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署名活動は“問題提起”の場。沖縄での気づきを胸に平和活動に取り組む高校生【ゆい・17歳】

署名活動は“問題提起”の場。沖縄での気づきを胸に平和活動に取り組む高校生【ゆい・17歳】

「気になる10代名鑑」の926人目は、ゆいさん(17)。核兵器の問題や死刑制度などの幅広い社会問題に関心を持ち、署名活動や学習会を軸に活動する高校生です。将来は気候変動やエネルギーの研究を通じて平和な社会に近づけたいと語るゆいさんに、活動を始めたきっかけや今後の展望について、詳しく聞いてみました。

ゆいを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

中学2年生のときから『高校生平和ゼミナール』という団体に所属して、戦争、ジェンダー、日韓関係などの社会問題に関係する学習会やフィールドワーク、署名活動を行っています。特にいまは、核兵器禁止条約への批准を求める署名活動に参加していて、3月には1万筆以上の署名を外務省に提出する予定なんです。

個人的に、オンラインで受講できる学習会も開催しています。高校の友達にも積極的に声をかけたり、講師も弁護士の人にお願いしたりと、最新の社会課題を学んで議論できる環境作りに注力しています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「親に勧められて、ゼミの学習会に参加したことがきっかけです。もともと平和というキーワードについて興味はあったけれど、学校でそういった話をする機会はなくて。初めてのゼミでは原子力発電がテーマで、わたしと年の近いゼミのメンバーが、問題意識をもって話し合う姿に衝撃を受けました。自分が無知だということにも気づけたきっかけでもあります。

それから、署名活動にも挑戦しました。自分から話しかけることも難しいし、大きな声を出しても無視されてしまうことがほとんどで。でも、立ち止まってくれたひととたくさん話したり、年の近いひとに話しかけてみたりと、工夫を重ねて、いまでは楽しさもやりがいも感じられるようになったんです」

Q3. 活動をしている中で、印象的だった出来事は?

中学3年生のときに参加した沖縄平和学習ツアーで、米軍基地に行ったり、地元のひとから直接話を聞いたりしたことが、いまの自分の考えに影響していると思います。米軍基地があることによる地元のひとの日常の負担も肌で感じました。自分も含めて、本土のひとの沖縄に対する解像度の低さや、どこかで沖縄の問題を他人事として考えていることが問題の根本にあるんじゃないかなと思ったんです。

日常から離れた場所で起きることを自分ごととして捉えるのは難しいし、ニュースを見ていても、どこか人ごとに感じてしまう自分もいます。誰もが自分ごととして社会の問題を考えていけば、世の中はもっと良くなっていくと思うんです」

Q4.活動をする中でつらかったことは?

署名活動で、無視されてしまうことです。立ち止まってくれる人がとても少ないことも良くあって、最初は署名活動ってやる意味あるのかなと思うこともありました。でも、署名をした後に『頑張ってね』と声をかけてもらったり、別の意見のひととも話せたり、徐々に楽しさも感じられるようになったんです。最近は『通りすぎるひとに問題提起をする』というマインドで活動しています。

わたしたちのような知らない人にいきなりに声をかけられて、個人情報を伝えるのは、怖いし勇気がいることだとは思います。でも、周りを気にして署名を断るのではなくて、そのひと自身の意見と照らし合わせて、行動できる社会になったらいいなと考えています」

Q5. 将来の展望は何ですか?

まだ明確に決めた訳ではありませんが、将来は、再生可能エネルギーの研究をして、少しでも地球環境に負担のかからないような技術を開発できるひとになりたいです。

気候変動に関する勉強をする中で、自然環境を大切にすることも平和を構築するひとつの方法だと気づいて。大学に入学したら、周りの人も巻き込んで、平和について考えて行動を起こすために、学び続けていきたいです」

ゆいのプロフィール

年齢:17歳
出身地:東京都
所属:東京高校生平和ゼミナール
趣味:読書
大切にしている言葉:継続は力なり

Photo:Nanako Araie
Text:Mizuki Maeda

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Mizuki Maeda

ライター

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