
若手俳優の発掘・育成プロジェクト『私の卒業』。誰もが経験する「卒業」をテーマに、仲間との別れ、未来への希望を胸に抱くドラマを、オリジナルの映画として制作してきました。
その第6期となる『80年後のあなたへ』が公開。今回も、1300名以上の応募者の中から選ばれたキャストに、『Steenz』が単独インタビューを実施。第3弾は、千葉青八さんをフィーチャーします。
今作『80年後のあなたへ』で、生徒会の一員で、明るくムードメーカーな男子高校生の平塚武役を演じた千葉青八さん。今回がはじめての映画出演だという千葉さんに、プロジェクトと通じての思い出や今作にかける想い、今後のキャリアについて詳しく伺いました。
ワークショップでの試行錯誤が、撮影に活きた
―さっそくですが、オーディションに受かったときの気持ちを聞かせてください。
「もう本当に嬉しかったです……すごく当たり前のことを言ってしまった(笑)。
でも、本当にそれに尽きます。『私の卒業』プロジェクトが6回目というのもあり、毎年応募するひとが増えていって。今回が最大の応募者数だったので、審査が何回もあったんです。通っていくたびに、どんどんドキドキしてきて。
最終的な合否は、プロデューサーの高石さんから口頭で発表されました。嬉しい気持ちを爆発させないように堪えながら、噛み締めましたね。同時に、これから頑張ろうとも強く思いました」
―本作のテーマ『戦後80年』には、どんなメッセージを感じましたか?
「はじめて脚本を読んだときは、ぼくの身近に戦争を経験しているひとがいなかったので、ちょっと遠く感じてしまうような気もしました。でも、撮影を通じて資料館や名古屋大空襲に関わる施設を訪れて、普通に生きられることはすごく幸せなことだなって思ったんです。
ご飯を食べるとか家族と過ごすとか、そういうこともいまの平和な世の中だからこそ当たり前のことなんですけど、それが当たり前じゃなかった時代があって、これから先もどうなっていくかわからない。だからこそ、いま生きてる時間をすごい大切にしてほしいというメッセージを感じました」
―役を演じるときに、キャラクターに入り込むために心がけたところはありますか?
「武は、明るさがある反面、真面目な部分もあって。大前提として、謙太郎とすごく仲がいいので、メインキャラクターのひとりである彼の背中をそっと押してあげられるような役でありたいなっていうのはずっと考えていましたね。
生徒会室のシーンではちょっとふざけているけれど、例えば、ポーツマス条約の締結されたテーブルを見ているときのセリフでは、彼の誠実さが伝わるように意識して切り替えていました」
―謙太郎との関係性を重視されていたんですね。
「そうですね。謙太郎役の(中川)翼との距離感がすごく大切だなって思って。ワークショップまでの間も会ってはいたんですけど、そこまで関係性が深くはなかったので、そこから撮影期間までに、プライベートからもっと近づく必要があると感じました。一緒の場所に泊まっていたので、毎晩現場の話とか今日起きた出来事を些細なことでも話し合って。気づいたら、距離感がきゅって縮まっていました。
もともとは僕も、謙太郎役を志望していたんです。結果的に選ばれはしなかったけれど、ワークショップで必死に謙太郎について理解しようとした経験があったので、近い関係性である武を演じるうえでプラスになったと思います」
―ワークショップを通じて、得たものはありますか?
「本当にいろいろと学ばせてもらったんですけれど、一番学んだことは、俳優が現場でどうあるべきかという姿勢だと思います。
はじめは、ちゃんと役をいただけた映画撮影も初めてということもあって、現場でどういう立ち位置でいればいいのかがわからなかったんです。でも、『私の卒業』プロジェクトでは、裏方の仕事を見たり、実際に現場のレールを組ませてもらったりもできて。自分以外のキャストの撮影シーンに行って、その場の全員が本気で取り組んでる現場を見ると、自分たちがカメラの前で演じる裏にこれだけ多くのひとが関わっているんだと、ひしひしと実感しました。
高石さんから『自分もスタッフの一部だと思いなさい』と言われたことが、心の中に強く残っています。表に出るのは俳優の仕事だけど、その裏にはたくさんの支えてくれてる方がいて、その人たちと一緒に映画を作っているっていう自覚がないと作品が成り立たない。だからこそ、最大限のパフォーマンスを出すのが礼儀だし、当たり前のことにしなくちゃいけないということを、これから先も絶対に忘れないようにしようと思いました」
幅広い役柄を演じていきたい
―ここからは、千葉さんご自身のお話を聞かせてください。この世界に入ったきっかけは?
