示も多くなっています。そこで本稿では、各企業が取り組むサステナブルな展示についてご紹介したいと思います。

CO2を食べる微生物が作り出す、循環する新素材「Green Planet」

「いのちと、いのちの、あいだに」をテーマとした日本館。株式会社カネカによって、「カネカ生分解性バイオポリマー Green PlanetⓇ(以下、Green Planet)」を扱った展示がなされています。

Green Planetはなんと、CO2を食べる微生物「水素酸化細菌」が作り出す新素材。環境負荷が低い素材として、すでにカトラリーやストロー、歯ブラシなどで製品化が進んでいます。

日本館では、このGreen Planetの製品化と、製品使用後の微生物による分解までのストーリーを伝えるべく、展示が構成されているそう。ボンベに詰められたCO2を原料にGreen Planet製の器がつくられるイメージや、Green Planet製の器そのもの、器が微生物によって分解され、CO2と水に戻っていく様子を示した水槽などが置かれています。

6月中旬までに日本館を訪れると、1日1,200名限定で「Green Planet製クリアファイル」が来場者に進呈されるようです。ぜひ受け取って、その手触りを確かめてくださいね。

ホタテ製の“映える”ベンチも!

「フューチャーライフビレッジ」エリアには、ホタテ型のベンチが展示されています。「HOTABENCH(ホタベンチ)」と名づけられたこのベンチ。なんとホタテの貝殻を再利用して作られたものなんです。

以前、Steenz Breaking Newsで、砂の代替素材としてホタテの貝殻の利用を進めているTBWA HAKUHODOをご紹介しましたが、この「HOTABENCH」もTBWA HAKUHODOなどからなるチームが製作に携わっています。

1つのベンチで約1,000枚もの廃棄貝殻をリサイクル。また、3Dプリントによって型枠が不要となるため、CO2削減にも貢献しているのだそうです。

今回は北海道猿払村、内浦湾と青森県の陸奥湾のホタテの貝殻が使われています。それぞれの地域でホタテの種類や育成方法が違い、貝殻の特性も異なるため、完成するまでに試行錯誤を重ねたのだとか。万博では、このベンチに座って、北の海に思いを馳せてみるのも良いかもしれません。

未来の回転ずしってどんな感じ?

「静けさの森ゾーン」に開店しているのは、「スシロー未来型万博店」。あの回転寿司チェーンの「スシロー」が出展しているブースです。こちらの店舗では、万博限定の「あしたのサカナ」シリーズが提供されています。

日本をはじめ世界の多くの国では、海の水産物はこれまで、天然のものを獲ることが中心でした。そのために昨今、海洋資源の量が減ってきており、国際会議などで漁獲量を調整するなどさまざまな取り組みが進められている現状があります。そうした中、漁獲量の調整よりも海産物の持続可能な利用がしやすいのが「養殖」という方法です。

「あしたのサカナ」シリーズでは、そうした海洋資源の背景を踏まえ、養殖100%の水産物を使ったおすし(*1)を提供しています。磯焼け地域に生息する痩せたウニを買い取り、陸上で育て直した「陸上育ちの磯まもりウニ包み」や、地下海水を使用し養殖した「陸上育ちの〆サバ」など、環境や天然資源への配慮がなされた9品が並びます。

(*1):のりやわかめなどの無給餌養殖、稚貝をまいて自然環境で生育した水産物を含みます。調味料などに使用される原材料は含みません。

吉野杉を使った内装が施された店内で、おすしの未来を考えてみてくださいね。

未来の社会を考えながら大阪・関西万博を歩いてみよう

今回の大阪・関西万博では、本稿で紹介した以外にも、未来の社会で使われているであろうさまざまな先端技術やサステナブルな技術が詰まった展示がおこなわれています。「未来」といっても、社会実装されるまでにあと一歩の技術が多いようです。そうした技術に思いを馳せつつ、「未来の社会はどんなものなんだろう?」と考えながら会場を歩いてみると、万博をまた違った角度から楽しめるかもしれません。

Image: 2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)

Text:Itsuki Tanaka

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Itsuki Tanaka

ライター

フリーランスのライター。食、農、環境領域 /博物館好き/コーヒー、アイス、チョコも好き。

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