
今後の活躍が期待される、若手俳優/女優を発掘・育成する「私の卒業」プロジェクト。本日、5月16日に全国の劇場で公開となった今作『80年後のあなたへ』のメインキャストをつかみ取った7名に「Steenz」では座談会形式のインタビューを実施。前回に引き続き、クランクアップ直前のタイミングで山川ひまり役・渡邉このみさん、中濱謙太郎役・中川翼さん、富田依子役・向井怜衣さん、戸村隆彦役・岩崎碧さん、前島優里役・滝口芽里衣さん、高橋芳人役・皆瀬翔さん、山中あゆみ役・村上なずなさんに作品のことやお芝居に対する熱い想いまで、和気あいあいとお話していただきました。後編の今回は、メイキングの写真とともにその様子をお届けします!
―撮影までの準備期間も含めると、皆さんで過ごす時間も多かったですよね。お互いに刺激を受けることも多かった?
渡邉:わたしが演じるひまりと、翼くんが演じる謙太郎は、お互いに想い合っている設定なんです。でも、翼くんとプライベートで会話できる機会が全然なくて。わたしは今まで、演じるうえで、相手の役者の方とのコミュニケーションを大事にしていたタイプなんですけど……。
中川:ぼくはどちらかというとコミュニケーションを取るのが苦手なタイプで。
渡邉:でも、それが逆に良かったの。役では近い間柄だけど、実際にはコミュニケーションが取れない。そうなったら、演技のテクニックを磨いて表現していくしかないじゃん。わたしは、技術重視のお芝居が今まで苦手だったからかえって成長につながった。
皆瀬:この2人は芝居に対する考え方が真逆なんですよ。
渡邉:そうなんです。わたしは役に対して、イメージを膨らませて、自分の感情で演じるタイプ。でも、彼は監督が求めるポイントに正しく照準を合わせて演じられる人だなって。
中川:北川監督や、プロデューサーの高石さんが「私の卒業」って作品を主導していくうえでは、日本の高校生らしい恋愛模様を表現するべきだと思ったから。奥ゆかしさというか。
渡邉:好きな人とのすれ違いざまにキュンキュンする、とかが全然分からなくて(笑)。だからこそ、技術で魅せるってことを学べたな。
中川:でも、ぼく自身も演技をするうえで「ちょっと理屈的になりすぎていたかも」と気づかされることもあった。演じることの楽しみ方を、それぞれが別の角度でちゃんと見つけているのが素敵だよね。
―撮影期間中の印象的な出来事やエピソードはありますか?
中川:いちばん驚いたのは、みんな、自分が撮休の日も積極的に現場に行っていたこと。モニター越しに仲間の芝居を見て「ここってこれでいいの?」とか、「この演技はさすがに負けたわ」とか。意見し合ってたよね。これって普段の現場ではないことで。貴彦のシーンの撮影には依子(向井)が見学に行っていたよね。裏で応援しているのを見て、現実でもいい関係が築けているんだって、ほっこりした。
向井:わたしと碧くんは一緒のシーンが多かったので。わりとちゃんとコミュニケーションをとってたんです。というのも、依子にとって貴彦は特別な存在だから。プライベートでも仲良くなることで、完成するお芝居もあるんじゃないかなと思って。
岩崎:役が決まってから、ふたりの壁をなくそうとたくさん話したんです。
向井:そうそう。なるべくふたりの時間を増やして、お仕事のこととか、プライベートのことも沢山語った。
岩崎:ぼくがお芝居にぶつかった時があったのですが、その時も支えてもらって。いい関係が築けたと思うので、2人のシーンにも注目してもらえたら嬉しいですね。
―ちなみに、今作の舞台となった名古屋はどんな街でした?
村上:名古屋の伝統工芸品、有松絞りの体験をさせていただいたんです。その工房の先生がすごく口が達者な方で(笑)。時代背景まで詳しく教えてくれたよね。
皆瀬:あの先生めちゃくちゃ面白かったね。あれだけ熱意を持って、地のものを広めようとしてるのがカッコよかったな〜。
滝口:でも、街を歩いた感覚は東京に近いよね。
岩崎:近い! 道路も広いし。そして、街の人はとても温かい。ぼく、地元にいるときからの癖で、すれ違った人に挨拶するんだけど、名古屋の人は返してくれるんですよね!
皆瀬:すごいね(笑)。
向井:わたしは犬山駅で撮影したんだけど。駅員さんが撮影のために電車を止めたり、ドアの開け閉めのタイミングを調節してくれて。すごく協力的で、温かかったな。
―では、最後に作品にどんな想いを込めましたか?
