
「気になる10代名鑑」の954人目は、星拓希さん(17)。学校での人間関係に悩み、『第3の居場所』の大切さを実感した経験から、高校生のサードプレイスを創出するために様々な団体で活動をしています。そんな星さんに、活動をはじめたきっかけや、原動力について詳しく聞いてみました。
星拓希を知る5つの質問
Q1.いま、いちばん力を入れている活動は?
「高校生のサードプレイスとなるようなコミュニティをつくるために活動しています。
学生団体はセントリベルとトンガリーズに所属していて、学生だけでマルシェやボランティア活動を発案から実施まで手掛けたり、全国の高校生が自由に交流できる、まさに高校生の『第3の居場所』となるようなプロジェクトの一員として日々取り組んでいます。
また、株式会社Unpackedが運営する、みらい事業部という組織で、中高生の意見を取り入れたいという企業のニーズに応える活動も経験してきました。最近だと、すばる舎との共同事業として『人は話し方が9割』という本のポップとポスターを制作し、池袋の三省堂書店の店頭に2週間、置いてもらいました。
活動の幅は広いのですが、その時々でやりたいと思ったことに積極的にチャレンジしていこうという気持ちはブレないように過ごしていますね」
Q2.活動を始めたきっかけは?
「僕自身が、サードプレイスの存在に救われたことが大きいです。中学で不登校になり、高校ではそれを克服して普通科に入学したものの、人間関係で悩んでしまう時期がありました。ですが、高校1年生の冬、友人と一緒に参加したイベントで親しくなったひとに、食事会に誘われたことが転機になりました。初対面のひとたちと話すことは、普段関わりがないからこそ、等身大の自分を語れる良い機会になりました。
そこから1年ほどは、1か月に一度の頻度でそのひとたちと会うことはあれど、周りに働きかけるような活動はしていませんでした。ですが、サードプレイスのおかげで精神的に自立できるようになった自分に気付いたとき、同じような悩みを抱えている高校生のための空間を創りたいと考えるようになり、去年の11月ごろから団体に所属しました。」
Q3.活動するうえで、大切にしていることは?
「常に、自分が楽しいこと、やりたいことをやるという自分軸を持つようにしています。何か行動しようとすると、そこに意味を持たせないといけないんじゃないかとか、将来に繋がるのかという指摘をされることもあります。ですが、やりたいことを追いかけていれば、結果的にそれらが大人になった時に繋がるのではないかと思っています。
『いまこの瞬間』っていうのが僕の中でのキーワードですね。櫻坂46の『何歳の頃に戻りたいのか?』という曲が好きなんです。人間は常に今が全盛期だというメッセージを感じられるので、ひとつの行動指針になっています」
Q4.影響を受けた人物は?
「かなり最近なのですが、高校の先生にかけてもらった言葉はすごく励みになりました。『つらい時期もあったと思うけれど、人間関係での悩みや挫折は早く経験すればするほど良い。君はこれから降りかかる理不尽にも耐えられるようになるだろうし、そこが他のひとにはない強みだ』と言ってもらえたんです。
これまでの悩みや悶々とした日々を完全には消化しきれていなかったのですが、第3者のひとから気づきをもらったことで、今までやってきたことは間違いじゃなかったんだと、前よりも自分を認められるようになりました。」
Q5.将来の展望は?
「いまは、高校生の居場所をもっと増やせるように、活動を通してコミュニティの輪をどんどん広げていきたいです。音楽ライブに行くと、見ず知らずのファンのひとたちとも友達みたいに盛り上がれるじゃないですか。そういう空間やイベントをもっと頻繁に開催できる取り組みもしていきたいと考えています。自分がサードプレイスで得た安心感や喜びをみんなにも知ってもらいたいですね。
遠い将来の具体的なビジョンはありませんが、だからこそ、すごくワクワクしている自分がいます。瞬間的に動くことを大切にしていった結果、どんな大人になれるのか。挫折も成功体験も、全部を糧にして進んでいきたいです」
星拓希のプロフィール
年齢:17歳
出身地:東京都大田区
所属:学生団体セントリベル、学生団体トンガリーズ、株式会社Unpacked みらい事業部
趣味:音楽、野球観戦
特技:綺麗な逆立ち
大切にしている言葉:努力は運の幅を広げる
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Photo:Kaori Someya
text:Yuzuki Nishikawa