
こんにちは、小春です。「書評アイドル」として執筆活動しながら、モデルなど幅広く活動している20歳です。
「感情と風景が交差するところ」をコンセプトに、新しい本との出会いをみなさんに届ける書評フォトエッセイ連載企画 “Steenzブックレビュー『本と私と。』” 第3弾の今回は「新学期のキャラ、どうしよう?」って考えている人におすすめの1冊『マウス』です。
今回も、私と同じく以前10代名鑑に出演されていた写真家の村山莉里子さんに同じテーマで撮影をいただいています!
新学期のキャラ、何が正解?
新学期が始まると、わたしはいつも自分を作って挑んでいる。みんなはどうだろう?例えば、わたしの場合、本の中の憧れの女の子を真似る。自分を作ると、自分に少し自信を持てるようになるし、人から嫌われない自分を作ることができる。わたしの武装だ。でも家に帰った途端に疲れるし、すぐに元通り。浮いていてもありのままで受け入れられている子だっている。何が正解なんだろう?
自分を守るために自分を作ること
今回の物語は、自分を守るために自分を作る女の子たちのお話だ。舞台は小学5年生の新学期。主人公の律は、周りから嫌われないように家でもクラスでも真面目で大人しい「いい子」でいる。対して、同じクラスの瀬里奈は、周りの目を気にせずに、自分の世界に閉じこもっているタイプ。彼女は本の登場人物を憑依させることでクラスに馴染んでいる。2人のキャラは集団で生きやすくいるために必要な手段だったんだと思う。わたしはどちらにも共感した。
わたしは、小学生のころ「変な子」って言われてクラスで浮いていた時期があった。だから、律のように真面目で良い子でいるように心掛けたし、メンタルが弱かったから瀬里奈のように本の中の人物を真似ることで少しでも強くなろうとした。大学生になった今は、無理をしなくなったけど小中学生のころは特に気にかけていた気がする。
周りを気にせず生きられたらいいのにね
大学生になっても、律は好みより“防衛本能”でファッションやメイクを楽しんでいた。しかし、再会を果たした瀬里奈が素の自分を他人に受け入れられている姿を見て、律は自分がつまらなくて臆病な人間だと突きつけられる思いをする。
律は、そんな臆病な自分から抜け出そうと決意し、似合わないと思って諦めていた好きなブランドの服を着て大学に行くことに。そして、偶然にも同じブランドが好きな新しい友達と出会うことができた。瀬里奈とも、互いに素の自分でいられる友達として関係を再構築できた。つまらなくても、変わり者の自分でも、周りの目を気にせずに生きられたらどれだけ楽だろうか。私も今月から新学期。最近はちょっとメイクを変えてみた。まだまだ学校と素の自分とのギャップで疲れるときもあるけど、一歩ずつだよね。
今回紹介した本
『マウス』/村田 沙耶香 著/講談社