「気になる10代名鑑」の867人目は、Garuさん(16)。神奈川県逗子市を拠点に、環境や災害復興にまつわる活動をおこなっています。ボランティアのやりがいや達成感をたくさんの人に知ってほしいと話すGaruさんに、活動についてあれこれ聞いてみました。
Garuを知る5つの質問
Q1. いま、力を入れていることは?
「学校で環境プロジェクトチーム『MOANA』を立ち上げて、地元の逗子市を拠点にボランティア活動をおこなっています。海の環境問題を中心にアプローチしていて、逗子海岸のビーチクリーンをしたり、専門家の方をお招きして講演会を開いたりしています。
あとは、東日本大震災をきっかけに発足した、復興支援の学生ボランティアグループ『3.11つなぐっぺし』にも所属していて。最近では、能登の仮設住宅を訪問して、入居している人たちに向けたサロンを開催しました」
Q2. 活動をはじめたきっかけは?
「環境問題に関しては、小さいときから海や山に馴れ親しんできたことがきっかけです。小学生のころは、ほぼ毎日ウインドサーフィンをやっていたんですけど、仲間たちとよくビーチクリーンをしていました。それで、『自然を守っていく』意識は身についていたのかなと思います。
あとは、毎年シュノーケリングをする中で、ある年、急に海の様子が変わってしまったことに気付いて。小学校で温暖化や環境汚染などによる海の『磯焼け問題』について調べたこともあって、中学生のときから海洋環境に関する活動を始めました。
災害復興の活動は、能登の震災がきっかけです。報道を見ている中で、自分にも何かできたらいいなと考えていたときに、ちょうど団体のチラシを見かけて、昨年の1月から参加しました」
Q3.活動をしている中で、印象的だった出来事は?
「『MOANA』の活動の一環として、学校の文化祭でイベントをおこなったことです。
いま逗子海岸で問題になっている『磯焼け』について知ってもらうことを目標に、ワークショップを開催しました。磯焼けの原因のひとつに、環境変化によって増えすぎたウニによる海藻の食害というのがあるんです。そこで、事前にウニを駆除するイベントに参加させてもらって、獲ってきたウニを殻だけの状態にしたものに、ろうそく型のランプを使って飾りつけをしたのですが、たくさんの人が来てくださって。大きなイベントを成功させられたのが、印象に残っています」
Q4.最近、新しく始めた挑戦はありますか?
「環境活動をおこなう学生団体をつなぐ連合体として、昨年の夏に『Sustainable Students Union in Zushi』を立ち上げました。
『MOANA』の活動をしている中で、他の学校とかでも環境問題に取り組んでいる団体があることを知って。もっと団体同士のつながりを持てたらなと思ったことがきっかけです。いまは、学生がボランティアに参加するきっかけ作りとして、ボランティア情報をまとめたチラシの作成などをしています。
今後は、暮らしやすい社会を作っていくために、環境活動に限らず包括的な活動をおこなっていきたいです。ゆくゆくは学生会議みたいな場をつくって、社会に対するアクションを学生たちで考えて、形にしていけたらいいなと思っています」
Q5. 今後の展望は?
「ボランティアや地域活動は、これからも続けていくつもりです。自然と誰かのためになれることとか、一緒に活動する仲間と企画を考えて、実現していくことにやりがいを感じていて。
あとは、もっとたくさんの人にボランティアの良さを知ってほしいです。こういう活動ってなかなかきっかけを見つけるのが難しいじゃないですか。でも、実際に活動してみると、すごく達成感とかやりがいがあるものだから、いろんな人にそういう経験をしてほしいなって思っています。どうしたらきっかけを増やしていけるのか、今後考えていきたいです」
Garuのプロフィール
年齢:16歳(2008年8月4日)
出身地:神奈川県逗子市
所属:逗子開成高等学校、逗子開成環境プロジェクトチーム『MOANA』 代表、東日本大震災復興支援学生ボランティアグループ『3.11つなぐっぺし』 副代表、『Sustainable Students Union in Zushi』 代表
趣味・特技:ギター、物理、バレエ、ウインドサーフィン、書道
大切にしている言葉:ありがとう
Photo:Nanako Araie
Text:Fuka Hagai