Teen's Snapshots

必要なのは「やらされ感」からの脱却。探究教育をサポートするバックパッカー大学生【Reo・19歳】

必要なのは「やらされ感」からの脱却。探究教育をサポートするバックパッカー大学生【Reo・19歳】

「気になる10代名鑑」の877人目は、Reoさん(19)。大学に通いながら、会社とコミュニティを運営し、学校の探究の授業の企画とサポートをしています。学ぶことの楽しさを伝えたいと語るReoさんに、活動を始めたきっかけや、これからの目標について聞いてみました。

Reoを知る5つの質問

Q1. いま、いちばん力を入れている活動は?

主に探究教育の領域で活動していて、学びの楽しさを伝えることを軸に、会社経営と、コミュニティの運営サポートをしています。

理事をつとめる『一般社団法人アクトポート』では、小・中・高校へお邪魔して探究出張授業をしたり、教材作りをしたり、イベントにも登壇しています。

また、16歳から25歳のいわゆるZ世代の数十人が集まって社会課題を学ぶコミュニティ『nest』にも所属。1年かけて社会・環境問題について理解を深め、自分たちで企画を起こす活動をしていて、わたしはそのサポートをおこなっています」

Q2. 活動を始めたきっかけは?

「探究教育に興味をもった最初のきっかけは、学校の学びの圧倒的な『やらされ感』に対するフラストレーションからです。

小さいころから、学校の勉強が大の苦手でした。先生から、やりなさい、覚えなさいと言われたことに対して、『なんで?』と問いかけても一向に理由がわからなくて……。そんなとき、NPO主催のSDGsの課外プログラムに参加して、あまりの面白さに衝撃を受けたんです。『学びってこんなに楽しかったんだ!』と、課外活動にのめり込んでいきました。

そのとき感じた面白さが探究的な学びなんだと知って、学びの楽しさをもっとたくさんの学生に伝えたいと思うようになり、探究教育の活動を始めました」

Q3. 活動をする上で大切にしていることは

「探究活動において意識しているのは『やらされ感』を生まないことです。自分自身が嫌だったからこそ、生徒が自分から『やりたい』と思える環境を作ることを大切にしています。そのため、探究プログラムをパッケージ化することは避けて、生徒ひとりひとりの個性や、学校ごとに合った形のプログラムをつくっています。

既存のプログラムをパッケージとしてそのまま当てはめるのではなく、学校や生徒さんの思いに沿ってサポートする姿勢を大切にしているんです。提案しつつも押し付けないバランスが難しいですが、生徒が自ら気づきを得られるようにサポートすることを意識しています」

Q3. これまでに影響を受けた出来事はありますか

高校生のころ、バックパッカーとしてヨーロッパの8カ国を1ヶ月半、ひとりで周遊しました。受験が早めに終わって時間があるので『海外に行きたい!』といきおいで往復チケットだけ取って、飛行機に乗っちゃったんです。

泊まる場所やプランも全く決めないで行ったんですけど、その場その場で、現地の人にアポを取って泊まらせてもらって。もちろん全てが順調に進んだわけではなく、フィンランドの夜の雪山で数時間遭難したり、フランスの夜道で男の人に追いかけられたり、ノルウェーで取ったホステルが詐欺でお金を騙し取られたり、いろんなことがありましたね。でも、現地で思いもよらない出会いがあったり、改めて日本の良さに気づけたりと、得るものもたくさんありました」

Q5. 将来の夢は?

将来的には教育分野に限らず、日常で感じる『もっとこうしたらいいのに!』という疑問を形にしていきたいと考えています。そのために、現在はビジネスの勉強をしています。

また、世界を転々としながらいろいろな文化や景色を自分の目で見てみることも夢のひとつです。来年3月末からは1年間休学し、オーストラリアでワーキングホリデーのような感じでインターンを経験する予定です。現地の会社で、実践的な学びを得たくて。型にハマらず、自由で柔軟に生きていきたいです」

Reoのプロフィール

年齢:19歳
出身地:東京都大田区
所属:慶應義塾大学環境情報学部、一般社団法人アクトポート、SB Japan Youth Community nest
趣味:合気道、旅行、ピアノ
大切にしている言葉:私たちが生きている今は、誰かが命がけで守ってくれた未来

Photo:Nanako Araie
Text:Haruhi Hirayama

SNS Share

Twitter

Facebook

LINE

Haruhi Hirayama

ライター

2004年生まれ。埼玉県在住。青山学院大学総合政策学部在学。趣味は、登山。新しい出会いを大切にしていきたい。

View More