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日本の課題解決にもつながるかも?ペルー発スタートアップ企業に注目!【Steenz Breaking News】

日本の課題解決にもつながるかも?ペルー発スタートアップ企業に注目!【Steenz Breaking News】

世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、JICA主催のイベント内容をもとに、ペルー発のスタートアップ企業についてご紹介します。

いま、世界で大きな注目を集めるペルーのスタートアップ市場

南米大陸の西側に位置するペルー共和国。マチュピチュやナスカの地上絵、チチカカ湖などで有名な同国の経済が昨今、圧倒的な勢いで成長しているのをご存知でしょうか。

ペルー政府が今年の2月に発表した予測によれば、2025年の国内総生産(GDP)は4%程度増加し、中南米で第2位の経済成長ペースを達成する見込みに。インフレ率も2%に達する可能性が高いとしています。また、ペルー輸出業者協会は今年の輸出額について、過去最高値を記録するのではないかと予測しています。

そんなペルーでいま、スタートアップ市場が大きな盛り上がりを見せています。2018年頃を境に、中南米・カリブ地域でのスタートアップ投資が増加。その影響を受け、ペルーでもスタートアップの資金調達が活況となっています。ペルーシードキャピタリスト協会(PECAP)によれば、2021年には1億2400万ドルもの資金がスタートアップに提供されたそう。2022年以降は世界的にスタートアップ投資が落ち着いたことから、ペルーでも投資額が減少しましたが、それでも2023年には5000万ドルもの投資規模に達しました。

JICAがペルー発スタートアップを紹介するイベントを開催

そうした勢いあるペルーのスタートアップ市場に着目し、3月26日、現地のスタートアップ環境やスタートアップ企業を紹介するイベントが開催されました。

主催したのは、JICA(独立行政法人国際協力機構)です。JICAは現在、アクセラレーション・プログラム(※)「BAILA(Bilateral Acceleration of Innovation with Latin America)」を展開し、途上国の厳しい社会・経済環境下で課題解決に挑むスタートアップを支援しています。BAILAの特徴は、途上国発スタートアップと日本の企業・自治体などとのマッチングに力を入れていること。途上国で開発された技術やサービスを、日本国内に存在するさまざまな課題の解決につなげるべく活動しています。

※アクセラレーション・プログラムとは:スタートアップ企業などの事業成長を、資金面やビジネスモデル構築などの観点から支援するプログラムのこと。

『太陽の国のイノベーション:南米ペルー発スタートアップ・オンラインピッチイベント』と題しておこなわれた今回のイベント。JICAの担当者や、先述のペルーシードキャピタリスト協会の担当者から、ペルーの経済状況とスタートアップ市場について説明があった後、スタートアップ企業5社の代表が自社の事業についてプレゼンテーションをおこないました。本稿では、筆者が「日本の課題解決にも直結するのでは」と感じた2社をご紹介したいと思います。

食品ロスの削減を目指す「Cirkula」

栄養豊富な食材が育ち、彩り豊かでおいしい料理が楽しめる「美食大国」としても有名なペルー。その豊かな食文化は世界に誇る同国の良さである一方で、昨今、ペルー国内では家庭や企業から出た余剰食品の廃棄が大きな問題となっています。その量は年間で1,280万トンにのぼるとも言われており、早急な解決策の構築が求められています。

 

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そうした食品ロスの問題解決に挑むのが、Cirkulaというスタートアップ企業です。同社は、社名と同じ「Cirkula」という名称のスマートフォンアプリを開発。レストランや小売店が余剰食品を消費者に直接販売できるプラットフォームを構築しました。アプリのユーザーは、アプリ内に登録されている食材や総菜の中から好きなものを選び、購入するだけ。食料品を割引価格で手に入れられる上に、決済や受け取り手続きなどはすべてアプリを通じておこなえるため、利便性の高いサービスとなっています。

同社では、2024年までに45,000kgの食品ロスを解消し、10万kgのCO2排出量削減に貢献。環境負荷の軽減に資する新サービスとして、熱い視線が注がれています。

人が行きづらい場所での点検・調査を代替可能な自走式ロボット

今年の1月28日、埼玉県八潮市で大規模な道路陥没が発生しました。その原因のひとつとされているのが、地下10メートルのところに敷設されていた下水道管の破裂です。硫化水素などの有毒ガスが大量に発生しているケースもあることから、下水道管の点検には特有の難しさが伴うもの。従来の人による点検だけでなく、ロボットなどのテクノロジーを活用した新しい点検方法の構築が急がれています。

 

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そうした課題に対して、ペルーのスタートアップ企業・Tumi Roboticsがひとつの解決策を提示できるかもしれません。同社は、ロボット工学の知見をもとに自走式ロボットを開発。人が訪れることが難しい場所での点検・調査の自動化に成功しました。

それだけでなく、実地調査した場所の形状や画像などのデータをロボットに集めさせることで、リアルタイム解析も可能に。下水道管の点検であれば、破損箇所を迅速に発見し、その場の状況を仮想モデルとして再現することもできるといいます。また、集めたデータはシステム内に保存。将来、インフラ等のリスクを予測分析する際などに活用するそうです。なお、ペルーでは、これまで30日程度の期間がかかっていた配管設備の点検作業を5日間に短縮できた事例もあるとのこと。

上下水道など、高度経済成長期につくられた日本のインフラ設備は老朽化が進んでおり、社会インフラの保全・更新は喫緊の課題です。今後、日本でもTumi Roboticsの技術が活用されているシーンを見かけることもあるかもしれません。

日本と似た部分も多いペルー。スタートアップ企業から学ぶ課題解決の形

古来より続く伝統文化に、豊かな食文化。環太平洋造山帯の近くにあるがゆえに、地震が多い国土であること……。今回、イベントでペルーについて知る中で、実は日本との共通点が多い国であることに驚きました。

だからこそ、ペルー発のスタートアップ企業が開発した製品やサービスは、日本国内の課題解決にフィットする可能性も高いと感じます。ペルーのスタートアップ企業に注目してみると、日本の課題解決の新たな形が見えてくるかもしれません。

Reference:
REPORTE ANUAL 2023(PECAP)

TextTeruko Ichioka

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Teruko Ichioka

ライター・編集

フリーライター。好奇心の強さは誰にも負けない平成生まれ。得意領域もスタートアップ、ビジネス、アイドルと振れ幅が広い。

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