渡邉:この作品が持つ「わたしたちは戦争は経験していない。けど、未来の平和のために、自分たちにもできることがあるよね」というメッセージを伝えるために、精一杯演じました。学生らしい、軽やかなタッチで描かれているので、とくに学生の方には楽しんで見ていただけると思います。
村上:わたしは、一歩前に踏み出すことを迷ってる人に見て欲しいと思っています。わたしが演じた山中あゆみも悩み抱えつつ、なかなか一歩前に進めない役柄。そんなあゆみの作中での変化を自分に重ねて、頑張ってみようって思ってもらえたら嬉しいです。
岩崎:ぼくは何ごとも諦めないで、まっすぐ生きている戸村隆彦という役を通じて、つまずいても転んでも立ち上がって、立ち向かう事が大事だということを改めて感じました。作品を通して、目の前の困難な状況に立ち向かっている方に少しでも勇気を与えられたら嬉しいです。
中川:ぼくの役どころは、恋愛のシーンも多かったから、観てくれる人がドキドキしてくれたら嬉しいです。それに、今回の作品は、戦争や過去の出来事との向き合い方を改めて考えてもらえるような作品になっていると思います。人によっては、目を背けたい人もいるだろうし、真剣に向き合う人もいると思います。
向井:わたしが演じる依子は、過去の辛い経験から心を閉ざしてしまう役柄です。だから、撮影中は、役作りのために、ひとりでいることが多くて。撮影中、クラスのみんなが楽しそうにしてるのを見て、すごく羨ましくて。きっと依子もこんな気持ちなんだろうなって、身に染みて感じたんです。依子みたいに、実は明るく楽しみたいのに、辛い経験が原因で心を閉ざしちゃってる子が現実にも沢山いると思います。そんな子たちにこの作品を見てほしいなと思います。
滝口:わたしは年齢とか関係なくいろんな世代の方に見て欲しいなって思っています。戦争というテーマが軸にはなっているけど、それぞれのキャラクターにストーリーがあるし、恋愛もあるので。特にわたしたちのような若い世代は、戦争のことはなかなか知る機会も少ないと思うので、恋愛の要素を楽しみながら、戦争のこと、それに、名古屋の良さも伝わったらいいなと思ってます。
皆瀬:ぼくが演じた芳人も、実際のぼくも、親の反対を押し切って、今の仕事を選んでいるんですよ。だから、そういう、人生の分岐点に立っている人たちの、選択するひとつのきっかけになってほしいなって思います。それに、高校生の恋愛はぼくも見ててキュンキュンします。好きなことや人に対して素直に『好き』と言える純粋さを、この作品を通じて見てもらいたいです!
私の卒業 -第6期-『80年後のあなたへ』概要
■公開日
2025年5月16日(金)全国ロードショー
■あらすじ
平和の日が制定できたが、果たしてこれで終わりで良いのだろうか? と考えを巡らせる生徒会長の女の子。
その彼女に想いを抱き、代々続く有松絞りの実家の跡を継ぐ決意をした男の子。
戦争時は疎開先として、戦争の被害にあっていない街、犬山市。
その犬山市に住み、訳あって心を閉ざしている女の子と、矢場とんが大好きな陽気な元野球部員との恋物語。お婆ちゃんからもらった大切なメガネをかけた女の子が、イメチェンをはかる成長物語。
夢を語れずにラジオ局でアルバイトしている大学生の女の子とディレクターの恋。
そんな7人の人物を軸に、戦後80年という節目に、この先の未来に残したいものは何か、という問いに向き合っていき、それぞれが一歩前に踏み出していく青春群像劇。
■予告編
■作品情報
私の卒業 -第6期- 『80年後のあなたへ 』
【私の卒業プロジェクト第6期 出演者】
渡邉このみ 中川翼 向井怜衣 岩崎碧 滝口芽里衣 皆瀬翔 村上なずな 寺島季咲 沢田京海 平田風果 千葉青八 鈴木夢 國分瑠真 瀧澤僚太 櫻井亜蓮 内山優花 野崎珠愛 Hitomi 山本藍 平川丈 川口飛雄我 斎藤さらら 松岡拳紀介
脚本・プロデュース:髙石明彦 音楽:平野真奈
監督:北川瞳 プロデューサー:宮﨑和明
主題歌:乃紫 「透明の楽譜」 (MR8/MIJ Quality Records)
製作:深川辰巳 浦出高史 飯田義典 服部徹
撮影:小野貴宏 映像:佐藤隆彦 照明:後藤史兆 録音:金子徹 美術:小林大輔 編集:伊豆光沙 選曲:泉清二
スタイリスト:上田摩耶 ヘアメイク:駒水友紀 磯﨑智香 音響効果:荒川翔太郎 制作担当:松橋典生
協賛:矢場とん コロナワールド 菅公学生服
企画・制作・配給:THE ICON ◎私の卒業第6期製作委員会2025
公式ホームページ https://watasotsu.com/
公式X https://x.com/sotsupro
公式Instagram https://www.instagram.com/sotsupro/
公式TikTok https://www.tiktok.com/@watasotsu
Edit:Keisuke Watanabe