
「気になる10代名鑑」の932人目は、高森恒成さん(19)。東京藝術大学で油画を専攻しながら、『目の前のモチーフと全力で向き合う』ことをテーマに、絵画作品の制作に取り組んでいます。最近は専ら木をモチーフに作品を制作する高森さんに、活動をはじめたきっかけや、高校自体の留学経験について詳しく聞きました。
高森恒成を知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは?
「東京藝術大学の絵画科油画専攻に通いながら、絵画作品の制作をおこなっています。
大学に入ってからは、おもに木を描いていて。そのパワフルさに魅力を感じているんですけど、モチーフの迫力とか、モチーフ自体の持つ強さ、存在感を表現することを意識しています。最近は、立体作品にも挑戦中です」
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Q2. 活動をはじめたきっかけは?
「小さいころから絵を描くことは好きだったんですけど、高校受験のとき、『自分の好きなことにもっと全力で取り組めるように』という思いで、美術高校を選びました。受験のために予備校に通って、デッサンとか、基本的な絵画の描き方を学んでいったのが、本格的に始めることになったきっかけですね。
将来、サラリーマンになって、パソコンに向き合ってデスクワークしている自分と、筆を握って絵を描いている自分をそれぞれ想像してみたとき、絵を描いている自分のほうが、ワクワクするなって思ったんです」
Q3.活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「高校3年生のとき、10ヶ月間フランスに留学したことです。
フランスの中でも、田舎の地域でホームステイしていたんですけど、そこで見た景色が本当に素晴らしくて。果てしなく地平線が広がっていて、空もものすごく大きくて……。自分は東京生まれの東京育ちだったので、そこで初めて、空とか大地の広さに気が付いたんです。フランスでは課題とかもなかったので、風景画を中心に、のびのびと描いていましたね。
そのおかげで、どこか吹っ切れたというか。もちろん、日本に帰ればまた課題はあるんですけど、あまり縛られ過ぎず、自由に描いてもいいんだなって思えるようになりました」
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Q4.活動するうえで、大切にしていることは?
「『目の前のモチーフと全力で向き合うこと』です。
描きたいものを実際に見たり、そのためにどこかの場所へ行ったり。“自分の目で”見た景色とか、感じたことを、ありのままに描き出すことが、自分の制作のテーマです。
あとは、ひととのつながりも大切にしています。留学当初は、一切フランス語ができなかったんです。でも、ホストマザーや現地の学校のクラスメイトが熱心に向き合ってくれたおかげで、話せるようになっていって。そこで、積極的にひとと関わることの大切さを実感しました。美術をやっていくなかでも、助け合いが大事な場面はたくさんあるので、仲間としっかり向き合って、頼られるようなアーティストになりたいと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「パリのギャラリーで、自分の作品を展示することが夢です。将来は、フランスと日本を行き来しながら活動していきたいと考えています。
あとは、自分の作品を通じて、社会に貢献できればという想いがあって。もっと自分の絵を発信していって、見た人が感動してくれたり、『こんな作品もあるんだな』って、純粋に美術を楽しむきっかけになったりしたらいいなと思っています」
高森恒成のプロフィール
年齢:19歳(2005年1月30日)
出身地:東京都杉並区
所属:東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻
趣味:登山、カードゲーム
特技:フランス語
大切にしている言葉:自分に集中!
高森恒成のSNS
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木の素描(5)。2025
Pencil on paper pic.twitter.com/uhCgRUZUYu— たかもりもり (@1Xm81) January 30, 2025
Photo:Nanako Araie
Text:Fuka Hagai