
世の中にあふれる情報から、10代が知っておくべき話題をお届けする「Steenz Breaking News」。今日は、ヤマハが取り組むサステナビリティ活動「おとの森」プロジェクトについてご紹介します。
「おとの森」とは
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「世界中の人々のこころ豊かなくらし」の実現をミッションとして掲げ、音楽文化の普及に貢献するなど、かねてからSDGsにつながる活動を展開してきた総合楽器メーカーのヤマハ株式会社(以下、ヤマハ)。
新興国を中心に公教育に楽器演奏を取り入れるサポートや、自動演奏ピアノ「だれでもピアノ®」を通じたインクルーシブな取り組みなど、音楽を通じた社会的活動をおこない、その幅を広げています。
そんなヤマハが、近年は森づくりにも注力していることをご存じでしょうか。
今回紹介する「おとの森」とは、楽器づくりに適した木材を生み出すサステナブルな森のこと。ヤマハは、こうした森を維持し、増やしていくためのさまざまな活動をおこなっています。
SDGs目標12「つくる責任つかう責任」、目標15「陸の豊かさを守ろう」、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の3つの目標に貢献するヤマハの取り組みについて、見ていきましょう。
ヤマハが森づくりをおこなう理由
楽器づくりに欠かせない木材。ヤマハは約70種類、年間約8万m³もの木材を世界各地から調達し、楽器を製造しています。もちろん、木であればなんでも良いわけではありません。音や加工性といった楽器に求められる性質を持ち、時間をかけて太くまっすぐに育った木材のみが楽器づくりに使用されています。
しかし、気候変動や違法伐採などの理由から、昨今は良質な木材の調達が難しくなりつつあります。これからもサステナブルに木材を調達できるようにすることはもちろん、地球を元の状態より豊かにするリジェネラティブな森づくりを見据えて、ヤマハは森づくりに力を入れているのです。
森のライフサイクルを見つめた取り組み
では、おとの森では実際にどんな活動がおこなわれているのでしょうか。
クラリネットやオーボエに使われるという「アフリカン・ブラックウッド」の産地・タンザニアでは、2015年より現地の非政府組織(NGO)や地域住民とともに森林保全活動をおこなっています。
また、育苗や植林、楽器適材を育てていくための基礎研究が進められています。さらに、割れや節があるために楽器には適さないとして廃棄されていた木材を、独自技術で再生し、楽器に実装するなどの取り組みもおこなわれているそうです。
他にも、日本国内では、製造や研究の過程で出る未利用材を使用した、カスタネット作りのワークショップも開催しています。
豊かな森林と音色を次世代へとつなぐ
切っても切れない、深い関わりを持つ楽器と森。「おとの森」のプロジェクト名にも、音と森のつながりを身近に感じてもらうことや、世代を越えて継承していきたいといった想いが込められています。わたしたちもそうした想いを受け継ぎ、しっかりとバトンをつなぐ存在となりたいですね。
Text:kagari