「大学進学のために上京してきて、そのときにスカウトしていただいたのがきっかけです。
子どもがすごく好きで、将来的には児童相談所とかで働きたいと考えて上京してきて。俳優っていう職業は、ちゃんと着実に頑張っていけば、他の人生では出会えなかった、より多くの人に影響を与えられるのかなって思ったんです。人生1回だからやってみようという気持ちではじめました」
―どうして、このプロジェクトに応募されたんですか?
「社会福祉を勉強していたのもあって、地方創生とか、社会問題について取り扱っているところに惹かれました。なおかつ高校生の物語であるっていうのにもすごく興味が湧いて。
あとは、俳優として学びを得たいなという気持ちと、この映画に出たい!
―今後の目標を教えてください。
「僕は本当にここからがスタートだと思うので、まずはちゃんと次のお芝居の仕事を決めたいですね。将来的には、大河ドラマに出ることが憧れです。あとは、学園ものとかもやってみたい。
明るいのが元の性格なんですけど、本来の自分とはちょっと違うような、シリアスな役もやってみたいです。これからもっと、役幅を広げていきたいと思っています!」
―ありがとうございました!
私の卒業-第6期-『80年後のあなたへ』概要
■公開日
2025年5月16日(金)全国ロードショー
■あらすじ
平和の日が制定できたが、果たしてこれで終わりで良いのだろうか? と考えを巡らせる生徒会長の女の子。
その彼女に想いを抱き、代々続く有松絞りの実家の跡を継ぐ決意をした男の子。
戦争時は疎開先として、戦争の被害にあっていない街、犬山市。
その犬山市に住み、訳あって心を閉ざしている女の子と、矢場とんが大好きな陽気な元野球部員との恋物語。お婆ちゃんからもらった大切なメガネをかけた女の子が、イメチェンをはかる成長物語。
夢を語れずにラジオ局でアルバイトしている大学生の女の子とディレクターの恋。
そんな7人の人物を軸に、戦後80年という節目に、この先の未来に残したいものは何か、という問いに向き合っていき、それぞれが一歩前に踏み出していく青春群像劇。
■予告編
■作品情報
私の卒業 -第6期- 『80年後のあなたへ 』
【私の卒業プロジェクト第6期 出演者】
渡邉このみ 中川翼 向井怜衣 岩崎碧 滝口芽里衣 皆瀬翔 村上なずな 寺島季咲 沢田京海 平田風果 千葉青八 鈴木夢 國分瑠真 瀧澤僚太 櫻井亜蓮 内山優花 野崎珠愛 Hitomi 山本藍 平川丈 川口飛雄我 斎藤さらら 松岡拳紀介
脚本・プロデュース:髙石明彦 音楽:平野真奈
監督:北川瞳 プロデューサー:宮﨑和明
主題歌:乃紫 「透明の楽譜」 (MR8/MIJ Quality Records)
製作:深川辰巳 浦出高史 飯田義典 服部徹
撮影:小野貴宏 映像:佐藤隆彦 照明:後藤史兆 録音:金子徹 美術:小林大輔 編集:伊豆光沙 選曲:泉清二
スタイリスト:上田摩耶 ヘアメイク:駒水友紀 磯﨑智香 音響効果:荒川翔太郎 制作担当:松橋典生
協賛:矢場とん コロナワールド 菅公学生服
企画・制作・配給:THE ICON ◎私の卒業第6期製作委員会2025
公式ホームページ https://watasotsu.com/
公式X https://x.com/sotsupro
公式Instagram https://www.instagram.com/sotsupro/
公式TikTok https://www.tiktok.com/@watasotsu
千葉青八のプロフィール
名前:ちばあおや
年齢:21歳
誕生日:2003年12月3日
出身地:東京都
特技:大食い、陸上(長距離)
Photo:Kaori Someya
Text:Yuzuki Nishikawa