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音声ガイドで河津の魅力を発信。「大学生の視点」で地域のストーリーを届ける【いぶき・19歳】

音声ガイドで河津の魅力を発信。「大学生の視点」で地域のストーリーを届ける【いぶき・19歳】

「気になる10代名鑑」の943人目は、いぶきさん(19)。静岡県内の大学に通いながら、静岡県賀茂地域の魅力を発信するプロジェクトに参加しています。行政と連携しながら、「大学生の目線」で地域の情報を届けるいぶきさんに、活動のきっかけや印象に残っているエピソード、そしてこれからの展望を聞きました。

いぶきを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

「静岡県内の大学に通いながら、静岡県賀茂地域の魅力を発信するプロジェクトに取り組んでいます。賀茂地域は、静岡県の伊豆半島に位置し、自然が豊かで温泉や海産物が有名なエリアです。一方で、少子高齢化や観光の季節依存といった課題も抱えていて、地域の持続可能な発展が求められています。

わたしが関わっているのは、大学生が行政と連携しながら地域活性化を進める『若旅IN賀茂キャン』という取り組みで、2023年度は静岡県河津町の音声ガイドを制作しました。スポットの選定から台本作成、キャスティングまで、すべて学生が主体で進め、今年2月には、実際に音声ガイドを聞きながら町内をめぐるツアーも開催しました。

なぜ音声ガイドにしたかというと、イベントと違って、一度きりで終わらないのが魅力的だと感じたから。訪れる前の予習にも、帰ったあとの振り返りにも使えて、長く地域に貢献できるコンテンツだと考えています。また、一度作ってしまえば、その先ずっと現地を訪れたひとの体験をより深いものにすることができると思うんです」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

大学で観光についての講義を受けたとき、地方創生や観光に興味が湧いて。ちょうどそのタイミングで、ゼミの先輩から『一緒に魅力発信の活動をしてみない?』と声をかけてもらったんです。

大学進学のタイミングで、新しいことに挑戦したいと思っていたこと、そして地方創生に興味があったことが後押しとなって、プロジェクトに参加しました。

現在は、週に1回ほど学生間で話し合いながら活動を進めています。実際に地域を訪れるなかで、ひとのあたたかさや土地の持つ魅力にたくさん触れてきました。観光地としてだけでなく、“暮らしのあるまち”としての賀茂地域を、もっと多くのひとに知ってほしい。そんな思いが、活動を通じてどんどん強くなってきています」

Q3. 活動にあたってのファーストアクションは?

「音声ガイドの制作に取り掛かるにあたって、まずは河津町を訪れることから始めました。それまで伊豆に行く機会はほとんどなかったんですが、現地に訪れることで新たな発見が多くありました。

特に印象に残っているのは、イベントのチラシを配っていたときのこと。飲食店や旅館へ行くと、『大学生が地域の活動に関わるなんてすごいね!』と声をかけてもらえて。わたしたちの活動に皆さんが興味を持ってくれたことが嬉しかったです。

また、川端康成の『伊豆の踊子』は河津町が舞台なのですが、実際にブロンズ像を目の前にすると、物語のなかに入り込んでいくような非日常的な空間を感じることができました。

音声ガイドでは、そんな魅力を声でお届けしています。地元にゆかりのあるひとにナレーションを担当してもらったので、河津に馴染みのあるひとにはより親しみを持って聞いてもらえるんじゃないかなって。この音声ガイドが現地に足を運ぶきっかけとなれたらいいなと思います!」

Q4.活動の中で、悩みがあれば教えてください。

「特に難しさを感じたのは、『どうすれば興味を持ってもらえるか』ということです。

チラシを配布して、イベント告知を行ったものの、興味を持ってもらうには工夫が必要だと実感して……。そこで、音声ガイドにはクイズを取り入れました。こうすることで、聞き手も受け身にならずに楽しんでもらえるんじゃないかなって思ったからです」

Q5. 将来の展望は?

「賀茂地域の魅力をもっと多くのひとに知ってもらいたいです。

この活動を通じて、わたし自身が伊豆の魅力を知ることができたように、自分たちの発信を通じて伊豆を訪れるひとが増え、より深く地域を知るきっかけになればと思っています。

特に『大学生の目線』は大切にしたいと思っていて。SNSを活用すれば、マスメディアでは届きにくい層にも情報を届けることができます。若者だからこそ伝えられる新鮮な発信を強みに、これからも『若旅プロジェクト』を継続していきたいです。

自分の将来はまだ模索中ですが、観光や地域活性に関わる仕事を続け、地域の魅力をより多くの人に伝える仕組みを作っていけたらいいなと思います」

いぶきのプロフィール

年齢:19歳
出身地:静岡県
所属:若旅IN賀茂キャン

Photo:Nanako Araie
Text:Serina Hirano

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Serina Hirano

エディター/ライター

東京と静岡の二拠点生活。リアルを懸命に生きている若者を応援するため、パラレルワーカーとして活躍中。インタビュー記事を基点とし、学生やスターアップ企業、まちづくりの領域まで幅広く活動しています。ライター兼ディレクターとして、2024年からsteenzに携わる。

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