
「気になる10代名鑑」の946人目は、佐藤愛奈さん(19)。大学内のコミュニティで、ファッションをテーマにさまざまなイベントに携わっています。組織運営者と制作者という2つの顔を持つ佐藤さんに、活動をはじめたきっかけやその原動力について詳しく伺いました。
佐藤愛奈を知る5つの質問
Q1.プロフィールを教えてください。
「法政大学の『ホーセーイノベーションクラブ』というコミュニティで、Team Fashionに所属し、プロジェクトリーダーとして活動しています。メインイベントは毎年11月に行うファッションショーですが、めじろ台にある商店街で古着交換会を開催したり、小物制作に挑戦したりと、活動内容は多岐にわたります。
プロジェクトリーダーとして、同時進行するイベントのスケジュール管理や仕事配分、進捗共有に力を入れていますが、制作活動にも参加しています。昨年のファッションショーでは、2着制作しました。ショーのテーマは『深海』だったので、そこから派生して『沈没船』と『楽しすぎて沈んだ海兵』というコンセプトを決めて、電飾を使ってストーリー性を演出しました」
Q2.活動をはじめたきっかけは?
「物心ついたころから、絵を描いたり物を作ったりすることが好きでした。特に高校生の時期は、自分のなかで生まれたモヤモヤした気持ちや、忘れたくない思い出をかたちにしたいという目的意識がありましたね。
でも、一人で作っていると、その工夫や苦労を共有できる相手がいないんです…それが寂しくて。大学進学のタイミングで、団体に所属してみんなで1つの作品を作ることができたら、制作過程の工夫や感情も共有できるのではないかと考えました。例えると、りんごを1人で育てて、食べた人に美味しいと言ってもらう嬉しさより、大勢で育てた時の収穫の喜びを味わいたくなったんです」
Q3.活動にあたってのファーストアクションは?
「実は大学1年の夏ごろまでは複数のサークルに仮所属して、どのコミュニティに入ろうか決めかねていたんです。映画製作や音楽サークルなど、ジャンルにとらわれずいろんな活動を経験しました。
最終的に『ホーセーイノベーションクラブ Team Fashion』を選んだのは、作品を作ることに妥協の無い団体だと感じたからです。個々のメンバーのモチベーションが本当に高くて、地域のひとや他の団体とも関わるので厳しいスケジュール管理のなか、テーマに沿った高い目的意識があり、ここがぴったりだと思いました。
プロジェクトリーダーには自分から立候補しました。前のリーダーの、学外のひとを巻き込んでいくそのエネルギッシュな背中がかっこよくて。先頭に立つのが得意っていうわけではないけれど、大きなプロジェクトを動かすことも楽しそうだと感じたからですね」
Q4.活動をするなかでつらかったことは?
「つらいというより大変だったのは、『ホーセーイノベーションクラブ』の理念のひとつである地域との関わりと、わたしのやりたい制作の方向性を合致させることですね。組織として動く以上は当然なのですが、それにとらわれてしまって自由な発想が浮かばずに悩んでいた時もありました。
いまは、周りの大人の支えもあって、やりたいことを優先してやろうというマインドで活動できています」
Q5.将来の展望は?
「誰もが自分の好きなことに没頭できて、そのスタンスを大人になるまで貫ける世界にしたいです。わたしは幼少期に、周りの目を気にして『好き』を押し込めてしまった節があって。だからこそ、個性を隠さずにいられる社会を作りたいと思っています。
直接的に誰かに呼びかけていくというよりは、『ホーセーイノベーションクラブ Team Fashion』の知名度を上げて、自分のやりたいことを自由にやっていいんだっていう空気感を作っていきたい。
昨年の11月、ファッションショーとプライベートの海外研修の予定が重なって、すごく忙しかった時期がありました。学業もを犠牲にしたくなくて、連日徹夜が重なった結果、制作中の衣装の上で寝てしまったこともあったんです……(笑)。でもそれだけ夢中になれていたってことだと思っています。
引き続きこの熱量を持ちながら、制作活動を通じてどんどん周りを巻き込んでいきたいです」
佐藤愛奈のプロフィール
年齢:19歳
出身地:東京都
所属:法政大学現代福祉学部、ホーセーイノベーションクラブ
趣味:美術館巡り
特技:ルービックキューブ
大切にしている言葉:人は守るものがあるからこそ、強くなれる
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Photo:Nanako Araie
Text:Yuzuki Nishikawa